概要
人材派遣(労働者派遣事業)は、アウトソーシング(外部委託)・間接雇用の一形態で、事業者が直接指示監督できる人材を取引先業者(派遣会社)から派遣してもらうサービス。人材派遣事業で派遣される労働者は派遣社員と呼ばれる。同じ間接雇用である業務請負は、請負会社が業務を一括して請け負う点が労働者派遣と異なる。
労働者派遣法および職業安定法で規制されており、契約書に記載のない業務をやらせたり、派遣先事業者から外部への再派遣(多重派遣)をすることは禁止されている。
労働者派遣事業は口入屋と呼ばれる人身売買業に起源をもち、タコ部屋労働などの温床になった教訓から職業安定法により禁止されていたが、1985年の労働者派遣法により解禁。正規雇用(正社員)から非正規雇用への置き換えと業務のアウトソーシング(外部委託)の流れの中、2000年代に急増した。
2022年現在、日本は9.2兆円規模、約150万人の就労人口を抱える世界一の派遣大国である。また、業務請負が実質的に労働者派遣になっている(偽装請負)ことも多い。
バブル崩壊後は「三つの過剰」(雇用の過剰、設備の過剰、負債の過剰)が叫ばれ、各企業はこぞって正社員を削減して非正規雇用や下請けや外注に置き換える経営のスリム化を進めた。こうして目先の財務状況を改善することには成功したものの、過度のアウトソーシングにより技術やノウハウが内部に蓄積されなくなり、日本企業の国際競争力はてきめんに落ちた。
世界経済における日本の没落は、人材派遣をはじめとするアウトソーシング・非正規雇用の隆盛と密接に関係しているのである。
派遣先雇用
「派遣先企業へ雇用される事を禁止する」といった契約条文が明記されている場合もあるが、法的根拠はなく違法な契約はそもそも無効である。それをされるとピンハネする派遣会社の旨味が無くなってしまい都合が悪いため教えないが。
正しく給料の支払われる職場を選んでください。