概要
ミスリル作戦部西太平洋戦隊副司令官にして、潜水艦『トゥアハー・デ・ダナン』の副艦長を務める40代半ばの陰気な男性。階級は中佐。趣味はチェスで子供の頃からインドア派だが、運動音痴というわけではない。離婚歴があり、元妻の名はポーラ。
元軍人でイギリス海軍にてフォークランド紛争や湾岸戦争を経験しており、潜水艦の艦長を長年務めた経歴を持つ。海軍内部の事故を巡り、神と女王陛下に誓った以上はと事実だけを証言した結果、陸に干されていたところをミスリル上層部から直々にスカウトされた。
性格は生真面目にして堅物、礼節と規律を重んじる厳格なイギリス紳士である。
そのためか風紀に関しても人一倍うるさく、ミスリル隊員は不手際を彼に目撃(正規軍ではないので、これでも海軍時代よりは目を瞑っている)されてしまったが最期、恐ろしく長い説教を受ける羽目となり、そういう意味であらゆる人物から恐れられている。このため、緊急時はともかく普段は結構めんどくさい上司である。
一方で軍人としても人間としても豊かな経験を持ち、天才的指揮能力を持つが若さ故に時折判断に詰まることもある上官テレサ・テスタロッサ(以下テッサ)に完璧なフォローを入れるなど、先達者として信頼と尊敬を集めている人物でもある。
副艦長という立場のため余りクローズアップされないが、潜水艦の艦長としても大変優れた指揮能力を持っており、物事を趣味のチェスに見立てた先の先を読む手法を主戦術としている。海軍時代は、航行中に集中力が研ぎ澄まされると、ある変わった癖が見られるという噂と共に、『公爵(デューク)』の異名で他国の潜水艦乗りにも知られていた。
アメリカ海軍所属のテッサの父は、一度きりとはいえ力を合わせてソ連艦を破った戦友であり、当時の乗艦の名が綴られた愛用の帽子は彼から贈られたもの。忘れられてしまっているが、4~5歳のテッサとも面識がある。友の忘れ形見である彼女を自分の実の娘のように見ている節があり、何かと個人的に便宜を図るなど父親のような気遣いを見せる。
また、そのためかテッサと個人的に親しい間柄にある相良宗介をその実力は高く評価しつつも、『娘に寄り付く悪い虫』であるかのように見なし、若干疎んじており宗介当人からすればとんだとばっちりと言える。
短編『女神の来日』では重要人物であるテッサの護衛を何の事前連絡も無しに宗介に押し付けた上に多大なプレッシャーを与えてから帰国するという結果として宗介が過労で倒れる原因を作ってしまっていたりする。