本記事は『ふしぎの海のナディア』に登場するサンソンとマリー・エン・カールスバーグのカップリングタグを扱う。
- 別作品の同名タグ➡️サンマリ(Fate)
概要
27歳と4歳ながらも息の合ったコンビぶりを発揮する2人。年齢差は23歳。
赤ちゃんライオン・キングを交えた微笑ましくも仲の良い2人のやり取りなど、作中で緊迫したシーンの箸休めとして描かれているのも印象的。
キングを加えた2人と1匹や、グランディス一味との漫才も人気である。
2012年4月にNHKEテレにて再放送が開始されたことにより、イラストも増加した。
本編での2人
この項目では、TVシリーズ本編での2人の絡みのある話数について扱う。
- 第13回「走れ!マリー」
2人が初めて個人として絡む回。
無人島に上陸したノーチラス号の一行だったが、マリーはキングと遊んでいるうちに迷子になり、海に停泊しているガーフィッシュを見つける。ネオ・アトランティスの兵士から逃げていると、薪を集めに来たサンソンを見つけて駆け寄り、抱きつく。ここでサンソンはなぜか頬を赤くする。
カニタンク(カラッパ3号)からの2人の逃走劇では、マリーを抱えて走ったりトロッコを押したり、サンソンは自慢の体力を存分に発揮している。精神年齢の近いらしい2人のやりとりでは、息のあった凸凹コンビの片鱗を見せている。
- 第14回「ディニクチスの谷」
ノーチラス号の中で灼熱病を患ってしまうマリー。 それを聞きつけたサンソンはハンソンを連れて勢いよく病室に入ってきてマリーの心配をする。その後ナディアも感染し、2人のためにネモ船長、ジャン、ハンソン、キングと共にサンソンは深海に薬草を取りに行く。
この回では、苦しむマリーに駆け寄り激しく動揺したり、ノーチラス号の対応に憤りりんごを握りつぶしたり、主人公のナディアより先にマリーの名前が出てくる…など、マリーへのサンソンの向き合い方が明確に変化していることが分かる。
- 第19回「ネモの親友」
南極大陸の基地内で棒倒しをして遊ぶサンソンとマリーとキング。本気になるサンソン。
マリーとキングの遊びにサンソンが混ざっている様子を見られるのはこの回が初。
遠くから眺めるグランディスによると「全く、どっちが子供なんだか分かんないねぇ」との事。
- 第20回「ジャンの失敗」
ジャンの元に遊びに行くため嘘泣きをするマリー。仕込んだのはサンソンで、「生きていくためには、強かさが必要」なんだとか。
また、この回ではサンソンとマリーとキングのおままごとシーンが見られる。マリーはお母さんで、お父さんはキング。サンソンはというと、赤ちゃん役でベビー服のコスチュームまで着用している。
- 第28回「流され島」
空中戦艦との戦いの後、しばらく無人島でジャン、ナディア、キングと共に過ごすマリーだったが、どこからともなく現れた隣の島にいたのは、エアトンと3人組だった。
グラタンから顔を覗かせた3人はそれぞれナディア達の名前を呼ぶが、サンソンのセリフは「マリーにキング!」だった。その後、島の移住を決めるナディア一行に、マリーは、「サンソンたちのところにお引っ越しね!」と嬉しそうにする。
- 第30回「地底の迷路」
島でひとりグラタンの気球の修理に励むマリーに、ほかの人たちの所在を聞くサンソン。グランディスはエアトンとワインを飲みにデートに行ったと答えるマリーは、「女はモノに弱いのよ、サンソン」と、グランディスとの関係をからかうような素振りを見せる。マリーのおませな口ぶりが可愛い。
- 第32回「ナディアの初恋…?」
島から脱出した一行は、グラタンで飛行中、夜間にガーフィッシュに遭遇するが、その際サンソンとマリーはどういう訳かお揃いのパジャマを身につけている。
サンソンはガーフィッシュに対抗するべく太腿に忍ばせた銃を取り出す際、すね毛(とパンツ)をのぞかせるのだが、マリーはちょっと引いている。
ネグリジェスタイルでナイトキャップやポンポンの飾りまでついたかわいらしいデザインだが、詳細に触れられることはない。ちなみに設定資料によると、正しくは「ペアルックの寝着」らしい。
- 第33回「キング救助作戦」
