概要
アメリカの都市伝説などを起源とする怪物“フィアサム・クリッター”の一種。
フープスネーク(輪の蛇)という名前の通り、自らの尾を噛んで輪の形になって高速で地面を転がって移動する、鮮やかな色をした毒蛇であるという。
高速で転がる理由としては、天敵から逃れるため、もしくは哀れな獲物を捕らえるためであるとされ、もしこの怪生物に襲いかかられたら、落ち着いて輪の中を抜けて逃げれば良いといわれている。
なおインディアン・イロコイ族の一氏族タスカローラにもティカレンウェ(Ti’karenweh):ネクタイヘビといわれる猛毒を持つ、フープスネークと同様に輪になって転がる蛇の姿をした水の精霊が伝わっている。
スネーク・オブ・ホイール(車輪の蛇)とも呼ばれ、カナダやオーストラリアなどの歴史の浅い移民国家において同様な伝承が語られている。
実在!?
長らく伝承のみの存在と思われていたが、東南アジアに生息しているズナガハダカメヘビが、危機を感じると輪になって転がりながら逃げる様子を、2019年にマレーシア大学のEvan Seng Huat Quah教授が撮影することに成功した。
実は以前から現地で目撃報告されており、今回撮影されたことでこのような習性を持つ蛇が現実にも存在することが確認されたのである。
現在はどのような構造で転がるのか、他の種にも見られるのかの研究が予定されている。
類似した存在
- ウロボロス:尾を咥えて輪になっている永遠の象徴である蛇の図像。
- アンフィスバエナ;尾にも頭部がある蛇の姿の幻獣で、後部の頭のほうを噛み、輪になって移動する。
- ツチノコ:別名にツチコロというものがあり、UMA関連書籍によっては同様に転がったという目撃例が記述される場合がある。
- 大蛇の輪:岡山県に伝わる大蛇。
- スペースコブラ:硬く滑らかな荒野が広がるダスト惑星『アスファルト・ヒル』に棲む生物は車輪状に進化しており、転がることで移動する。