CV:広瀬彰勇
概要
『次元大介の墓標』に登場。
凄腕の殺し屋で、かつて次元がボディーガードをしていた東ドロアの歌姫・クイーン=マルタを西ドロアで暗殺した張本人。サングラスをかけ右目に眼帯をつけ、プラダの白いスーツを愛用している。
細身な体格に反して意外にも大食漢であり、劇中では3~4ポンド程のサイズの巨大ステーキを平然と食し、食事は一人で味わうタイプ。
殺しの腕にも相当の自信があるようで、「標的の墓を事前に用意する」「何発でターゲットを仕留めるかサイコロで決める」といった、独自のルールやこだわりを己に課している。
重火器に関してはもちろん、狙撃の腕は一流。また早撃ちにおいても次元を一度は敗退に追い込むほどの腕前。
手先も非常に器用で、自身の狙撃銃や拳銃はなんと22口径まで軽量化された手製のものを使用する他、依頼であれば趣味に合わない下品な処刑用オートマタをも作り上げる。
また個人的な意思では決して動かないタイプの殺し屋で、背後に必ず依頼主がいるとされている。
ルパンからは「お前自身が銃そのもの」「誰かに依頼されて引き金を引いてもらわないと弾を撃てない、ただの道具」と評されたが、「故に指令にないお前は命拾いできる」と返すなど胆力も中々。
実は、自分の右目の網膜神経に映像回線を直結して、市内に設置された監視カメラの映像を目に直接送る細工を施しており、それを頼りに死角から出てくるターゲットの狙撃を可能にしていた。
また、東ドロア出身のマルタを暗殺したことから、当初は西ドロア政府に雇われていたと思われていたが、実際は東ドロア政府に雇われており、「カラミティファイル」と呼ばれる暗殺対象者リストを通じて暗殺を実行していたことが明らかとなった。
ルパン曰く「東ドロアは、西ドロアで自国の歌姫が暗殺されれば疑いの目は西ドロアに行くため、それを口実に軍事介入して東西ドロアの統一を画策していた」と考察している。
劇中終盤、カラミティファイルを盗み出したルパンを依頼により狙撃するも、死の銃弾は大きく外れた。
それもそのはず。発砲の瞬間、さらに背後から飛来した次元の狙撃が、自分の肩を撃ち抜いていたのだから。
次元が生きていたことに動揺するヤエルに、ルパンはタネを明かす。
カメラに気づいたルパンはそれを逆手に取り、映像をジャミングで0.5秒遅らせて狙撃のタイミングをずらした上で、血糊を使い次元が撃ち殺された演技をするという見事な偽装工作を講じたのだ。
敗死を覚悟したヤエルだったが、ここで次元は早撃ち勝負を提案。呆れつつも応じ、正々堂々と彼を僅かに上回る早撃ちをして、勝利を確信する。
が、何と自分の放った弾が次元の放った弾にぶつかって軌道をずらされたことで急所を外し、逆に利き腕である左腕を大破させられ戦闘不能となった。
初戦では「重く早撃ちには不向き」と彼のマグナムを馬鹿にしたが、次元曰く「ロマンに欠ける」軽量化した銃の威力差によって完敗したのだった。
この時次元は「ガンマンとしての奴は死んだ」として、とどめを刺すことなくその場を後にしたのだが…
なんと『峰不二子の嘘』の後編で再登場。失った左腕には高性能な義手を装着し、マズルブレーキを装備した大口径ボルトアクションライフルを使用していた。
このライフル、発砲音や排出される薬莢のサイズ、撃たれた人物の吹き飛び具合や弾痕から、かなり大口径・高威力な対物ライフルクラスの代物であることがうかがえる。
服装もベストが灰色ではなく白色だったり、ワイシャツが半袖になっていたりと差異があるが、お気に入りのプラダの白いスーツは相変わらず着用していた。
当作品の敵キャラクターであるビンカムと、前作の『血煙の石川五ェ門』の敵キャラであるホークと共に、コドフリー・マイニングが多額の金を送金した「殺し屋達製造工場」の疑いのある場所に関係していることが発覚した。
ルパンと次元がコドフリー・マイニングの社長のコドフリーに、工場を管理しているのが誰か聞き出そうとした瞬間に、口封じとしてかコドフリーとその場にいたラルク達を隣のビルから狙撃し暗殺した。
だが、明らかにアウトレンジ出来る状況にあったにもかかわらず、ルパンと次元を狙撃することはなかった。今回の任務には標的に含まれていなかったのだろうか。
余談
モデルは、ドイツのファッションデザイナーのカール・ラガーフェルド。
『峰不二子の嘘』で使用したボルトアクションライフルは、『次元大介の墓標』でのアジト潜入の時に未完成の形で登場している。
なお、彼が用意するターゲットの墓には、『死の前兆』『勝利』『祝祭』『お祭り気分』『愉快な気持ち』を意味するパセリの花が添えられている。知識のある者からすれば、皮肉たっぷりのプレゼントな事が分かるだろう。