概要
社会主義思想や共産主義思想に基づき、労働者(プロレタリアート)階級の立場に立って書かれた文学のこと。
他の国の同種文学は「革命文学」と呼ばれる。
そのテーマ上学校教育等で触れられる事は少ないが、葉山嘉樹『セメント樽の中の手紙』は高校の国語教科書に掲載されている。
『蟹工船』(小林多喜二)は2008年頃再注目を集めたが、ブームは一過性に終わり他のプロレタリア文学に注目が集まることは少なかった。だが、非合法時代の共産党活動を描いたサスペンス調の『党生活者』(小林)、工場労働者の蜂起を描いた『太陽のない街』(徳永直)、社会の底辺を生々しく描いた『淫売婦』(葉山)、反戦をテーマにした『渦巻ける烏の群』『武装せる市街』(黒島伝治)などこのジャンルの傑作は多い。
赤と黒の装丁が多いせいもあってか、プロレタリア文学は共産主義のプロパガンダ扱いされ(ある意味ではその認識は間違っていないが...)、正当に日本文学史上に位置づけられていないが、もっと評価されるべきではないだろうか。