不時着したアフリカで出会った男に囚われの身になったキング、ナディア、グランディスを救出計画を実行する一行。
グラタン走行中に壊れた気球が覆い被さり、視界を失ってしまう。
緊迫する車内で、マリーが「ここマリーが縫ったんだよ」と自分が繕った気球の箇所を主張すると、サンソンは笑顔を作って「へいへい」と答える。
その後、役割を分担した際、サンソンはマリーと組んで気球担当として上空から作戦を実行することになる。ここでは、マリーがキングを砲丸よろしく投げ、サンソンが気球からキャッチするという、息ぴったりの救出劇を披露してくれる。
- 第34話「いとしのナディア♡」
絵本を読んでもらうためにグラタンの中で様々な人に声をかけるが、適当にあしらわれるマリー。そんな中でトイレで用を足しているサンソンだけは「すまん」と、謝罪の言葉があるのだった。
また、挿入歌「愛の三人組」では「♪愛する 人なら 君の目の前にいるじゃないか これは運命なのさ」の歌詞とともに、13話でカニタンクから逃げるサンソンとマリーのカットが流れる。
- 第36回「万能戦艦Ν-ノーチラス号」
ネオ・アトランティスの空中戦艦の攻撃から逃げる一行のシーンで、サンソンはもちろんマリーを背負って走っている。
- 第37回「ネオ皇帝」
ネオ・アトランティスとの戦いのため、Ν-ノーチラス号に乗り込む船員や、ジャン、グランディスら。サンソンはその前に、マリー(とキング)の事をエアトンに預けていく。
「マリー、ちょっと行ってくるからな」
「うん、早く帰ってきてね」
というやりとりはまるで夫婦のよう…。
- 第39回(最終回)「星を継ぐ者…」
地上に残されたマリーは、イコリーナと共に星空を眺める。その際マリーは流れ星に、「早くサンソンやみんなが帰ってきますように」と願う。
関連イラスト
関連タグ
本編後の2人(以下ネタバレ)
注意:以下、本編最終戦の後の2人についてのネタバレを含みます。
- エピローグ
戦いが終結してから12年後の1902年を描く最終話エピローグでは、成長したマリーはサンソンと結婚し、来年ママになる予定だと語る。
なお、この時点でのマリーの年齢について、絵コンテによると”17歳?”と書かれている。
エピローグで映るマリーの部屋の壁には、ナディアや他の仲間たちの写真が沢山飾られているが、サンソンの個人写真、タキシードとウェディングドレスを纏ったサンソンとマリーの写真のほかにも、まだ髪の短い成長したマリーが、サンソンの運転する車の助手席に乗っているように見える1枚も。
また、お腹の大きいマリーの背中を押して坂道を昇るサンソンは、13話でマリーの乗ったトロッコを押すサンソンのシーンを思わせる。
本編終了からエピローグまでの2人の関係については、CD、そして小林弘利による小説シリーズで描かれ、CDと小説ではそれぞれ違う展開になっている。(それぞれの内容は後述する)
2人の結末は当時見ていた視聴者の度肝をぬき、サンソンは親愛の情?をこめて「ロリソン」と呼ばれるようになった。
これで年の差カップルの良さに目覚めた人も少なくないとか…。
CD版
CD版では、最終戦から10年後のサンソンとマリーのエピソードが描かれる。
色んな意味でかなり大胆な内容になっているが、脚本や作詞は監督である庵野秀明と樋口真嗣が手がけている。
- 『ふしぎの海のナディア Bye Bye Blue Water』
・A.D.1900
ドラマパート。マリーとグランディスの通話の様子だが、声はマリーのみ。マリーはエアトンの計らいで「人里離れた全寮制の女子校」に入学しており、エアトンとともに面会に来たことで、実に10年ぶりの再会を遂げたサンソンとのエピソードを語る。サンソンの態度に関しては「もう子供だって産めるんですから」と、その子供扱いに不服そうにする。1週間後には夏休みが控えているらしく、マリーはサンソンと生まれて初めてのデートにいくとはしゃぐ。
・真夏の恋人
サンソンとマリーのデュエットソング。夏の海で愛を確かめる問題作。直前の流れからこれが初デートとも考えられるが果たして…。
(GO! GO! GO! GO!)
