概要
『女神異聞録ペルソナ』と『ペルソナ2 罰』に登場するペルソナの一つ。
仲間の一人である南条圭の専用ペルソナ。
本来世界各地の神話や伝承に由来する姿をとるペルソナの中では極めて珍しい、普通の現代人に由来するとしか思えない名称・容姿が目を引く。
作成には特殊なアイテム「べっこうぶちの眼鏡」が必要。
アルカナは『女神異聞録』ではJUDGEMENT、『罰』ではHIEROPHANT。
容姿
『女神異聞録』では、仮面をつけ背中に天使の翼をもった老紳士の姿で、下半身は翼の生えた船のような形状である。
『罰』での姿(タイトル画像)は完全な人型となっており、機械の翼を持つ天使のような姿をしている。サーフボードのような乗り物やなぎなたを構えた姿が特徴。
能力
『女神異聞録』では「魔法攻撃を反射し、槍の攻撃に弱い」という、高レベルの天使に共通する防御相性を持つ。
「あいのムチ」や「こもりうた」といった、レベルの割には物足りない技を有しているが…。
『罰』では、疾風・電撃・神聖・神経・精神と多くの攻撃を無効化し、くわえて弱点もない優秀な防御相性を誇る。
本編と比べ難易度の高いおまけモードでしか使えないペルソナという事もあり、レベルや戦闘力は過去と比べ大きく上昇し、専用技「ガーディアンハンマー」を習得するに至った。
以下ネタバレ注意
おお、坊ちゃま~! もうご安心めされい~
不詳この山岡めが、坊ちゃまの敵をことごとく
蹴散らしてご覧にみせますぞ~!!
両親の愛情を金銭でしか受け取ったことがない南条に、親代わりとして愛情を注ぎ様々なことを教えてきた。
そのため南条にとって彼はかけがえのない大切な人であり、公式書籍でも「自分にとって唯一の家族」と紹介しているほどである。
しかし『女神異聞録』ストーリー序盤において、異界化した病院で人々を助けるためゾンビに立ち向かい、命を落としてしまう。
事切れる直前、南条に「必ず日本を背負って立つ1番の日本男児になってほしい」と願う。
さすが ぼっちゃま… 山岡は いつまでも… ぼっちゃまの 心の中に…
そんな彼がペルソナとなり死してなお南条の力たらんとする展開は感慨深いものであり、多くのファンに強い印象を残した。
『罰』で前述の「ガーディアンハンマー」を使用した際の南条の専用ボイスは必聴である。
余談
真・女神転生のトレーディングカードゲームにおいてもヤマオカはたびたび収録されており、ゲームボーイカラー用ソフト『真・女神転生トレーディングカード カードサマナー』の特典としても封入された。
悪魔としての種族は「大天使」。
『女神異聞録』『罰』双方のイラストのバージョンが存在する(上記『カードサマナー』の特典は後者)。
ちなみに、同カードゲームでは南条もカード化されており、ペアでデッキに入れた時に強化されるスキルが存在するバージョンもある。
考察
『女神異聞録』でヤマオカが所属する「JUDGEMENT(審判)」は本来別の主要キャラクターを象徴するアルカナであり、南条を象徴するアルカナ「HIEROPHANT(教皇)」に属していないのは一見不釣り合いに思える。
メタ的に言えば、天使のようなデザインに決定してしまった以上「アルカナ=悪魔としての種族」という法則が存在した『女神異聞録』においては、HIEROPHANT(=鬼神)のペルソナではなく、JUDGEMENT(=大天使)のペルソナとして収録せざるをえなかった…という理由が考えられる。
しかし、「審判」の正位置には「復活」や「(精神的な)覚醒」という意味が込められており、死の間際に南条の成長を促した彼がペルソナとなって復活するという展開にも符合する。
そういった意味合いからアルカナ、ひいてはデザインが決定されたとすれば、練り込まれた設定に感嘆するばかりである。
また『罰』で所属する南条本来のアルカナ「教皇」は父性を表すとされ、南条にとって父親同然の存在だった山岡に対してもふさわしいアルカナと言えるだろう。