CV:鷹森淑乃
プロフィール
生年月日 | 1875年5月31日 |
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年齢 | 14歳(第35話にて15歳の誕生日を迎える) |
星座 | 双子座 |
血液型 | A型 |
身長 | 155cm |
体重 | 43kg |
B/W/H | 79/58/83 |
足のサイズ | 22.5cm |
指輪のサイズ | 7号 |
概要
アニメ「ふしぎの海のナディア」の主人公。英語表記は「 Nadia La Arwall」。
クレジット上は全放送回の登場だが、38話では捕えられていたため台詞はない。
幼児(1歳前後)の頃に故郷が崩壊したため、自分の出自を知らないまま流転の末に拾われたサーカス団で育つ。
彼女を故郷から逃がしたのは後のネオ皇帝となる兄のビナシスであったようだ。
親と生き別れた時に預けられた宝石“ブルーウォーター”によって数奇な運命にジャン・ロック・ラルティーグと共に巻き込まれていく。
出自の唯一の手がかりであるブルーウォーターを常に身につけており、それをつけ狙うグランディス一味に追われ、ジャンと共に旅立つことになる。
出自から運動神経はとても良く、アクロバティックな身体能力を発揮し、トップスプリンター並の早さはあるが持久力は乏しく長距離走は苦手である。サーカスの看板スターであり、舞台では「ジャングルの舞姫、ナディア」と芸名が紹介されていた。特技は一輪車、玉乗り、水泳。
他に猛獣使いや、空中ブランコといった高所での演技も披露している。
実は古代アトランティス人の王家の血を受け継ぐタルテソス王国の王女で、ノーチラス号船長ネモことタルテソス国王エルシス・ラ・アルウォールの実娘。身に着けているブルーウォーターは元は彼女の母である王妃のもので、国王であったネモが持つ大きめのブルーウォーターと対になる存在であった。
人物
一見すると明るく快活的な振る舞いの少女だが、年齢的に思春期であることに加えて、身寄りのない身であるため幼い頃からサーカス団で働かねばならなかった苦境を舐める生活や裏切り経験(サーカス団長が偽札に目が眩んでグランディス一味に売られかけたことが物語の始まりである)のせいか気が強く、人間不信の傾向があり疑い深い。
気分の浮き沈みが激しく、強情で意地っ張りで独善的なワガママという、(ジャンの女心の疎さや時折見せるスケベ行動を差し引いても)主人公としてもヒロインとしてもかなり問題ありな性格の持ち主。
幼少時代に仲が良かったサーカス団の動物が働けなくなり殺処分されたというトラウマにより「命を奪う」という行為に強い忌避感を示しており、銃を向けた相手を撃ち殺したネモ船長を「人殺し」と罵り、生存のための狩猟に対しても悪行と断じる程。
またかなり嫉妬深く、ジャンが他の女性と親しくしていると、途端に不機嫌になり辛く当たることも多い(主にエレクトラだが、マリーは例外)。
こうした現代なら炎上を招いていたであろうキャラクター像から、製作関係者どころか作者にまで嫌われており、ナレーションにすら「ナディアは一体、何を考えているのでしょう」と呆れられることが数回あった(逆に言えば、生い立ちに加えて多感な時期故に感情のコントロールが未熟という見方もできる)。
ジャン役の日高のり子曰く「自分がジャンの立場だったら“お前なんか勝手にしろ!”と思うシーンが沢山あった」とのこと。
彼女の性格は恋して振られた庵野秀明の女性観と、庵野自身の当時の性格を反映させており、特に樋口真嗣が監督を事実上代行していた南の島編(南の島編・アフリカ編における作画の外注を参照)での暴走ぶりは「周りから見た庵野監督」をモチーフにしていたらしい。
スタッフの間でも描くのを担当しつつ嫌う人が多かったようだが、庵野の苛烈さに付き合っていけるメインスタッフには彼女の良さを理解している人もまた多かったという。
