概要
『ジュラシック・ワールド』に登場する雌のヴェロキラプトルで、ラプトル四姉妹の長女(当初は五姉妹だが五体目のV-2は凶暴な為、殺処分された)。体には青銀色の模様があるが、これはイワオオトカゲの亜種「ノドグロオオトカゲ」とナイルオオトカゲのDNAを組み込まれて誕生したためである。
- 年齢:3歳『ワールド』(2015年)→6歳『炎の王国』(2018年)→10歳『新たなる支配者』(2022年)
前3作に登場したヴェロキラプトルに比べ、彼女たち4姉妹は遺伝子操作と戦闘訓練によって戦闘能力が高い。中でも彼女は妹たちよりも強い。(つまりジュラシックシリーズで最強のヴェロキラプトルである。)人間の意図を理解し、かつて三女のエコーとの戦いに打ち勝ってリーダーの座を手にした。ブルーは体長4m・体重150kgとされ、『III』の個体達とほぼ同じ(雌雄共に体長3.96m以上)。
孵化した頃から本作の主人公オーウェン・グラディに育てられており、オーウェンにとっては実の娘と同然の存在である。彼女自身もオーウェンに対しては妹たちよりも深い信頼と愛情を寄せている。とは言え、さすがに人間とは勝手が違うために、オーウェンは彼女の立場が自分よりも下であることを示すため、餌である肉を与える時は彼女には最後に与えている(ちなみに肉を与えられるのは、末妹のチャーリーから彼女まで、一言で言えば「下から順」となっている)。オーウェンによると「ワガママな女王様」。
なお、ラプトルたちは、その戦闘能力や命令を理解する知能の高さを、恐竜を生体兵器として利用しようと目論むインジェン社のホスキンスに目をつけられていた。
ラプトルの中でもブルーは仲間に対する同情心と、他のラプトルを従える統率力を持ち、ヘンリー・ウー博士も彼女の貴重な遺伝子に注目している。
劇中での活躍(ネタバレ注意)
ある晩、脱走した凶悪なハイブリッド種インドミナス・レックスに対する駒として、他の姉妹共々討伐作戦へと駆り出された。しかしインドミナスにはラプトルの遺伝子も組み込まれていたため、無理矢理駆り出されてストレスを溜めていたブルー達は、インドミナスと会話の後、人間たちから銃撃され、反撃として人間を襲い始めた。
末妹のチャーリーを殺害された復讐に燃え、隊員を含む多くの討伐隊員を返り討ちにしたブルーは、育ての親の一人であるバリーにも襲いかかったが、オーウェンが囮となったためそちらに対象を切り替え、一度はまかれるものの逃亡の末パークのメインストリートに辿り着いたオーウェン達と再び相対。同じく追ってきたデルタ、エコーと共に取り囲むがオーウェンの静止を聞き入れる。インジェン社に取り付けられたヘッドギアを外してもらい和解した・・・のも束の間、そこにインドミナスが現れる。
ブルーは果敢にインドミナスに立ち向かうが、前足の一撃で吹き飛ばされ動かなくなってしまう。
残ったデルタとエコーがインドミナスに挑むも力及ばず殺され、切り札として解き放たれたティラノサウルスのレクシィも前足による執拗な攻撃の前に倒れてしまい、あわやとどめをさされそうになった絶体絶命のその時。
ラプトルの鳴き声(仲間を呼ぶときの鳴き声)が響き、インドミナスに飛びかかるブルーの姿があった。彼女は死んでおらず、気を失っていただけだったのだ。図らずもレクシィが反撃に転じる糸口を作り、以後は共同戦線を展開。2体の攻撃の前にインドミナスはパークの湖の側に追い詰められ、そこから飛び出してきたモササウルスの一撃によって最期を迎える。
インドミナスが倒された後、レクシィはブルーを一瞥して人間たちの前から去っていく。
ブルーはオーウェンを見つめるが、オーウェンは黙って首を横に小さく振る。
オーウェンの意志を読み取ったブルーは、レクシィの後を追うように何処かへと走り去っていくのだった・・・。
悲劇のヒロイン?