- 『GOOD LUCK NADIA -Bye Bye Blue Water Part2』
・A.D.1901
ドラマパート。季節は冬。サンソンの運転する車にマリーが同乗している。次の曲でマリーの年齢が15歳であることがわかるため、マリーの誕生日やヨーロッパの季節を照らし合わせると1月から2月ごろの出来事と考えられる。
久しぶりの再会で不機嫌そうなマリーに対して連絡が出来なかった言い訳をするサンソンに、マリーは深刻な表情で「できたの。 デキちゃったのよ!」と告白する。驚いて声を失うサンソン。半泣きのマリーは一人でも産んで育てる、と訴えるが、事態を飲み込んだサンソンは、「予定がちょっと繰り上がっただけだ」などと、結婚の意志を示す。一連の会話がプロポーズとなり、この日2人は晴れて婚約関係となるのだった。
…ちなみに、この時期に妊娠したのであれば、本来エピローグの時点で生まれている月齢なので、エピローグのお腹の子はこの時点ではまだいないはずだが、これが意図的なのか、設定のミスなのかは不明。
・シリーズ恨歌・おさな妻
サンソンとマリーのデュエットソング。
シリアスなドラマパートから一転して、演歌調の一曲では、2人がちょっとした”ふうふげんか”(?)をしている。
ちなみに「♪たった一夜の過ちで あたし二度とは帰れない」の歌詞から、”過ち”は「真夏の恋人」の一件だけだったと考えられる。
小説版
小林弘利による小説版では、CDとは異なるサンソンとマリーの関係が描かれている。なお、小説版ナディアは本編も部分的にアニメと内容が異なるため、全編通じてパラレル時空と捉えることもできるが、ここでは本編終了後からエピローグまでの内容のみを扱う。
- 『小説ふしぎの海のナディア:NADIA THE MOVIE 海から来た妖精』
劇場版自体にはマリーの出番は無いが、小説版オリジナルのプロローグ、エピローグではマリーが登場する。
プロローグでは戦いの後、ジャン、ナディア、マリー、キングに3人組は、ジャンの故郷ル・アーブルで束の間の日常を得る。
学校で友達が出来ることを楽しみにするマリーに、サンソンは「おれだって友達だぞ」と引き止めるが、マリーは「サンソンみたいにオジンじゃない友達がたくさん」出来る方が良いようで、サンソンは傷つき、成長するマリーとの別れを惜しむ。
しかし、マリーが学校へ行くと、黒人のナディアと一緒にいたことから意地悪され、ケンカをして帰ってくる。傷ついたマリーを見たサンソンは、「俺が行ってぶん殴ってきてやるぜ」と激しく怒る。マリーは「あたし平気だよ、サンソンさん」と答え笑顔を作るが、ついに泣き出してしまう。グランディスらは、村を出る時にマリーも連れて行き、別の学校へ通わせることに決める。
ここから小説版のマリーはサンソンのことを一貫して「サンソンさん」と呼ぶようになる。
エピローグでは、それから二年後、劇場版の事件が終わったロンドンでグランディスらが立ち上げた「グランド探偵社」にすっかり馴染んだ様子のマリーの姿が描かれる。
- 『ジャンとナディアのいちばん長い日』
「ナディアストーリーズ」という、小説版オリジナルの続編シリーズ。
ジャンやナディアの結婚式が決まった頃、マリーは寮制の学校に通っていたが、校風になじめず自ら退学届けを叩きつけて、パリにある「グランディス探偵社」に転がり込み、3人組と行動を共にする。
ナディアとの関係を引き裂かれようとする中でも2人の幸せな未来を確信するジャンに、マリーは「いつか、回り道をして袋小路に迷って、そして涙を振り絞った後で出逢う人と一緒に、そういう眩しさを見つめてみたい」と思う。
- 『ふしぎの森のマリー』
「ナディアストーリーズ」の第2弾。
ネオ・アトランティスとの戦いから10余年、マリーは「スイスの山の中の療養所」で新米看護婦として働いている。そこへ、探偵社の仕事で重傷を負ったサンソンが担ぎ込まれ、2人は久しぶりの再会を果たす。
美しく成長したマリーを見てすっかり惹かれてしまうサンソンだったが、当のマリーは彼女の初めての担当患者で、心因性のトラブルによって目を患うシュマッツという男に恋心を抱いていた。
マリーに恋愛相談を持ちかけられると、サンソンは自分の気持ちに蓋をして彼女の幸せのために応援をしようとするが、調べていくうちにシュマッツに秘密があることを知る。
作品を通じてサンソンはずっと片想いで、マリーの心は完全にシュマッツにあり、彼の治療に心を砕いている。
本作でのサンソン視点のマリーの描写は非常に細かく、繊細にその美しさを表現している。しかし、ふいに目が合い挨拶をされると、「お、おう」と口ごもる、ままならない身体に苛立ち花瓶を割る、病室の机にマリーの名前を彫る…などと、かなり不器用を拗らせており、心も身体も重症。逃亡したシュマッツとそれを追いかけるマリーを探しに森へ入る際には、乗っていた車椅子を降りて、超人的な精神力・身体能力を発揮する。
