概要
『ポケットモンスターSPECIAL』第3章に登場する仮面を付けた謎の長身男で、本エピソードの黒幕。
「自分の手持ち以外は道具」と断言する程、目的の為なら手段を選ばない冷酷な人物で、カントーのシルフカンパニー事件後に崩壊していたロケット団の残党を集めて「ネオロケット団」を結成し、カントーとジョウトの各地で騒ぎを起こした。
他にも、トレーナー能力が高かった幼少時代のブルーとシルバーをホウオウを使って誘拐し、彼らを含めた子供たちを自身の手駒「仮面の子供たち」(マスク・オブ・チルドレン)となるよう修業を強要させていた。
そのためブルーとシルバーにとっては師匠であり育ての親であるのと同時に、因縁の宿敵そのものであった。
その実力
カントー・ジョウト編を締めくくるラスボスである影響か、ポケスペの全登場人物たちの中でも最強にして最高の実力を誇る。
・大量のギャラドスの「はかいこうせん」集中砲火を、湖をギャラドスごと一瞬で凍りつかせて退ける。
・トレーナー不在の遠隔操作(小型カメラによる映像と、モールス信号による指示)かつ相性の悪いデリバード単騎でホウオウを捕らえる。
・伝説のポケモンホウオウ・ルギアを自力で支配下に置き意のままに操る。
・単体で各地のジムリーダーを打ち破る程の実力を持つ三犬をまとめて相手にして勝利し、封印を施して異空間に閉じ込める。
・6人の図鑑所有者を(伝説系を使わないで)自分の手持ちだけで一蹴する。
等と、どう考えてもありえないことをやってのける。
特にポケスペでの伝説ポケモンはゲームと違い制御が効かないものが大半で、三鳥は四人のジムリーダーのバッジエネルギーで強制的に、グラードン・カイオーガは対応する宝珠で、レジロック・レジアイス・レジスチルは古代の人が遺した石版等、何かしらのアイテムを使わないと(使ったとしても)トレーナー自身がポケモンの力で破滅する事から、その実力がうかがい知れる(トキワのトレーナーかつ四天王のワタルですら、ルギアをバッジの力を利用してもなお完璧に制御するには至らなかった)。
基本的に「こおりタイプ」のポケモンの扱いに長けるものの、それ以外のタイプもかなり強く、本気を出さなかったにもかかわらずマチスが命の危険を感じる程までに追い詰められた程。
そのため連載中の現在でも、読者からはポケスペ最強トレーナーと言われている。
手持ちポケモン
自身のトレーナーとしての実力だけでなく、手持ちポケモン自体の能力やレベルも相当高く、本気を出した時は相手の策を力押しで破るほどの強さを誇る。
仮面の男の主力ポケモンその1。
いかりの湖をギャラドスごと一瞬で凍りつかせて退けた他、上記したように単騎でタイプ相性の悪いホウオウ(ほのお・ひこう)と渡り合える程の実力を持つ。
仮面の男の主力ポケモンその2。
凝固と分解を繰り返す氷を生み出すことが出来る(しかもこの氷は伝説系ポケモンの炎でなければ完全に溶かしきれず再生する。)。
この能力を活かして「空気中の水分の凝固と分解を超高速で繰り返して氷の塊を自由自在かつ素早く動かす」という原理の人型の氷像(氷人形)を創り出し、自在に操る能力を持つ。
上記したメイン戦力の二匹に比べれば出番が少ないものの、他にも数匹の手持ちがいる。
どのポケモンも実力が高く、特にデルビルやゴースはジムリーダーに即座に逃げの一手を打たせたり、ジムリーダー三人がかりの状況を逆転させたりと要所要所で活躍している。
更に、自身の目的の一つであるセレビィ(くさ・エスパー)の弱点を突いたタイプ構成になっている。
仮面の下の素顔とその目的(ネタバレ注意)
※以下、第3章終盤のネタバレ注意
「お前たちにとってはそれだけの事であっても!!私にとっては生きていく全てだったよ!!」
上記したウリムーが創った氷像に車椅子ごと乗り込み仮面とマントを装着することで、「仮面の男」を演じ、他のジムリーダー等に気づかれないようにカモフラージュをしていた。
(氷の体積を変えることで体型をごまかせることから、作中では登場するたびに以前と微妙な体型の変化が確認できる。)
表の顔であるジムリーダーとしては謙虚な老人を演じているが、「仮面の男」の方が素の性格。
本性を明かした後は、ゴールドに「お前にとってポケモンとはなんだ」と聞かれた際に「道具」と答えたが、実際は「愛すべき存在」。その愛を貫く為に利用する全てのものが道具との事。
その目的は「時の支配」であり、かつて己の判断ミスで氷河で失った2匹の親のラプラス「ラ・プリス」「ラ・プルス」と子供「ヒョウガ」を過去へと至って引き合わせるためだった。
最終的に行き着いたのが時渡りの力を持つポケモン「セレビィ」を捕獲し、時のはざまに入り込む事のできる「にじいろのはね」と「ぎんいろのはね」を用いることで過去に戻るという方法だったため、今回の騒動を引き起こした。
ちなみに、若い頃はオーキド博士、キクコ、ガンテツ、ジョウトの育て屋夫婦と友人であったが、上記のラプラスたちを失ったショックで疎遠になっていた。オーキド博士の事は下の名前である「ユキナリ」と呼んでいる。
彼の野望を止めるためにカントーとジョウトの図鑑所有者達・ジムリーダー達が総力で挑むものの、圧倒的な実力でそれらを排除し、野望の実現に近づいていった。
最終的にはセレビィを手に入れ「時のはざま」に入るも、ゴールドのピチュが放った電撃「超スーパーライジングサンダー」とレッド達とスイクン・エンテイ・ライコウの援護射撃で、セレビィの入ったボールを破壊される。
しかし、ヤナギの思いを汲んだセレビィによって、ヒョウガは亡き両親と再会、結果的に仮面の男…ヤナギの真の目的を果たすことが出来た。
そして当時は悲しみのあまり心に届かなかったものの、かつてラプラスを失った自分の為にオーキド達がヤナギをイメージして作った歌である「ラプラスに乗った少年」に感銘を受け、気を失ったゴールドに「ポケモンと過ごす時間を大切にな」と言い残し、時のはざまへと消えていった(歌が心に届いた彼の表情はとても穏やかだった)。