概要
古生代カンブリア紀に生息したメガケイラ類の節足動物の種類(属)の一つ。
学名「Yohoia」は勢いのある響きだが、カナダの先住民の言語(クリー語)で驚きを表す言葉で、最初の発見地(ブリティッシュコロンビア州)付近の地名にもよく使われている。
カナダ(バージェス動物群)の Yohoia tenuis(ヨホイア・テヌイス)と、アメリカの Yohoia utahana(ヨホイア・ユタハナ)という2種が確認されるが、前者の方が化石が多くよく知られている。
特徴
体長2~3cm。頭部の甲羅は四角く、先頭には1対の大きな複眼と、華奢な指4本の手と似た大付属肢が伸びる。
体はエビやシャコのように細長くよく曲がり、裏には鰭のついた13対の脚が並んでいる。胴部の13節のうち最後の3節は脚がなく、尾は扇子のように幅広い。
各体節の縁辺部はバージェスの種が尖り、アメリカの種が丸い。
一昔前の復元では上のイラストのように、大付属肢の爪が鳥の足元みたく、頭部3対の脚が細長く描かれているが、正確には爪が順に節で分れ(メガケイラ類全般の大付属肢の特徴)、頭部の脚は胴部のものと同形である。
海底を泳ぎ、シャコのように大付属肢を素早く突き出して、他の小動物を捕食する肉食動物であったと考えられる。