生い立ち故に甘えることが許されない(といっても飴と鞭のバランスは取れていた)世界で育ち、子供らしいことをしたことがなく、エッフェル塔にてジャンとの初対面時にも突き放したような言い方だったが、グランディス一味とのいざこざによって別れ際に「さよなら」とわざわざ言った時点である程度心を開いており、やがて旅するうちに年相応の感情表現をするようになる(スーパーロボット大戦シリーズでは、「ナディアを甘やかしているんじゃないの?」と詰め寄られたジャンが、マリーを含めた周囲の人物に「(甘やか)してる!」と言われているあたり、ナディアにとってジャンは甘えられる人物として依存していることがわかる)。
子供の頃のトラウマにより肉や魚が食べられない菜食主義者(これは綾波レイ同様、庵野秀明の食嗜好でもある)。但し、全部が全部ではなく卵や牛乳は採っているため、ヴィーガンではない。この為潜水艦で出されたアイスクリームが気に入って食べまくっていたようである(この為に虫歯になったのも時間の問題だと推測される)。
また、素材が野菜なら味は肉の味でも大丈夫であるらしい(南の島編で肉の味のするジャガイモの揚げ物の缶詰を「美味しい」と言って食べている)。
鍛え上げられた身体能力と芸自体は誇りに思っているようで、玉乗りはノーチラス号でも披露している。
容姿
褐色の肌、紺色の髪、深い緑色の瞳をもつ。
下半身は白い縁取りを施した橙の腰布と白のショーツといったヘソ出しスタイルで、腰には赤茶色のサッシュ(飾り帯)を巻いている。頭には髪留めと真鍮製のイヤリング、手首と首元にもそれぞれ、ブレスレットとスレイブチョーカーを幾重にも付けている。
靴は赤茶のバレエシューズ。これはサーカスの舞台衣装だが、ナディアはこの衣装を気に入っている。なお、TVシリーズでは与えられたノーチラス号の艦内服を裂き、へそが出るように改造していた。だが齢を重ねた後は、さすがにヘソ出しには拘らなくなった。
ストーリー終了後
劇場版では17歳に成長、ロンドンで見習い新聞記者(実際は雑用係)として働いている。
性格はTVシリーズよりもかなり丸くなり、ワガママさも控えめになっているが、ファジィに嫉妬してジャンに詰め寄るなど、嫉妬深さは相変わらず。
劇場版のノベライズ(要は小説版)では、ネオ・アトランティスとの戦いの直後、ジャンと共にル・アーブルのおじさんのもとに落ち着こうとしたものの現地で激しい人種差別(黒人差別・有色人種差別)や悪滅亡後の正義の味方不要論に苦しめられてしまい、それがジャンから離れ新聞記者(ひいては作家)を目指した理由になっている。
なお、この小説版では人間消失事件の被害者(始末されず危ういところで助けられたメンバー)の中にル・アーブルを含む地方の顔役となっていた(ナディアを迫害していたグループの代表でもある)地方議員がおり、ナディアたちに助けられた事から自らの過ちを認めて改心し、ナディアとジャンに詫びを入れて差別撲滅派へと転じた(要は地域の実力者が二人の後見人となった)ため、ナディア個人としてはこの問題は解消された形となっている。
最終的には22歳でジャンと結婚、子供(アニメエピローグに登場するジャンに似た男児。彼は後のCDドラマではジュニアと呼ばれている。また同じくCDドラマでは1907年時点で性別は不明だが第二子もいることが語られている)をもうけている。その時もまだベジタリアンのままだったが、家族のために肉や魚の料理を作れる程度にまでは変化した。グランディス仕込みの影響か作る料理は見た目が悪いものの、味の方は不明である。
ドラマCDでは4代目の子孫(玄孫)の日本人・伊藤ナディアが登場している。髪型と色や、性格も大なり小なり受け継がれていることがわかる。
ナディアストーリーズ
長老「あの男は発明狂だ。しかも天才的なひらめきを持つ男であり(一時的にとはいえ)あの忌まわしいアトランティスの超科学力にすら憧れを抱いた男だ。もちろん彼自身は罪も危険も無い。むしろ敬意に値する善の心と愛すべき正義感の持ち主だ。しかし彼がいかに優れた心の持ち主だとしても、彼のその資質と君の持つアトランティスの血が掛け合わされる事は、我々にとっては、その血によってアトランティス復興の野望を抱く者の再来を危惧するに十分な脅威なのだ」
