CV:高谷あゆみ
概要
元老院に属する魔女の一人。
とある理由(後述)から人間を蛇蝎の如く嫌っている。
魔女問屋の元締めでもあり、デラの上司。彼女からは「その名の通り魔女経済界のドン」と呼ばれている。実際魔女界の物品の値段は彼女の裁量(気分)一つで決まっているため、他の魔女たちからも恐れられている存在。
人物
あずき色のローブを身に纏った老婆。髪色は薄いエメラルドグリーンで、稲妻状の2本の前髪と先端が若干ギザギザした長いもみあげの髪が特徴。
魔女界ではその名の知れた超がつくほどの守銭奴であり、値段に文句を言おうものならたちまち怒髪天になり「値段を上げるよ!!!」と怒鳴ってクレーマーを黙らせる。他にも勝手にもてなしておきながら家への入場料・指名料・茶の代金までせびる厚かましい一面もある。
だが実際にはちゃんと頑張っているものにはきちんとフォローをしてくれたり、後述するどれみたちとの一件もあって約束は必ず守るなど義理堅い一面もある。
劇中の活躍
- #21話「人間嫌いのマジョドンと約束のハーブ」
初登場回。マジョハートに誘導されて魔法ラベンダーを分けてもらいに来たどれみたちと出会う。紅茶でもてなしながらどれみたちの話を聞き、快く受け入れるも代わりに彼女たちがドン引くほどの代金をせびろうとする。挙句それに怒って帰り出した彼女たちに家への入場料・指名料・茶の代金までせびる始末(これにはどれみたちも「流石デラの上司・・・」と怒るどころかむしろ呆れかえっていた)。
彼女たちがデラからの紹介状を持っていたことで「デラに免じて消費税はナシにしてやる」ことになり、山積みの魔法玉を置いていった彼女たちを追い出す。
だがこの行動には彼女の悲しい過去が起因していた。
まだ人間界と魔女界が交流を持っていた頃、彼女は人間の男性『サルバトーレ』と恋に落ちる。だが魔女と人間という生きる時間が違う者同士だったために結婚をするのであれば彼女は魔女であることを捨てなくてはならなかった。
その場で答えの出せなかった彼女は彼に考える時間を求める。サルバトーレは「ずっと君のことを待ち続ける」ことを約束し、マジョドンは自宅で長い間悩み続けた。そう、時が経つことも忘れてしまうほどに・・・
そしてある朝、2羽の番の鳥たちが楽しそうに囀る姿を見た彼女はついに決心する。「彼と共に人生を歩もう」と。
大急ぎで彼の下へと向かうマジョドン。だがそこで彼女はとんでもないものを見てしまう。
小さな花屋で働く年を取ったダンディなサルバトーレ。そしてその隣には一人の女性の姿が。
ショックをうけるマジョドン。サルバトーレもすぐに彼女に気付き、彼女から詰め寄られる。
実はマジョドンは10年もの間悩み続けていたのである。その間、便りなども送っておらずてっきり振られたと思ったサルバトーレは他の女性と交際をしていたのだった(仮に連絡を取り合っていたとしても10年の月日は人間にとっては決して短くない時間であるため、こうなっていた可能性は否めない)。
約束を破られ悲しみに打ちひしがれる彼女にサルバトーレの弁解は通じず、彼女は泣きながらその場を後にしてしまう。
約束、したじゃない・・・!
これがきっかけで彼女は人間を嫌うようになり、魔女界に戻ってからは辛うじて続いていた人間界との交流をすぐにでも断絶すべきだと当時同じく人間を嫌っていたマジョハートと共に強く主張していたほど。
どれみたちが去ったあと、自分の下へ「あの子たちが戻ってくるかどうか」の賭けをしに来たマジョハートと久しぶりに出会う。マジョハートのどれみたちへのあまりの入れ込みように疑問を抱く彼女だったが、マジョハートが乳母の形見の髪飾りを賭けの代金に出したことで渋々それを受ける。
人間だから戻るはずがないと高を括る彼女だったが、しばらくして本当に戻ってきたどれみたちに驚愕。
流石にただでハーブを与えるわけにもいかないため、金で済ませておけば良かったと思うほどの厳しい仕事として、ここ20年はしていない自宅の掃除を彼女たちに命ずる。だが、「本当にそんなことでいいんですか?」とはづきに言われ唖然。
ついには卒なく掃除をこなした挙句頼んでもいないのに洗濯・料理・庭の草むしりまでやっていく彼女たちにドン引き。
その後埃まみれにもかかわらず晴れやかな笑顔を見せる彼女たちに「どうしてそこまでしてラベンダーを欲しがるのか」と尋ねる。マジョハートと何か取引でもしたのではと勘ぐるマジョドンだったが、どれみたちは答えた。
「約束したから」と。
それを聞いて高笑いを上げるマジョドン。お人好しで頭の悪いお前たちの顔などこれ以上見たくないと言い、彼女らに裏庭の鍵を投げ渡してラベンダーを持っていくように言った。そこにはもう、元カレに裏切られて心を閉ざした冷徹な魔女の姿はどこにもなかった。
そしてマジョハートから渡された髪飾りを「そんなものは儂にとって何の価値も無いからマジョハートに返しておけ」とどれみたちに託し、彼女たちを笑顔で見送った。
「人間の笑顔を見たのは何百年ぶりじゃろうなぁ・・・」
- も~っと!1話「どれみ、嵐の新学期!」
#最終回で『ハナちゃんを助けるために水晶玉を失ったどれみたちを再度魔女に戻すか否か』という元老院議会で再登場。
どれみたちをその有り余る魔力で追い返そうとしなかったマジョトゥルビヨンの行動を見て「彼女の心に何らかの変化があったのではないか」とマジョハート共々推察。彼女たちが魔女に戻ることに賛成していた。
余談
因みに彼女の裏庭には魔法使い界に通じる扉があるのだが、マジョドンが庭の手入れも怠っていたことで蔓が幾重にも絡みついて繋がりを断ってしまっていた(#21話のラスト、ハナちゃんの魔法で再びつながるようになった)。