概要
1952年、地方公務員の公立高校教員を辞職して文学座研究所に入る。
1959年に正式に座員となり、『美しきものの伝説』『富島松五郎伝』などの舞台に出演した。1974年に盟友の小沢昭一や山口崇、永六輔らと芸能座を結成した。しかし、1980年に解散し、文学座に戻った。
映画には1953年の今井正監督『にごりえ』に端役で出演したことから始まり、翌年の黒澤明監督『七人の侍』では町を歩く侍役でノンクレジット出演している。1957年の『蜘蛛巣城』における都築警護の武士役や『隠し砦の三悪人』の冒頭部分で壮絶な死にざまを見せた落武者、『悪い奴ほどよく眠る』の主人公の相棒・板倉役など計8作の黒澤作品に出演した。
ほか『仁義なき戦い』シリーズの優柔不断な親分・打本昇役でも知られる。
『犬神家の一族 (1976年の映画)』『悪魔の手毬唄』をはじめとする金田一耕助シリーズでは役名が毎回異なるものの出演している。
テレビドラマでは1970年代にNHKで放映された『警部マクロード』の上司役でのアテレコ、時代劇では『真田太平記』の本多忠勝、『風林火山』の諸角虎定など、歴史上の人物を演じている。
1976年10月から1977年3月まで、TBSラジオのナイターオフ番組『山田二郎ワイドで勝負!90分』の番組内にて『加藤武のラジオ国語辞典』と題するラジオ番組のディスクジョッキーを担当していたこともあった。
映画『釣りバカ日誌』では主人公・浜崎伝助の務める鈴木建設の秋山鉄蔵専務役、リメイク版『日本沈没』では地球物理学学者に扮したほか、2006年に映画『犬神家の一族』が30年ぶりにリメイクされた際には、オリジナル版と同じ役で再登場。
2015年〈平成27年〉7月31日スポーツジムのサウナで、心疾患の発作を引き起こした後倒れ、搬送先の東京都内の病院にて死亡が確認された。86歳没。