概要
マルハワ学園の理事長を務める女性。32歳。
本名はグラシア・デレニカス。
学園の運営を保つためなら手段を選ばず、作中では学園内で発生したバイオハザードで生徒がゾンビ化した際は学園の体面を守るために公にすることなく、極秘裏に解決させるための隠蔽工作を行なっていた。
それらの方針故に元恋人のダグ・ライトからは苦言を呈され、主人公リッキー・トザワに至っては保身に走るグラシアに怒りをぶつけていた。
また、学園内では絶対君主制に近い体制が敷いているためか、生徒や教職員が自身に忠誠を誓っており、レイ・スーやタヒル・カプールのように自らグラシアの番犬となる者もいる。
元々は資産家の令嬢で父親に外国への留学を命じられた事から、成人した後も「父は自分を愛していないのではないか」と不信感を抱いていた。
父親が亡くなった後、父親の代理人から遺言としてマルハワ学園の理事長就任を要請され、不安を抱きながらも遺言に従って就任。
就任当日の式典で自身を崇拝する学園の生徒や教職員全員を目の当たりにした事でマルハワ学園を「父が自分に残してくれた聖域」と考えるようになり、以後マルハワ学園を守る事に専念して現在に至る。
※以下、ネタバレ
実は本作における事件の元凶。
本編開始前に生徒達からのイジメで虐げられていたナナン・ヨシハラを放置し、彼女が学園の実態を外の世界へと伝えようと親友のビンディ・ベルガーラと共に脱走した際には公にされる事を恐れるあまり結果的にナナンを死に追いやってしまった。
更にはナナンの死すらも隠蔽したために、ビンディをバイオテロへと駆り立ててしまった。
終盤では、ダグとリッキーに上述の事件の一部始終を打ち明け、それでも尚も自分を見放そうとせずに「また一から始めていこう。昔みたいに一緒に考えよう」と手を差し伸べるダグの優しさに心を打たれ、ようやく過ちを認め、真実を公表して罪を償おうと決意したものの、既に手遅れの状態で、本格的に学園を潰す復讐に打って出たビンディと、ナナンの成れの果てであるB.O.W.・実験体C16によって側近のタヒルを殺害され、ダグを重症に追いやられた後、学園内で大規模なバイオテロを決行されて生徒や教職員を次々にゾンビ化され、自身も最期はジュアヴォとなったビンディに命を奪われてしまった。
その後、学園関係者は全員死亡した事でマルハワ学園は完全崩壊してしまい、事件解決後にマスコミの手によって今まで隠してきたマルハワ学園の実態が公にされるという結末を迎えた。
死後、その亡骸は同じく学園崩壊に際して死亡したダグと共にBSAAに回収された後、隣同士の墓に埋葬された。
ビンディをはじめとする第三者から見ればグラシアの方針は全く誉められたものではないが、悪意や支配欲によるものではなく、あくまで純粋に「父親が残した学園を守りたい」という信念で行動しており、ナナンの死を隠蔽した件に関しても内心罪悪感を感じていた。
しかし、そんな(タヒル曰く)「子供の様に純粋過ぎた」性格が仇となって、敬愛する父親に対する呪縛に囚われてしまい、父親の残した聖域に父親の面影を追うように縋る事しかできなくなってしまった結果、負の連鎖を断ち切るタイミングを幾度も逃してしまった果てに、皮肉にも学園の壊滅という彼女にとっても、ダグやリッキーにとっても、最も行き着いてはならなかった最悪な結末へと道を進めてしまったと言える。
また、大半の生徒達は富裕層の立場を盾にナナンのような格下を見下しているエゴイストであり、その歪んだ人間性を鑑みれば、仮にビンディが事件を起こさなかったとしても、生徒達が学園を卒業後に社会に出た後に何らかのトラブルを起こす可能性もあり得たと思われる。
そういった意味も含めて、現実世界にも通ずる複数の問題がグラシアにより浮き彫りになっている。
関連タグ
マザー・ミランダ:シリーズにおける「マザー」繋がり。
スベトラーナ・ベリコバ:ある意味似た者同士。こちらは最終的に失脚しながらも生き延びている。
ミレーヌ・ビアズレー:こちらも閉鎖的な地の君主・畏敬の対象として君臨する女性。