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概要編集

監督は青野昌、制作はグループ・タック


理由は、アニメ本編で監督を務めた庵野秀明が「燃え尽きた」ため。

さらには、このトラブルによってガイナックス側も企画プロットとキャラクターデザインを作り上げた時点で予算超過を起こしたため制作会社も変更と相成った。なお、ここでグループ・タックが補填した予算は、全てガイナックスの借金と化した。(エヴァのヒットでなんとか返済を終えた)。


1991年6月29日に東宝系劇場にて公開された。同時上映は『電影少女 -VIDEO GIRL AI-』。


TVアニメシリーズの続編(ただし、16歳になったマリーのエピローグを除いて)でTV版のラストから3年後を描く。


主人公・ナディアがイギリスで新聞記者見習い、ジャンは相変わらず発明に没頭しながらも自転車修理で食いつないでいる、グランディス一味は探偵業、そして、ガーゴイル死後のネオ・アトランティスの残党が世界征服を目論み、それを阻止すべくナディア一行(本作ではマリーは登場しない)は立ち上がる。


劇中ではナディア本編の回想シーンが大幅に挿入されて(使い回されて)いる。


小説版編集

TVシリーズ同様、徳間アニメージュ文庫より、小林弘利によるノベライズ版が出されている。

挿絵は当時にコンテンツ企画会社『STUDIO OX』に所属していた鈴木典孝


なお、このノベライズ版には「海から来た妖精」のサブタイトルが設定されており、フルタイトルが『ふしぎの海のナディア 海から来た妖精』となっている。

もちろん小説版なので基本的には小林小説版ナディア(全3巻)からの続き(アニメとはパラレル)である。


ノベライズ版では独自のプロローグ(小説版オリジナルエピソード)が追加されている。

そこでは、ナディアはマリーと共に一度ジャンの故郷であるル・アーブルの村に落ち着こうとした事、しかし一部の村人たちによる人種差別によってそれを阻まれてしまった事、さらにマリーも孤児かつ余所者として村で苛烈ないじめにさらされた事、ジャンのおじさんはそんなナディアとマリーを守ろうとしたが余所者排斥派の村人に闇討ちに遭い大怪我を負わされた事、それもあってマリーやナディアとともに村を出ようとしたジャンは怪我人のおじさんを放っておけずに村にとどまるを得なくなってしまった事、ゆえにジャンとナディアは再会を誓い合って一時的にではあるが別れざるを得なくなってしまった事、そしてこの経験がナディアに「価値観を呈して広め、知識と知恵で闘える」新聞記者(ひいては作家)への道を歩ませた事、などが書かれている。


登場キャラクター編集

ファジィ・ウーラー

CV:伊藤つかさ

本作での準ヒロインにしてカギとなる少女。ウーラー博士の娘。

ジャンが発明に没頭していた際、海岸に打ち上げられていたところを介抱される。

実は「世界征服なんて失敗する」と見たギーガーの部下・フライによって逃がされ、ギーガーからお尋ね者となっていた。

その正体は、父であるウーラー博士によって造られた人造人間であり、オリジナルであるファジイは殺人鬼によって殺されてしまっていた。

ファジィ自身はウーラー博士を心から父親として慕っていたのだが、その慕う想いが余計にウーラー博士を苦しめるという悪循環に陥らせた。

しかし最後の最後まで父・ウーラー博士を慕い彼を危機から身を呈してかばった事、その際にせっかくできた友達(ジャンとナディア)の未来を壊さないでと願った事で、ついに彼の改心を引き出した。

しかしウーラー博士によってギーガーの企みが潰えた事で人造人間の生命エネルギー供給装置も破壊され、最後は大事な「ともだち」の腕の中で、この星の大いなる生命の流転の中へ光となって還っていった。


アルベルト・ウーラー

CV:大木民夫

ファジィの父。ギーガーのもとで働く「はぐれ科学者」。顎髭を生やした中年男性。

以前は生命エネルギーの研究に没頭しており、その結果「人造生命」を産み出すことに成功した。それを学会で発表するが、そのことが「神の教えに背く」と見なされ世の排斥を受け学会から追放される。

その後、食い詰めた生活を送り、家計を支えるために夜の仕事をしていた娘が殺人鬼によって殺され、失意を抱き、自らの研究をもとに「人造人間のファジィ」をつくった。

しかし創られたファジィは当然の事ながら愛する娘の記憶を持たず、その事がウーラー博士自身の哀しみをいや増す結果となってしまい最後にはファジィを深く疎み憎むようになってしまっていた。こうした絶望感から世界や人類を憎むようになり、ギーガーの勧誘を受けて彼に協力するようになる。

しかし最終局面でファジィに庇われた上、上述した彼女の「願い」を聞いたときに「ファジィは娘のファジィではないが、ひとつの生命として成長し善き意志を育んだ」現実を悟り改心。科学者としての責任を取り、父親としてのけじめをつけるためにギーガーと対峙し、その野望を命に代えて阻止する道を選んだ。


ギーガー

CV:大塚周夫

本作の黒幕で、元ネオ・アトランティスの残党(おそらく幹部クラスだったと思われる)。長髪の初老の男。

以前の上司だったガーゴイルの死後は、彼に代わって人造人間を用いた世界征服を目論んでおり、その前段階として人造人間たちを用いた世界大戦を引き起こし、人間たちを間引きすることを狙い行動していた。

失敗した部下を殺害するなど、ガーゴイル同様、残忍かつ冷酷な性格だが、その目的に対する覚悟ではガーゴイルに劣っている。

その一方でアトランティスの科学力には心からの敬服があり、また効率(搦め手)を重視する傾向を持っている。

またガーゴイルとは異なり「自らの手を極力汚さず、多くの者を様々な手段で操り、自らは最後に最もオイシイところを、操った者には酬いる事なく奪取して総取りする」という考えを至上としており、ほぼ完全な管理職気質。ガーゴイルと袂を分かったのは、まさしくその一点にあり、武力で(ある意味真っ正面から)ネモや世界に挑もうとしたガーゴイルを「力に溺れて使い方を誤った愚者」として心底軽蔑していた。

様々な意味でガーゴイルよりもタチの悪い人格の持ち主とも言える。


フライ

CV:池田秀一

ギーガーの部下で、元ネオ・アトランティス残党。眼つきの悪い若い男。

ギーガーの世界征服計画に対しては、以前の上司だったガーゴイルが失敗の末死亡したことによって懲りており、「失敗する」と踏んでいた。そのためギーガーに関する情報を世間に売って金にしようとウーラー博士の娘であるファジィを(人造人間が存在する証拠として)連れて逃げるも脱出中に船を沈められ、互いに漂流し、はぐれてしまう。その後、どうにか助かったようで、イギリスで新聞社に勤めているナディアに接触(新聞社に電話をした際に対応したため、ナディアがアトランティスの末裔と知った上で会ったわけではないが、顔を見て「ネオアトランティス時代に写真で見た」と気付いていた)。金とギーガーの情報を交換することを持ちかけるが、追跡していたギーガーの部下によって射殺されてしまう。


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