北勢線
ほくせいせん
西桑名駅(三重県桑名市)から阿下喜駅(同県いなべ市)までの20.4kmを結ぶ鉄道路線。国内では数少ない762mm軌間(ナローゲージ)の単線路線である。
1912年に北勢鉄道が設立され1914年から順次延伸された。最後の六石〜阿下喜は山岳地帯の難工事の末1931年全通を果たした。1940年に戦時統合により強引に三重交通と合併させられる。1961年に桑名京橋〜西桑名廃止。紆余曲折の末1965年から近鉄北勢線となった。
近年になるとかつての黒字路線から一転して路線の累積赤字が進んだため、2003年4月1日に近畿日本鉄道(近鉄)から三岐鉄道に運営が移管されている。三岐鉄道へ移管後、高速化のため駅の移設・統合・廃止や線路の曲線改良を行った。
車が無いと生活に不便な地域のため、星川や大泉など一部の駅には無料駐車場、無料駐輪場が存在している。
国内では数少ない762mm軌間の鉄道路線であるため、車両も特殊なうえ吊り掛け駆動である。2015年4月からは車両の行先表示器がLED化された。
メインイラストにもあるように黄色の塗装で知られる。ただ、路線の通る桑名市・いなべ市・東員町などをホームとするヴィアティン三重を応援し、チームカラーである黒とオレンジに塗装された車両も近年存在する。
まだその準備のための改造が進んでいる、というだけであるが、最高速度の70km/hへの引き上げが計画されている。
この速度は、かつて日本領だった時代の朝鮮半島(「朝鮮鉄道」という私鉄の「黄海線」)や戦後の台灣(台東線)において、762mm軌間の鉄道が日常的に出していた速度(75km/h)を少し下回ることから、実績があり技術上の問題がない、と判断されたものである(黄海線に至っては蒸気機関車が出していた速度である)。
主要な改造項目は、弱め界磁段の追加、ATSの改造、信号機の改造(3位式2現示→3位式3現示)。