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元禄怪奇譚

げんろくかいきたん

マーベラスエンターテイメントより発売されたアクションRPG『朧村正』の別売ダウンロードコンテンツの総称。PSVita版でのみプレイ可能。
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概要編集

2013年11月7日より配信の「津奈缶猫魔稿」を皮切りに開始された、新しい4人の主人公を携えた4本の短編シナリオを配信する『朧村正』のDLCである。Wii版ではプレイできないので注意。

本編とは異なり、シナリオ一本につき全三幕という短めのストーリーで構成されている。


基本的なシステムは本編と同様のままに、主人公ごとに新しい武器やアクションが導入されている。

また、新キャラクターのグラフィックはもちろん、一部のマップ背景や道中・戦闘曲等のBGMも書き下ろしされており、DLCとは思えない気合の入れようがうかがえる。

これだけ盛り込んでおきながら価格は一本500円(税込)とかなりリーズナブル。

なお、DLC発表から配信まで年単位でかかっている。

これは当時主流だったアンロック式では無かった事と、作成が決定してから開発を開始したためと見られている。また、DLC第一弾配信から、第四弾の配信まで凡そ1年かかっている。その力の入れようにユーザーの期待と評価も非常に高いDLCである。


ちなみに公式サイトでは配信タイトルに合わせてPVが公開された。特に「大根義民一揆」以降のPVには本編映像の後にちょっとしたおまけ(お巫山戯?)が収録されており、一見の価値ありである。


基本的に一本一本が独立して完結するストーリーだが、一部のキャラや語句を共有する事で、他のシナリオや本編の展開・各EDとの関連を匂わせる描写もある。

配信タイトル編集

◆「津奈缶猫魔稿」(通称:化猫)編集

元禄怪奇譚『化猫~津奈缶猫魔稿~』5周年!!

本外題読みは”つなかまねこまたぞうし”。ツナ缶猫まんまではない。

秘蔵の茶器を将軍家へ献上することとなった綱釜藩主岡島義徳。江戸家老の犬飼剣持は長男清次郎と娘のお恋にその役目を託すが、剣持を妬むお留守居役の城代家老・若宮捏造の策略により二人は道中で刺客に殺されてしまう。お恋に付いてきた家猫の三毛はこの有様を目の当たりにし、主人の無念を晴らすべく、お恋の姿を借りた化猫と相成って若宮捏造への復讐を誓うのだった。

2013年11月7日配信

公式PV


お恋編集

CV:日高里菜

正確にはお恋の姿となった三毛。人間姿でも二股の尻尾が見えており、よく見ると足も猫のものとなっている。人間形態では鋭い爪を用いた近接戦闘、猫形態では鬼火を用いた遠距離攻撃で戦う。また、霊力ゲージを消費して一定時間無敵の化身状態になることもできる。温泉と熱いものが苦手。

お恋に懐いており、今わの際にお恋の無念を晴らすため、本来の役目を果たすために化け猫となった。しかし、既に目的は果たせず、犬飼家は断絶と知った時に恨みを抱き、若宮捏造と、その主家である綱釜藩へ殺意を向ける事となる。


若宮捏造編集

CV:青山穣

綱釜藩の国家老で、政敵の犬飼剣持を陥れるために刺客である重松新左衛門を雇い、殺害を指示した。やってる行動は時代劇の汚職をしている家老その物。


重松新左衛門編集

CV:小山剛志

凄腕の浪人で、仕官を条件に若宮捏造に雇われ、お恋と清次郎の殺害を行った実行犯。

妖刀「根刮村正(ねこそぎむらまさ)」と言う先祖から伝わる刀を持つ強敵。


◆「大根義民一揆」 (通称:一揆)編集

センシティブな作品

本外題読みは”おおねぎみんいっき”。

大根藩の村々一帯では飢饉と凶作が続き、納める年貢すらも危ういという状況。そんな中、城代家老である鳩野豆太夫は自身の面子を保つため、赤字財政の改めという名目のもと年貢の引き上げを行なう。これ以上搾取されては農民の生活が成り立たないと危惧した芋畑村の若衆は、藩主に窮状を訴え出るために江戸へと向かうが...。


※余談ではあるが、時代背景を考慮してかこのシナリオではとにかくお金が貯まらない。敵を倒しても1文2文というのもザラであり、なんと1両稼げれば実績が解除される始末である。

買い物もままならないので、飯処での生気の取得や回復アイテムの使用は計画的に。

2014年1月16日配信

公式PV


権兵衛編集

CV:浅沼晋太郎

村一番の働き者である百姓。去年に流行病で妻であるお妙を亡くし、今では男やもめの一人暮らしをしている。困っている人を放っておけない情に厚い性格で、人々を助けるためなら自分を犠牲にすることも厭わない。戦闘では鍬と竹槍による近接攻撃、鎌の投擲による遠距離攻撃を行う。なお他の主人公と違い戦闘慣れしていないためか、少々動作の隙が大きい。

