ビデオゲームの墓場
びでおげーむのはかば
アタリショックの項目にも書かれているが、ゲームメーカーのAtariはスティーブン・スピルバーグとユニバーサル・ピクチャーズと交渉し、映画『E.T.』のゲーム化権を取得したが、クリスマス商戦に間に合わせるために6週間という超絶短期間で製作された「E.T.The Extra-Terrestrial-」は「史上最低のゲームタイトル」の一つに数えられるほどクオリティが低く、バカ売れを確信していたAtariは大量の不良在庫を抱えることになってしまった。
1983年9月にアラモゴードの地方紙が「エルパソにある倉庫からトレーラートラック10台から20台分のゲームソフトとゲーム機を運び出し、市の処分場に廃棄した」と報道。
9月27日にはUPI通信社が「『E.T.』『パックマン』等のゲームソフトやゲーム機、高額なパソコンを処分した」、28日にはナイトリッダー誌が「地元の子供たちが処分場からゲームソフトを掘り起こして持ち去った」と報道していた。
数多くの媒体から発された情報は憶測、推測を呼びいつしか「売れ残りの『E.T.』350万本近くがコンクリ詰めにされてニューメキシコの砂漠の何処かにうずもれている」という説にまで発展し都市伝説化した。
E.T.のプログラマーは処分した事を否定し、この事件は「アタリショックの象徴」とみられるようになり、事業で傲慢になる事への警鐘として引き合いに出されていた。
ところが……
2014年4月にアメリカのエンターテインメント企業「フューエル・インダストリー」が許可を貰ってこの都市伝説が真実か否かを突き止めるための発掘調査とドキュメンタリー番組制作を開始。
噂自体眉唾物だったこともあり誰もが「あるわけねーだろ」と高を括っていた中、4月26日の発掘調査中、本当に発見されてしまった。
その数72.8万本。そのうち1300本の回収に成功。都市伝説が本当だったと証明された事で大きな話題となり、見つかったゲームは「文化的価値がある」との理由で500本が博物館に寄贈された。