北岬沖海戦
きたみさきおきかいせん
1943年12月26日、ノルウェー北部のマーゲロイ島ノールカップ(Nordkapplatået)沖でドイツ海軍とイギリス海軍との間で行われた海戦。
ノールカップ(Nordkapplatået)は英語で「North Cape」。
→ 詳細は「wikipedia:北岬沖海戦」を参照
12月25日、戦艦「シャルンホルスト」を旗艦とするドイツ艦隊が、イギリスからソ連へ向かうJW55B船団の攻撃のためアルタ・フィヨルドを出撃。
12月26日、ドイツ艦隊の司令官エーリヒ・バイ少将はJW55B船団の北西に回り込んだと考え、麾下の駆逐艦を全て索敵に向かわせたが、JW55B船団はドイツ艦隊の更に北西を航行していたため、「シャルンホルスト」が裸になってしまった。
9時26分、JW55B船団を護衛するフォース1の巡洋艦群は「シャルンホルスト」を探知すると、距離13,000ヤードから砲撃を加え、重巡洋艦「ノーフォーク」の砲弾がレーダーを破壊した。
「シャルンホルスト」は北へ離脱し、尚も船団攻撃を狙うが、ソ連からイギリスへ向かうRA55A船団を護衛していたフォース2も、応援のため駆逐艦4隻をフォース1に合流させた。
12時10分、フォース1の巡洋艦群は11,000ヤードから「シャルンホルスト」を砲撃するが、反撃を受け「ノーフォーク」の主砲塔とレーダーが破壊された。
バイ少将は船団攻撃を諦め、「シャルンホルスト」は南東へ引き返す。
16時50分、「シャルンホルスト」が東進してきたフォース2に捉えられ、12,000ヤードから戦艦「デューク・オブ・ヨーク」の砲撃を受ける。「デューク・オブ・ヨーク」に進路を塞がれた「シャルンホルスト」は北に離脱しようとしたが、そちらからもフォース1が迫っていたため、東へ向けて逃走した。
18時20分、「シャルンホルスト」の反撃で「デューク・オブ・ヨーク」はレーダー・マストに被弾し、修理のため一時速度を10ノットまで落としたため、「シャルンホルスト」との距離が21,000ヤード以上に開いた。
逃げ切れるかと思われた矢先、大落角で落ちてきた「デューク・オブ・ヨーク」の砲弾が「シャルンホルスト」の装甲を貫通し、缶室を破壊した。
速度の落ちた「シャルンホルスト」に対し駆逐艦「ソーマレズ」、「サベージ」、「スコーピオン」、「ストール(ノルウェー海軍)」が肉薄して雷撃を加え、魚雷4本が命中。航行不能となった「シャルンホルスト」は魚雷11本と無数の砲弾を浴びる。
19時45分、「シャルンホルスト」が沈没。イギリス海軍が救助に当たったが、生存者は36名のみ。