2024年3月の京葉線ダイヤ改正
2023年12月、JR東日本(以下、『JR』と表記)は2024年3月のダイヤ改正の内容を発表。このダイヤ改正では京葉線で大規模な改正があった。その内容とは、
- 通勤快速の廃止
- 朝夕ラッシュ時間帯において、特急を除く全列車を各駅停車に変更
という驚愕のものであった。これに踏み切った理由は「乗客を分散させることで利便性を向上させること」と話し、以前より朝ラッシュ時間帯の線内完結の快速の各駅停車化は行われてきたが…
自治体からの反発
しかしこのダイヤ改正に、沿線自治体は大激怒してしまう。
千葉市長の神谷俊一はこのダイヤ改正に対して「極端な変更で市としてのメリットがあまりない。さらに沿線の価値がなくなってしまう」と強く反発。
また一部列車が直通する外房線沿線である一宮町長の馬淵昌也も「速達性を奪う暴挙だ」と非難。千葉県知事の熊谷俊人は混雑解消は理解できるものの、「沿線住民や事業活動に大きなマイナスがあるのでは」と難色を示していた。
千葉の財界からも批判が相次ぎ、千葉商工会議所会頭の佐久間英利は「多くの地域の産業振興にも影響を与え、経済界も見過ごすことのできない重大な問題」と発言。さらに幕張メッセの主催者からも“集客の低下が起きるのでは”と懸念の声もあった。
こうして千葉市や外房・内房線沿線の各市長・県知事をはじめ千葉市以南の住民全体から激しい怒りを買ったJR千葉支社は神谷氏や熊谷氏との話し合いに応じ、千葉支社長が2名の元に何度も説明に出向くこととなった。そしてついに朝7時の2本の快速を継続することを発表。JRは「沿線自治体や利用客から厳しい声を頂き、改正後の影響に考えが至らなかったと反省した」と謝罪した。
神谷氏は「市の申し入れを受け入れていただきありがたいが(申し入れの)反映は限定的だ」と話しており、引き続きJRとの協議を続けていくことを表明。
ダイヤ改正後の5月に行ったアンケートでは、ダイヤ改正で悪影響を受けたという回答が8割となっており、さらに京葉線を使うのをやめたという回答も3割という結果となった。
なお、「京葉線」であるため、一見すると支線も含むように見えるが、西船橋→市川塩浜の列車については一切触れられていない。
そして…
5月末、JRは9月にダイヤを再度変更することを発表。ラッシュ時をはじめ、快速の運行時間帯を拡大することを表明した。
このJRの対応に対し、千葉県や沿線自治体の首長、財界からは評価する声が上がっている。
しかし、快速が通過する新習志野駅を有する習志野市長の宮本泰介からは「停車本数が減ってしまう」と反対の声を示している。
また、夕方のラッシュ時は依然各駅停車のみだが、これに対してJRは「新木場駅の混雑を避けるため」と話している。
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