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ル・マン・デイトナ・h

るまんでいとなえいち

ル・マン・デイトナ・hとは自動車競技「IMSA スポーツカー選手権」や「WEC 世界耐久選手権」にて採用される車両規定のひとつ。略称・LMDh
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歴史編集

北米大陸を中心とした耐久レースシリーズであり、かのル・マンスパと並ぶ「世界三大耐久レース」である、デイトナ24時間レースをスケジュールに組み込むIMSAスポーツカー選手権では、トップカテゴリーがル・マン・プロトタイプ(LMP1)をメインに据え置くWECとは異なり『デイトナ・プロトタイプ・インターナショナル(DPi)』がトップカテゴリーとして君臨していた。

このDPiはル・マン・プロトタイプの中間カテゴリ「ル・マン・プロトタイプ2(LMP2)」に自社の乗用車と共通性のあるフェイスデザインで特徴付けなければならないことを義務付けられた車両規定で、LMDhはその後継にあたる。

元々、DPiのホモロゲーション期限に向けて模索されていた『DPi2.0』と呼ばれる次期規定計画からスタートしており、FIA世界耐久選手権の次期車両規定「ハイパーカー・クラス」との相互乗り入れ(DPi2.0-LMH コンバージェンス)をFIA・ACO(フランス西部自動車クラブ)の三者共同で策定する運びとなった。


最終的に新規定・LMDhは2023年のIMSAスポーツカー選手権シリーズからDPi規定に変わる形で適用され、IMSAでは「GTPクラス」、WECでは「ハイパーカークラス」にカテゴライズされることとなった。

車両規則編集

最大長5,100 mm
最大幅2,000 mm(79インチ)
最大ホイールベース3,150 mm(124インチ)
最大高1,150 mm以下
最低車両重量1,030 kg(2,270ポンド)
最低エンジン重量180 kg
エンジン排気量制限なし
最大システム出力500kw(680馬力)/モーター出力は68馬力(50kW)まで
燃料タンク容量90L
最大ホイール径710 mm(28インチ)
タイヤ幅31cm 又は リア34cm/フロント29cm(後輪駆動)

この他、性能調整(BoP/バランス オブ パフォーマンス)がシーズンを通して随時更新される為、常に「高いパフォーマンスを発揮する車両が勝ち続ける」状況が作りにくくなっている。

更に「タイヤサイズ・加速プロファイル・ブレーキ性能・エアロダイナミクス」の4領域の性能調整を行うことで2023年からル・マン・ハイパーカー(LMH)との性能差を揃え、「LMDh規定を採用するIMSA」と「LMH規定を採用するWEC」での車両の相互乗り入れを実現させることとなった。


ル・マン・デイトナ・hの特徴編集

LMHとの違いは以下の通り


・共通のハイブリッドユニット

モーターは全車共通のボッシュ製の50kW (68馬力) の電気モーターを搭載し、システム出力は680馬力 (500kw)、モーターの回生能力は最大200kW。

バッテリーはウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング製。これらシステム全体に30万ユーロのプライスキャップが定められる他、ハイブリッドシステムのソフトウェアは主催者によってロックされイコールコンディションが取られる。

統一されたハイブリッドユニットを採用することで各メーカーとも開発コストを抑えることが可能となった一方で、ハイブリッド技術に一日の長があるトヨタや独自のシステムを構築したいプジョーフェラーリは任意選択できるLMH規定で車両製作を行っている。


・指定シャシコンストラクターによる車体設計

車体はメーカー独自に設計したものが使えないため、DPi規定と同様にIMSAから認可を受けたオレカリジェマルチマティックダラーラの4メーカーから選択する必要がある。

車体のダウンフォース:ドラッグの比が4:1と定められ、各自動車メーカーの量産車と共通のフェイスデザインを採用したフロントマスクを与える必要がある。

これにより、量産車を彷彿とさせるシグネチャーデザインを持つアキュラキャデラック、フロントウイングを兼ねる長大なキドニーグリルを備えるBMWなど、より個性的な意匠を放つ車両が誕生することとなった。


これらの車両規定は、従来の悩みの種であったメーカーの開発コストを大きく引き下げたことでシリーズ参戦の敷居が低くなり、ランボルギーニやジェネシスといったそれまでプロトタイプカーの開発経験がなかったマニュファクチャラーにとっての追い風となったのは勿論、かつてLMP1でトップを争っていたポルシェやアウディまでもがLMDhでの耐久レース復帰を計画したほど。(アウディはその後、ザウバーを買収してF1に参戦する事を発表したため、LMDh車両での耐久レース復帰を断念している)

更に副次効果としてプライベーターチームにとっても手の届く車両価格にもなったことから、IMSAやWECにエントリーしている有力プライベーターからLMDh規定の車両での参戦を表明が相次いでいる。


LMDh規定車両編集

ポルシェ:963

Porsche963

BMW:M Hybrid V8(WEC参戦は2024年から)

キャデラック:V-Series.R

ポスター

アキュラ:ARX-06(2024年現在IMSAのみ参戦)

2023 Acura ARX-06

アルピーヌ:A424(2024年から)

ランボルギーニ:SC63(2024年から・WECは2024年限りで一時休止)

・ジェネシス(ヒョンデ):GMR-001(2026年から)


アウディ:(F1参戦のためLMDh計画中止)



関連タグ編集

プロトタイプ

WEC IMSA

ル・マン・ハイパーカー

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