そして、攻撃のサポートとしてお妙が助けてくれる。


お妙編集

CV:藤田咲

権兵衛の妻であるが昨年亡くなっている。しかし、権兵衛を見捨てる事が出来ず幽霊となって権兵衛の元に現れる。一揆を行う権兵衛をサポートし、ジャンプや空中攻撃時のサポートや、時には霊体となった権兵衛を体に押し戻したりと内助の功を発揮する。

霊泉に入ると一時的に生前のような姿に戻る。


田吾作編集

CV:荻野晴朗

村では怠け者で知られる百姓。

権兵衛や茂平次、梅吉らと共に年貢減免を願い出たが聞き入れらなかった。

梅吉が処刑されたのを切っ掛けに権兵衛たちと共に藩に対する一揆に加わる。


茂平次編集

CV:かぬか光明

村一番の力持ちで知られる百姓。

権兵衛、田吾作、梅吉たちと共に年貢減免を願い出たが聞き入れらなかった。

梅吉が処刑されたのを切っ掛けに権兵衛たちと共に藩に対する一揆に加わる。


梅吉編集

CV:大山鎬則

権兵衛の親友で、村の中でも頭が良く頼りにされている若者。

妻と生まれたばかりの子供がいる。

権兵衛、田吾作、茂平次らと窮状を訴え出るために江戸に来て全員で直訴を行う所、誰にも犠牲を出さないために独断で将軍に対し、直訴を敢行したが取り押さえられ処刑された。

この事が切っ掛けで権兵衛は本格的に大根藩への反乱を決意する。


鳩野豆太夫編集

CV:坂本くんぺい

大根藩の城代家老で、私服を肥やし、自らの面子のために増税を決めた張本人。

大量の米を買い込んでいる他、多連装銃を持ち、また付き従うくノ一のサポートもある。


◆「七夜祟妖魔忍伝」(通称:白蛇)編集

七夜祟妖魔忍伝

本外題読みは”ななやたたりようまにんでん”

忍の里を裏切り抜忍となった嵐丸は、追手から逃れる最中の戦闘で神社の神鏡を壊してしまう。その夜、気を失っていた嵐丸の枕元には神社に祀られていた神”渦津巳引滝媛神”(白蛇)が立ち、嵐丸に社殿での殺生と神鏡の破壊による罰として七夜の後に命尽きる神罰を言い渡す。自身の今の境遇から「七夜も生きられれば儲け物だ」と語る嵐丸に、罰を与える前に死なれては困ると仕方なく協力する白蛇であるが、七夜の内にしだいに嵐丸の出生の秘密が明らかとなっていく...。

2014年7月10日配信

公式PV


嵐丸編集

CV:逢坂良太

元は伊賀に構える骸衆の忍の一員。とある任務中に突如として裏切り、敵対した骸衆に立ち向かうこととなる。かつては骸衆の中忍・不知火のもとで修業し、師匠からも弟子の内で一等の出来だと認められていた。クナイ、鎖鎌、爆雷とこれまで敵のモブ忍者が使用した武器とほぼ同様の武器を使い戦う。また、師匠、不知火仕込みの火術”微塵転身の術”を得意とする。

攻撃力や攻撃の挙動に癖があり一筋縄では扱えない。クナイと鎖鎌は扱い易いが攻撃力は低く、爆雷は攻撃力が高いものの当て辛いので難度はやや高め。

白蛇編集

CV:日笠陽子

嵐丸が壊してしまった神社で祀られていた神で正式名を渦津巳引滝媛神(かつみいならきのひめがみ)と言う。爆薬を使用され嵐丸に御神体の銅鏡を破壊されたので神罰として嵐丸を七日後に祟り殺すと宣言。しかし、それは「七日後」に殺さねば祟りにならず「七日間」は生かさねばならないと言う事でもあり、他者に殺されまいと嵐丸を手助けする羽目になる。

そして約束の朝を迎えた時……。


不知火編集

CV:中博史

骸衆でも随一の使い手であり、嵐丸の師匠。

抜け忍となった嵐丸を殺害するため、嵐丸の前に立ちはだかる。


◆「角隠女地獄」(通称:鬼娘)編集

センシティブな作品

本外題読みは”つのかくしおんなじごく”。

無類の女好きである放蕩者の清吉は、坊主になるのが嫌で寺から逃げ出してきた。女遊びが我慢できずに髪も生えそろわぬうちから街道の娘らにちょっかいを出していたが、そんな折に出会った鬼娘から「好きあった仲」と勘違いされてあちらこちらと連れまわされる羽目になる。果たして清吉は鬼娘を振り解いて悠々自適な女遊び生活に戻れるのか。清吉の運命やいかに。

