CV:菊池英博
「悪を憎む勇気と、人を愛する心があれば…君はすべての人を救うことができるんだ」
概要
「ナースエンジェルりりかSOS」の登場人物。
キャラクターデザインと漫画版を担当した池野恋の特徴が最も強く現れたキャラクターで、「ときめきトゥナイト」の真壁俊そっくり。
転校生として森谷りりかの前に現れた。
優秀な美少年で親衛隊がつくられるほど女生徒の人気が高く、本作の主人公である りりかも彼に恋している。
生真面目な性格で、りりかや宇崎星夜を「くん」付けで呼ぶ。
その正体は別の宇宙にあるもう一つの地球・クイーン=アースからの使者。
加納望とは地球での仮の名であり、本名はカノン。
白鳩学園には便宜上りりかや星夜のふたつ上の小学6年生として在籍するが、実年齢は13歳くらいである。
りりかにそっくりなクイーン=アースの王女ヘレナに仕えている。
ナースエンジェルを目覚めさせることと命の花を探す使命を帯びてダークジョーカーに侵攻されたクイーン=アースから脱出し、地球ヘやってきた。
滅亡に瀕した母星の救済だけでなく、姉妹星である美しい地球が同じように害されるのもどうにか阻止したいと切実に思っている。
伝説に従い りりかの10歳の誕生日当日、プレゼントとして本作の変身アイテム・エンジェルキャップの入った宝石箱を贈る。
以降実質ナースエンジェルとしてのりりかの指導者となる。
りりかには正体や本名を明かした後も一貫して「加納先輩」と呼ばれる。
彼がりりかに与える影響はよくも悪くも大きく、彼女は「加納先輩」のためにナースエンジェルを引き受けたほど。
だが、彼はすでに幼馴染でもあるヘレナ王女と恋仲で、彼女一筋である。
その他の設定が原作(漫画)版とアニメ版で異なる。
原作(漫画)版
りりかの誕生日の一月ほど前に転入してきた。
年齢設定は同じだが外見の印象は年齢相応というか、大人っぽいアニメ版よりも幼く、制服は他の男子生徒と同じものを着ている。
気さくで優しく、茶目っ気もある。
地球では子供ひとりで不審に思われないよう、同じクイーン=アースからやって来た両親役の男女と暮らしている。住まいの温室では根分けしたクイーン=アースの命の花を栽培している。
なお彼の本当の父親は大臣で、母親とともに本編中もクイーン=アースにいる。
ミミナ王女5歳の誕生パーティーでヘレナ王女と出会い、そのときに彼女に惹かれ永遠の忠誠を誓った。
アニメ版よりもヘレナ王女の出番が多く、恋人同士であることが丁寧に描かれる。
地球では基本的なことを教えたりエンジェルバトンの改良など、知識と技術でりりかたちをサポートする。
戦闘の場にも駆けつけりりかを助けるが、瞬間移動などの超能力はあるもののアニメ版と違い非戦闘員らしく、無防備な自身を盾にするなど自己犠牲的な行動が目立つ。
クイーン=アース人は基本的に地球の環境に適応できないこともあってサポート役としての自身に限界を感じ、より適任者であると考えた星夜に頼み、彼を仲間に迎える。
なお、原作版のデューイ(※アニメオリジナルキャラクターを原作版に逆輸入)はダークジョーカーではなく、同じ宮廷に仕官するカノンの親友という設定である。
アニメ版
王女姉妹との出会いや彼の両親などバックボーンの設定は原作と共通だと思われるが、アニメ版本編では触れられない。
一人称は基本的に原作版と同じ「ぼく」、公の場では「私」と使い分けている。
りりかの誕生日に転入してきた(ロンドンからやってきたことになっている)。
学園では青が基調で半ズボンの制服を着たほかの男子生徒らに対し、紫のブレザーと濃紺の長ズボンの制服(ロンドン本校のもの?)を通年着ている。
地球では広い洋館に老執事のシオンとふたりで住み、戦いのかたわら命の花を捜索している。
りりかにエンジェルハートカルテやヒーリングペンなどさまざまなアイテムを贈る。
クイーン=アースの戦士カノンとしては、超能力と青い刀身のレーザーブレードを武器にして戦う。
他人の記憶を部分的に消したり戻したりする能力もあり、一般人を巻き込む敵襲の際に重宝する。
原作と違いとっつきにくく、地球の一般人への態度は取り付く島がないほどそっけない(親衛隊長の桑野みゆきに言わせればクールであるとのこと)。
彼はダークジョーカーによく知られているうえ狩りの標的にされており、りりかのいないところでも襲撃され殺されそうになっているので、友好的にできないのは仕方がないと言える。
正義感の強さが原作版以上に顕著で、ダークジョーカーと断固戦う意志と優しさを併せ持つ。
それゆえに「加納先輩」を動機にナースエンジェルを続ける、危機感や自覚にいまひとつ欠けるりりかにときに厳しく接する。
原作版、アニメ版双方の重大なネタバレ
経緯は異なるが原作版、アニメ版ともにダークジョーカーの罠にはまり、緑のワクチンの補給が難しい状況の中、猛毒である黒のワクチンに身体を冒されてしまう。
その果てに りりかの目の前で亡くなり、彼女の心に傷を残すことになる。
彼の死は同時に、彼の意志やナースエンジェルとしての在り方を りりかに強く刻み込むこととなる。
また星夜は彼の遺志を継ぎ、りりかを助け、護るため戦うことをあらためて固く決意する。
- 原作版
病んだ身体をおしてエンジェルバトンの強化アイテムを製作する。
りりかたちがブロスの弟・レギに苦戦する中、戦闘不能状態に陥った星夜をかばって受けたダメージが致命傷となり志半ばで倒れる。
このとき最期の力で廃人のようにされた星夜の意識に呼びかけ目覚めさせたことにより、星夜の中にカノンの意識の一部が残った。
- アニメ版
残された時間で自分がいなくなった後に備え始める。
その一環として、仲間に引き込んだが戦う手段のない星夜に自分の超能力の一部を譲渡したため、戦う力が低下。
ダークジョーカーの襲撃に弱った身体と力で応戦するが、敗北し深手を負わされ、失明してしまう。
さらにブロスに追い詰められ逆上したケトーの猛攻撃により瀕死の状態に追い込まれる。
りりかは加納を救おうとするが、彼は残り少ない緑のワクチンを自分の治療に使うことを頑なに拒み、りりかと星夜に看取られ息を引き取った。
…と思われた。
これ以降の詳細についてはこちらを参照のこと(ネタバレ注意)。