最終的にシュマッツには婚約者がいたうえに、彼の正体が既に死んでいる人間だったと分かり、マリーは失恋をするのだが、初恋に区切りをつけたマリーは、次はサンソンの担当看護婦になると決める。
「これからはビシビシ看護してあげる。本当に全快するまで、容赦なんかしてあげないんだから!」
前述した『ジャンとナディアのいちばん長い日』のマリーのモノローグで語られた内容は、本作の一連の出来事と重なり、この時マリーは理想の相手を見つけたと解釈出来る。
その他の作品での2人
・ゲーム作品
- 『ふしぎの海のナディア』(PCエンジンSUPER CD-ROM2版)
おまけのクイズゲームにて、マリーとガーゴイルとの掛け合いで、ガーゴイルが13話の内容を出題し画像を映すと、マリーはそのときの思い出を語るのだが、サンソンのことを紹介し、脱線する。
「サンソンってね、すっごくキザなんだけど、実はすっごく優しいの!サンソンが(中略)…マリー、強いってどういう事なんだかよくわかんないんだけど、優しさならわかるわ!」との事。
- 『ふしぎの海のナディア 電脳バトル ミス・ノーチラス号』
PS2版ゲームの特典として付属したクイズゲーム。
ノーチラス号の船内でミスコンが開催されるが、審査基準に”奇抜な衣装”(つまりコスプレ)が重要であると小耳に挟むナディアは、ジャンに他の候補者のスパイを頼む。
マリーも参加するが、何を着るのか聞くと、「誰にも教えないって、サンソンと約束したもん」と答える。マリーの参加にはサンソンが一枚噛んでいるようだ。
なお、本作のマリーは、コスプレをする時だけなぜか成長した姿になる。
余談だが、『ナディアおまけ劇場』のミスノーチラスコンテストでは、マリーはナディアよりも多い3票を獲得していた。
・書籍
- 『コミックブルーウォーター』
公式アンソロジー。
ここに収録されている、ふじいあきこによる「Yes, I Will…」は、マリーとサンソンの物語になっている。成長したマリーのアタックに悶々とするサンソンだったが、マリーはサンソンがグランディスに指輪を差し出すところを見てしまう、という内容。相思相愛だが恋人未満の関係から進展する2人を描いている。
なお、この作品の中でマリーは16歳で寄宿学校に通っており、CD版や小説版とは異なる設定を持っている。
- 『Portraits ふしぎの海のナディア イラスト集Ⅱ』
ニュータイプによって発売されたイラスト集の第2弾。
雑誌に掲載されたイラストはもちろん、描き下ろしイラストも多数収録されている。特に、描き下ろしではサンソンとマリーをセットとして描いている作品が複数見られる。
港で船を見送るサンソン、マリー、キングの描き下ろしイラストには、マリーがサンソンに「とーーーってもすきっっ!」と話し、サンソンが照れるやり取りが書かれていたり(しかし、「キングのことはもーっとすき!!」らしい。)、エピローグのタキシードとウェディングドレスに身を包んだ2人のイラストには、結婚についてのサンソンのコメントがついていたりと、イラストだけではなくテキストでも2人への言及がある、サービス精神旺盛な1冊。
- 『貞本義行画集 ALPHA』
キャラクターデザインを務めた貞本義行の画集。
「The Adventurers」というタイトルで、成長したマリーと、サンソン、グランディスの描き下ろしイラストが収録されている。
・映像作品
- 『ふしぎの海のナディア ミュージック・ビデオ2』(『ふしぎの海のナディア ミュージック・ビデオDVD』)
ナディアのボーカルソングに、TVアニメのハイライトシーンを合わせたミュージック・ビデオ集。
「真夏の恋人」のMVが収録されている。
もちろんアニメに2人のそんなシーンは存在しないので、ほとんどただのお色気シーン集だが、1サビではしっかり13話の映像が使われている。
他の収録曲に関しては歌入りでノンテロップだが、「真夏の恋人」はオフボーカルで、歌詞のパート分けの部分が(男)や、(女)に差し替えられたテロップがついた、カラオケ風のおふざけ仕様の映像になっている。
余談
- 第13回「走れ!マリー」裏話
『ふしぎの海のナディア ロマンアルバム』によると、2人の結婚の構想は、13話の制作時に思いつき、その後意識的に遊ばせるようにしたと書かれており、実際初期プロットでは異なる展開になっている。
また、同書籍の各話リストでは、13話の備考欄には「マリーとサンソンのなれそめ♡ウフ……」と書かれている。初期プロットではマリーがエアトンに恋をするエピソードがあったり、エピローグでもエアトンと暮らしている描写があり、またサンソンは役者になってマリーでもグランディスでもない女性と結婚しており、2人は結ばれる予定ではなかった。今後の展開を変えた13話は、ストーリー構成上もなれそめと言って差し支えないだろう。
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