インドミナスとの会話のシーンは「インドミナスに懐柔された」という風に解釈されがちだが、実は彼女たちはインドミナスに寝返っていない。
ラプトルの遺伝子も引き継ぐインドミナスの会話で困惑した彼女たちは、オーウェンの指示を確認するために振り返ったのだが、焦った人間側が彼女たちに発砲した事に驚き、人間たちに裏切られたのだと思ってしまったのだ。
この伏線は前半、警備員がラプトルを銃撃しようとした時、オーウェンが「銃撃すると信頼が崩れる」と言って制止するシーンで示されている。
ラプトル4姉妹は人間に反撃した後も、オーウェンだけは襲ってない。チャーリーもオーウェンを見て攻撃を止めている。
過去作のラプトルは、賢さと獰猛さで人間たちを追い詰める『絶対悪』として描かれてきたが、今作のラプトル4姉妹は人間の思惑に翻弄される悲劇的な存在であり、旧作では恐怖の音だった「仲間を呼ぶときの鳴き声」も今作では全く別の印象を観客を与えた。
ブルーは劇中では最後まで生存したものの、インジェン社に兵器として利用され、計画と事件の渦中で姉妹を全員失い、最終決戦の後にオーウェンとも別れたことで孤独の身になってしまった。
オーウェンへの思慕と悲劇的な運命から、悲劇のヒロインの一人とも言われ人気が高い。
LEGO版
LEGO版では何故か体の色が緑色へ変わっており、当時チャーリーやデルタと見間違えたプレイヤーがいた(と言っても青色のラインが追加されているのでよく見れば見分けが付く)。
ストーリーの場面によっては彼女や妹達を操作する事が可能だが、基本的には敵側である。
彼女達ヴェロキラプトルは、恐竜の中で唯一レゴブロックを組む事が出来る。
フリープレイ解放後は四姉妹でパーク内などの人気の多い場所をぶらつく事が可能。
アンロック条件はヴェロキラプトルのアンバーブロック回収とストーリーがある程度進行。
続編では…
この騒動から3年後を描いた『ジュラシック・ワールド/炎の王国』にも登場。
オーウェンと別れた後は、妹達を失ったことにもめげず、無人となったイスラ・ヌブラル島で平穏かつ懸命に暮らしていたが、イスラ・ヌブラル島の火山活動の活発化により島全体が危機に見舞われ、クレア・ディアリング率いる恐竜保護グループ「Dinosaur Protection Group(DPG)」とロックウッド財団の捕獲チームから保護対象として行方を捜索されることになる。
オーウェンは1作目の騒動でレクシィが突き落とした1993年型フォード・エクスプローラーXLTの場所でブルーと再会を果たすも、ケン・ウィートリー率いる捕獲チームはオーウェンの指示を無視して彼女に強力過ぎる麻酔銃を投与、これに激昂した彼女は隊員の一人に飛び掛かるも、その隊員の凶弾に倒れてしまう。
実は今回の保護作戦は、恐竜たちを本土に連れ帰って金持ちたちにペットや狩猟用に売り飛ばすのを目的としたロックウッド財団の実質的運営者イーライ・ミルズの企みであった。ミルズは特にブルーの捕獲に拘っていたが、これは彼と密約を交わしたヘンリー・ウーが、新たなハイブリッド種インドラプトルのDNAに彼女のDNAを組み込ませるためであった。(既にインドラプトルは雄1頭が誕生していたが、ウー曰くラプトルのDNAや同族からの教育が足りないために社会性に欠け、生物兵器として売り込むには社交性の高いブルーを母親として新たに製作する必要があった)
イスラ・ヌブラル島から本土へ輸送中、先の凶弾で出血多量をおこし重体となったブルーだったが、DPGの獣医ジア・ロドリゲスが銃弾を除去し、オーウェンとクレアが採取したレクシィの血を輸血されたことで一命を取り留めた(同時にレクシィの血が混ざったことで、採血しても新たなインドラプトルのサンプルとしては成り立たなくなり、図らずもウー達の企みを潰した)。本土のロックウッド・エステートのラボに運び出された後は、ジアとコンピュータ担当のフランクリン・ウェブに解放され、オーウェンのもとに駆け付け、脱走したインドラプトルと死闘を繰り広げた。インドラプトルが討伐され、捕らえられていた恐竜たちがすべて解放された後、オーウェンから共に来るよう誘われるも、これ以上人間に振り回されるのに辟易していたのか、背後で口を開けていたコンテナを一瞥した後、そのまま先に逃げ出した他の恐竜たちを追うように夜の森へと消えていった。
その後モニュメント・バレーへと逃れた彼女は、新たな時代の幕開けを告げるように、ひとり鳴き声を挙げるのだった・・・。
4年後を描いた続編『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』にも登場。シエラネバダ山脈の麓を縄張りとして暮らしていたが、オオトカゲのDNAの影響で単為生殖により娘・ベータを産み、子育てに励んでいる。
関連イラスト
擬人化作品
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ジュラシック・ワールド ヴェロキラプトル オーウェン・グラディ