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概要編集

副題は『動物学的大幻想曲』。全部で14曲からなり、元来は室内楽編成用として作曲された。

1886年にチェリストのシャルル・ルブークの催すプライベートな夜会で演奏するために作曲された。

元々が内輪ネタのような楽曲だったようで、他の作曲家の楽曲をパロディしたような部分があることから生前のサン=サーンスはこの楽曲を封印していた。

ただし第13曲「白鳥」に限ってはサン=サーンスのオリジナル楽曲であったことから生前に出版していた。


現在ではプロコフィエフの『ピーターと狼』やブリテンの『青少年のための管弦楽入門』と並ぶ子供向けの代表的な管弦楽曲として人気がある。



楽曲編集

  • 第1曲「序奏と獅子王の行進曲」

耳をつんざくピアノトレモロに始まり、弦楽器のユニゾンによる行進が奏でられる。

  • 第2曲「雌鶏と雄鶏」

ピアノと弦楽器でニワトリの鳴き声を表現。

  • 第3曲「騾馬」

ピアノで奏でられる強奏の音階。モチーフはアジアノロバといわれている。

  • 第4曲「

弦楽器のユニゾンでオッフェンバックの『天国と地獄』をスローペースで演奏。

  • 第5曲「

コントラバスの軽やかなワルツベルリオーズの『ファウストの劫罰』から「妖精のワルツ」とメンデルスゾーンの『夏の夜の夢』から「スケルツォ」が重低音で組み込まれている。

  • 第6曲「カンガルー」

装飾の付いた和音が上下して跳ねるカンガルーを表現。

  • 第7曲「水族館」

グラスハーモニカを入れた幻想的なメロディに分散和音のピアノが添えられる。

  • 第8曲「耳の長い登場人物」

のどかなロバの鳴き声をヴァイオリンで表現。サン=サーンスの作品に嫌味な評価を下した音楽評論家への皮肉が込められていると言われている。

  • 第9曲「森の奥のカッコウ」

クラリネットカッコウの鳴き声を表現。サン=サーンスの『ピアノ協奏曲第2番』の第3楽章の一部から和声進行が引用されている。

  • 第10曲「大きな鳥籠」

弦楽器のトレモロの伴奏の上をフルートが軽やかに飛び回る。

  • 第11曲「ピアニスト」

単純なメロディのピアノ練習曲が下手な調子で奏でられる。

サン=サーンスの『死の舞踏』より「骸骨の踊り」の旋律、ロッシーニの『セビリアの理髪師』より「ロジーナのアリア」に加え「大事なタバコ」、「きらきら星」、「月の光」、「シリアへ旅立ちながら」などのフランス民謡が組み合わされる。

チェロ独奏曲として有名な曲で、サン=サーンスが組曲の中で生前唯一出版した曲。

バレエ『瀕死の白鳥』はミハイル・フォーキンがこの曲に振り付けを施した作品。

  • 第14曲「終曲」

軽快な主題に乗せてそれまでの各曲の旋律が登場するカーテンコール。


アレンジ・演奏編集

日本最古の録音は1935年に諏訪根自子がSPレコードで録音した「白鳥」とされている。

日産シルビアS13型のテレビCMにクライズラー&カンパニーによる「水族館」が使用されている。

2016年放送のドラマ『はじめまして、愛しています。』の劇中で、主人公が「白鳥」のピアノソロアレンジを演奏する。

2018年から京王電鉄高幡不動駅の1番ホームと多摩動物公園駅で「序奏と獅子王の行進曲」と「象」を接近メロディとして使用している。


↑「音楽ファンタジーゆめ」でも紹介された。

みんなのトラウマ作品の一種

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