メディナ・ラ・ルゲンシウス・エレクトラ
めでぃたらるげんしすえれくとら
CV:井上喜久子
ネモ船長が指揮するノーチラス号の副長。ブリッジでは火器管制員を兼ねる。
褐色の肌、金髪碧眼の女性。24歳。近眼のため書類仕事や読書中には眼鏡を着用している。
低血圧で朝が弱い。
普段は副長として毅然とした態度で接するが基本的に物腰は穏やか。ジャンやマリーの勉強を見るなど、子供達には優しく振舞っており、特にジャンには自身が弟を亡くしていることもあり姉のように接している。ただしナディアにはネモ絡みで複雑な心境を抱える。また恋敵であるグランディスとはそりが合わないせいで(不良娘と風紀委員の例えで)よく衝突している。
元は『タルテソス王国』住民の少女で王国滅亡の際に孤児となったところをネモらに救われ、以後行動を共にしているが、国を滅ぼし、家族を死なせたネモに対しては、愛憎入り混じった複雑な感情を抱く。ネモの気持ちが娘(ナディア)に移り、ネオアトランティスに対する非情な姿勢が変わったことに反発し、沈みゆくノーチラス号の艦内でネモに対する激情を爆発させる(第22話)。この時、エレクトラの回想で彼女の過去の一端が描かれた。王国を乗っ取ったガーゴイルが稼働させたバベルの塔をネモが自爆させたことで暴発したエネルギーによってタルテソス王国が住民ごと焼かれ、国土が湖の底に沈んだこと。父母と弟を失いながら自身は奇跡的に生き延びたこと。焼野原をさまよう中、弟の無惨な遺骸を見つけたこと、など凄惨を極めるものであった。
名前はギリシア神話のエーレクトラー(ならびに神話に由来するエレクトラコンプレックス)に由来し、養父とも言えるネモに対する彼女の心情を示している。最終的にはネモと事実婚の関係となり、子を身篭り産んだことが最終盤で語られる。ネモとの間の恋愛設定にはTVでは描けなかった裏設定も存在している。こういった背景のため、おまけ劇場のナレーションでは実質的にネモの後妻でナディアの継母にあたると紹介されている回もある。アニメ版ではエピローグの語りで近況に触れられるのみのため、子供の性別は不明。小説版では、子供は男の子(ナディアにとっては異母弟)で父の正義感を引き継いだ喧嘩っ早い性格の少年に成長し、日々奮闘している様が描かれた。物語の前半ではネモがナディアやグランディスと接するのを過剰に意識し、露骨に嫉妬心を見せることもあった。終盤ではΝ-ノーチラス号復活直後という優位な状況のうちに人質にとられたナディアごとガーゴイルを攻撃することで決着をつけようとするネモを制止したり、ブルーウォーターの力をネモの治癒よりもジャンの蘇生に使うようナディアに促すなど、精神的成長をみせた。
終盤のネモがエレクトラの妊娠を知っていたのかは不明。ネモに余計な気遣いをさせたくないためエレクトラはネモに知らせず黙っていた、ネモは知らされてはいたが気遣かわれたくないエレクトラの気持ちを汲んで敢えて平素通り振舞っていた、とどちらともとれる。いずれにせよ、エレクトラはネモがナディアの父やノーチラスの船長であることを優先することを望み、その上でネモを愛したこと、ネモもそのようなエレクトラの気持ちを受け入れていた事が2人の言動から窺える。
終盤には髪を切り、ボディスーツを着用するようになる。おまけ劇場のインタビュー形式のトークによれば、このスーツは古代アトランティス人の遺物らしく(実際、終盤のガーゴイルもボディースーツを自ら着用し、ナディアにも用意している)エレクトラ本人はあまり好きではないらしい。このボディスーツは後の某作品のプラグスーツの原型となったとか…。
私(わたくし)、この船の副長を務めております。エレクトラと申しまぁす♪
曲名は『レッツ・ゴー・エレクトラさん』。
パヤパヤ調で、エレクトラ自身の過去を部分的に語り、その過去を振り切り、ネモ船長への複雑な思いを抱えながらノーチラス号で前向きに生きていくストーリーが綴られている。