2014年11月20日配信

公式PV


羅邪鬼編集

CV:渡辺久美子

地獄の閻魔大王の末娘。仰々しく”閻々羅邪鬼”と名乗ることもあるが、親しい仲の者には"羅邪"と呼ばせることも。金太郎を彷彿とさせるような格好をしており、幼子の姿をしていながら身の丈ほどもある斧を軽々と振り回す。また、打出の小槌で自分を叩くことによって身体を自由に成長させることができ、グラマラスな大人の体になることも。大人状態では豪快に金棒を振り回す。そしてさらに小槌を使うことで、本編に登場した雷神にも匹敵する大鬼状態へと変化することができる。その迫力と攻撃は圧巻。攻撃性能では、DLC主人公の中では群を抜いており、下手すれば本編の主人公である鬼助や桃姫に迫る強さ。このせいもあって、DLCの中では一番サクサク進められる。


清吉編集

CV:杉山紀彰

寺から脱走した元坊主で女好きだが、女難の相が出ていると指摘されていた。

事実、イイ女に声をかけたと思ったら、その女はその場を離れており羅邪鬼に付きまとわれる事になり、各地で様々な女妖怪に襲われる事になる。


別エンディング編集

本編を一度クリアすると各地の結界が無くなり、全国を全て行き来できるようになる。また、魔窟にも挑戦できるようになる。

この状態になると各地のボスと再戦できるようになり、勝利するとそれぞれから専用装備を入手することができるのだが、全国各地のボスをすべて倒すと「転変の調べ」という特殊なアイテムが手に入る。

DLCシナリオではこの「転変の調べ」を装備した状態で大詰めのボスを倒すと、通常とは異なる展開をみせる別ルートのエンディングを見ることができる。

ED1の補填というよりは、全く別の展開をみせるものとなっている。どちらの展開が真実かと明言されている訳ではないので、こういう道を辿る可能性もあった と考えるのが良いだろう。


小ネタ・余談編集

一揆編集

「一揆」の元ネタはファミコンで発売されたサンソフトのアクションゲーム「いっき」であると思われる。主な共通点として

・「いっき」のプレイヤーキャラは”権べ”と”田吾”。「一揆」では”権兵衛”と”田吾作”

・小説版「いっき」に登場する田吾の娘の名前は「タエ」。権兵衛の妻の名前は「お妙」

・武器に竹槍と鎌

・少人数での一揆

・敵が忍者

・プロモーション映像で流れていたBGMが「いっき」のメインBGMを彷彿させる

などが挙げられる。「一揆」配信日には記念として公式からファミコンのタイトル画面を模したドット絵のオマージュが投稿されたこともあった。

また、あくまで憶測の域を出ないものの、ED2の展開は「いっき」が延々と続く終わりのないゲームであることのオマージュではないかという話もある。


また、このシナリオで流れるエンディングテーマ「稲の花」はお妙役の藤田咲が歌う曲で、ファンからは名曲として扱われている。


白蛇編集

嵐丸の師匠にあたる不知火の団子鼻に四白眼、白髪、口元を覆い隠す装束等の外見的特徴は、漫画家・白土三平の作品(『サスケ』、『ワタリ』等)に登場する”四貫目”というキャラクターにそっくりである。

第一章のボスと戦う際のマップは、段状に足場が連なる縦方向に長い岩場となっている。これはファミコンのゲームソフト『忍者くん』に登場するマップに酷似しており、こちらが元ネタと思われる。

また、作中技の「微塵転身の術」は1989年にセガより発売された『ザ・スーパー忍』というゲームに登場する「微塵の術」のオマージュ・・・と言うより、「閉所に誘い込んだ敵を自爆に見せかけた爆発に巻き込んで倒す」「自身は爆発の安全圏に身を隠して無傷」といった特徴から「サスケ」等の白土三平作品に登場する「微塵がくれの術」が大元の元ネタだと思われる。

このように「白蛇」は忍者を主人公とした物語であることから、他の忍者作品を意識したと思われるオマージュがいくつも見受けられる。


鬼娘編集

こちらは高橋留美子の漫画『うる星やつら』のオマージュである思われる。

主人公の男が無類の女好き。そんな男のもとに鬼娘がやってくる。鬼娘が男と「恋仲」である勘違いをする。と、出だしの展開はまさにそのものである。

清吉が三白眼なのも、諸星あたるを意識してのものか。PVに見られる遊女からビンタを喰らった清吉の姿は当時の漫画的表現を彷彿とさせる。


なお、配信が予告された物の、遊郭の表現が引っかかったのか配信日が遅れる事となったと言う。


関連イラスト編集

化猫大根義民一揆

白蛇&嵐丸 七夜崇妖魔忍伝女地獄


関連タグ編集

朧村正


外部リンク編集

『朧村正』公式サイト

「元禄怪奇譚」サイト内ページ

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