概要
統一ライオンズ、味全ドラゴンズ、三商タイガースと共に1990年の中華職業棒球大聯盟(CPBL)発足時に加入した4球団の1つで、台湾随一の人気球団とされている。
チーム名の『兄弟』は親会社の兄弟大飯店に由来する物であるため中信兄弟と表記されることが多いが、名前の後ろ側が英語風の片仮名表記にならないのは可怪しいとの考えから“中信ブラザーズ”と云う表記に拘泥する人も存在する。
台湾に於いてフランチャイズの概念が希薄だった時代は台北市や新北市をメインに主催試合を行っていた。2015年からは台中市の洲際棒球場を正式に本拠地としている。
味全ドラゴンズとの対戦は『龍象戰』と呼ばれ、味全の活動休止期間を挟みながらも台湾に於ける伝統の一戦とされている(参考)。
NPBの阪神タイガースと深い縁がある訳でも無いが、2021年から2023年前期まで林威助(リン・ウェイツゥ)が監督を務めており、2024年は平野恵一が監督に就任した。
歴史
1974年設立のホテル「ブラザーホテル(兄弟大飯店)」が親会社となって1984年に創設したノンプロ球団、兄弟飯店棒球隊を前身として、1990年のCPBL設立に合わせ、兄弟象(兄弟エレファンツ)に改名した。
2010年、「黒象事件」と云う八百長事件が発覚し、存続危機に直面した。ブラザーホテルはそれまで自らの球団管理に自信を持っており、仮に八百長が発生した場合球団を解散させると公言していた。また、球団の規模と親会社の規模が一致しておらず、経営状態が悪かったという面もある。
結局紆余曲折を経て中信ホエールズを運営していた中國信託商業銀行が命名権を購入する形で存続する事が決まり、2014年に中信兄弟(象)と改称した。この際買収先として最後まで競合していた麗寶グループはアジアウインターリーグの冠スポンサーとなった。(参照)
2014年に中信兄弟となって以降は2018年を除いてほぼ毎年のように台湾シリーズへ進出していたが、敗退を繰り返していたことから『七年六亞(7年で6度の準優勝)』や『金融魔咒(金融業者が所有する球団は優勝できないと云うジンクス)』、『安心亞(「安心の2位」と云う意味。チームの本拠地である台中市出身のタレントの名前に掛けている)』と呼ばれていた。
その後チームは2021年と2022年に台湾シリーズの連覇をしており『金融の呪い』は無くなった。
2023年はプレーオフ進出を逃したが、2024年は前期優勝。年間総合1位で進出した台湾シリーズでは統一ライオンズを4勝1敗で下してCPBLの頂点に立った。
台湾シリーズの制覇回数は統一ライオンズ(10度)に次いでCPBL史上1位タイの10度を誇るが、アジアシリーズへ進出、およびNPBの球団と対戦したことは無い。6度目のシリーズ制覇の頃は未だアジアシリーズ自体が存在せず、7度目の制覇を果たした2010年は資金難からシリーズが開催中止となっていたからである。この2010年にアジアシリーズの代替として開催された韓国・台湾クラブチャンピオンシップシリーズへ出場し、KBO優勝チーム・SKワイバーンズと対戦して1勝1敗としている。
なお、2013年以降は日米野球やプレミア12などの開催と重複したりCOVID-19の感染拡大が世界中で問題視されたことからアジアシリーズは開催されておらず、現在でもNPB球団との対戦は実現していない。
関連項目
- 中信DEA/新北中信特攻(バスケットボール・T1リーグ)
- PassionSisters(チアリーディングチーム)