小説版の続編である『ジャンとナディアのいちばん長い日』では、ジャンとの結婚式を目前にして先史文明「ムー」の手の者によって拉致され催眠術で記憶を奪われる羽目に陥り、さらにはフィレンツェの修道院へと放り込まれてしまう。
ナディアを拉致したのはムーの穏健派であり、それは他ならぬ「かつてムーを滅ぼした憎きアトランティスの血族の抹殺」を掲げるムーの過激派から「かつて『生まれた生命の主体性と独立性を認める』ムーの思想に同調を示してくれた大恩あるネモの娘」であるナディアを護るためであった。ムーの過激派がナディアの抹殺を決めた大きな理由は冒頭の長老の言葉の通り。
しかしナディアを隠された過激派の筆頭はムーの秘術で自らを鬼へと変じてナディアを追い出す。その事を察知していた、ナディアから記憶を奪ったムー穏健派から「鬼から逃げろ」と暗示をかけられていたナディアは記憶が無いながらもそのように行動する。
その一方でナディアの行方不明を知らされたジャンはグランディス探偵社と行動を共にしてナディアの捜索に乗り出し、その過程でムーの存在を知る事となった。
ナディアを追うムー過激派。さらにナディアを護るために追うジャン。その追走劇はローマで興行を行っていたサーカス団に至る。いかなる奇縁か逃亡に倒れたナディアが偶然に運び込まれた先は自らが育った例のサーカス団。記憶を失ったまま舞台に立たされたナディアは成長による体格の変化もものともせずに団の花形へと返り咲く……が、当然その姿は紀行記事となって新聞に載りムー過激派とジャンの知るところに。サーカスは襲撃されナディアは再び逃亡する。
ナディアの逃亡はカプリにまで至ったが結局はそこでついにムー過激派に捕まり、永久避妊薬(物理的に子宮を溶かす薬)を盛られそうになるも、間一髪でジャンたちが追い付き乱入。その姿を見てすらナディアは記憶が戻らなかったがジャンが「大事な人」であると本能的に感じ取りムー過激派と戦わんとする彼に加勢し、ついに勝利を得る。だが、それでもナディアの記憶は戻らず、のちには様々な治療、様々な縁故の訪問を受けることになるが、その全ては無為に終わる。
ジャンは最後の賭けとしてナディアを自らの組み立てた飛行機に乗せた。かつての「約束」をかなえるために。だがナディアの記憶は戻らず、ジャンは空の上で宇宙を目指すがごとき無茶な操縦を行い機体は空中分解。空に投げ出された二人は成層圏の向こうにある星の輝きへと手を伸ばして―――。
その日、とある教会にてパラシュート姿の新郎新婦が空から降ってきたと話題になった。かくて全ての記憶を取り戻し地上へと降り立った新郎新婦に祝福を与えたのは、どっかの自動車会社の社長が引っ張ってきた当時のローマ教皇だったという。
ちなみに件のサーカス団長は、ここでナディアの築いてきた人間関係を知り、ナディアを連れ戻すことを正式に断念した上で二人の結婚を改めて祝福し和解する事となった。
さらに、その続編となる『ふしぎの森のマリー』では看護師となったマリーが担当する患者が使う盲導用ロボットを届けにジャンと共に登場。アツアツな新婚っぷりや発明に暴走するダンナをピシャリと諌める立派な「奥さま」となっている……が、予想外のアクシデントにヒスってダンナに当たり散らす様は相変わらずだったりする。
そしてマリーの働く療養所に隣接する森に隠された秘密と対峙するハメになった。
因みに…
新世紀エヴァンゲリオンの碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーのキャラデザインは彼女を元にデザインされている。(詳しく言うとナディアの髪型を変えればシンジ、髪型と眉毛の形を変えればアスカになる)
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