概要
中信ホエールズは1991年7月に中國信託商業銀行(東京スター銀行の親会社)と台北市立体育学院と共同で設立したアマチュアチーム「中國信託棒球隊」として誕生した。その後1996年2月にプロ野球参入と同時に「和信ホエールズ(和信鯨)」と改称した。
この頃のマスコットは白鯨であった。2002年に「中信ホエールズ」と改称し、マスコットもグランパスのグララのような赤いシャチに変更するが、翌2003年一部の選手が八百長をしていた事が判明する。さらに2007年にはより大規模な八百長事件「黒鯨事件」が発生し、主力を失い経営は悪化する一方だった。そして2008年、米迪亜ティーレックスの八百長でCPBL全体の信頼が失墜し、リーグ全体が経営悪化した。このあおりで中信は球団の解散を決定した。
中信という安定したスポンサーがあり、台北という好立地にありながら、チームは弱く、人気球団兄弟エレファンツに客を奪われ、2度の八百長で信頼を失い、ファンも少なかった。一度も優勝する事もないまま外的要因で無念のうちに解散してしまったのである。
後日談
後に中信は、黒象事件という八百長事件で解散の危機に見舞われた兄弟エレファンツをネーミングライツに近い共同経営という形で救済している。しかし、ホエールズを解散した中信がかつてのライバルを媒介に再び球界に関与する事はかつての鯨迷・鯨家族(中信ホエールズファンのこと、後者はWe are familyのキャッチコピーから)にとっても賛否両論であり、「再び応援できる球団が出来た」「Never Give Upというスローガンの体現」という好意的な意見もあれば、「あくまで好きな球団はホエールズであり、エレファンツではない」「応援していたホエールズを解散させておいてエレファンツに関与する事は許しがたい」という否定的な意見もある。
選手
有名な所属者は福岡ソフトバンクホークスの李杜軒の父親で中信コーチの李杜宏、のちに西武ライオンズなどで活躍したアレックス・カブレラがあげられる。
また、有働克也や中山裕章など横浜大洋ホエールズ出身選手も多かった。
関連項目
- 大洋ホエールズ - かつてNPBに存在した「ホエールズ」。チームカラーも類似していた。現在は横浜DeNAベイスターズ。
- シカゴ・ホエールズ - 20世紀初頭のアメリカに存在した「ホエールズ」。所属していたフェデラルリーグ共々僅か2年で解散したが、本拠地球場として使用していたリグレー・フィールドは現在もシカゴ・カブスが使用している。
- 阪急ブレーブス - 近隣に人気球団がある事や(ブレーブスは八百長に関与しなかったが)八百長によるリーグの信頼性からスポンサー・立地に恵まれながら集客率が上がらなかった点や後にスポンサーが別の球団に関与する点が共通している。