「母親が生きてると思ったのかい? 生きてるわけがないんだよ。 だってアタシが殺したんだからね!!」
CV.山田栄子
概要
『天外魔境Ⅱ』に登場するキャラクター。
根の一族の将軍で、安芸の国の白銀城城主。策謀に長けていて、冷酷無比な性格の女性。部下に百貫丸がいる。
名前の通り、相手を氷漬けにするなどの氷系の攻撃が得意。殺した人間の顔面の皮を剥がし、自らの顔面に貼り付けることで他人に化けることができる。
能力や性格からして悪評高く、吹雪御前のことを知る天狗(吉備南部半島にいる富士の巻物を渡してくれる天狗)も「あの女と顔合わせずに済みゃあ、それに越したことはねぇが、えげつねぇんだ、この姉さんはよぉ…。人間の心の弱みとか隙をかぎつけるのだけを生きがいにしている女でよぉ。この手の女に限ってまーた他人に化けるのがうまくてなぁ。そりゃ、まあ、うめえはずだよ…。化けたいと思った奴を殺してよぉ、そいつの顔の皮引っぺがして被りやがんだからな…」と吹雪御前の陰険悪質さを話して警告していた。
人間に化けて軍勢を率いて大江山を制圧したときは、戦いの後、吹雪御前が鬼の肉を食べていたと村人が話していたことから、同族喰いもする怖い女性。
昔、卍丸の父を殺害した張本人であり仇。吉備北部にいる天狗(神炎の巻物を渡してくれる)が「あんたの親父さんは吹雪御前の罠にはめられて氷漬けにされて殺られたらしいぜ…」と話していて、卑劣な策略を用いたと思われる。
さらに、軍を率いて大江山に攻め込んで、絹の両親(酒呑童子と綾姫)を殺害しただけでなく、綾姫の顔面の皮を剥がして自らの顔面に貼り付けることで綾姫に化け、卍丸たちを罠にかける。
卍丸たちが百貫丸を倒した後、絹と綾姫を助けようとした卍丸たちを氷漬けにして、驚く絹に綾姫を殺したことを告白して正体を現す。騙された絹を嘲笑して、氷漬けにした卍丸もろとも殺してやると豪語するが、怒りに駆られて鬼の力を解放した絹に片腕を引き裂かれて、彼女の力に圧倒される。恐怖のあまり狼狽して命乞いし、卍丸に助けを求めるものの、容赦なく殺害された。
根の一族の将軍としては、ボス戦闘はない唯一の城主。
エンディングの絹のシーンでは背景のモブキャラに混じって、改心して生き返った吹雪御前の姿が見られる。これは恐らく、命乞いをして改心することを口にした吹雪御前を償いの余地も与えずに容赦なく殺したことを悔やんだ絹が不憫に思って、マリに生き返らせてくれるように願ったからと思われ、絹が心優しい性格であることがうかがえる。
髑髏譚では
2021年2月11日発売の『天外魔境I・II架話 髑髏譚 -SKULL TALE-』ではヒロインとして登場。ゲームとは設定が違っている。
人間で姉小路家の姫。名前は姉小路雪。しかし、家が落ちぶれて古市の女郎屋に売られていたところを、雪が持つ力を見込んだ阿観によって買われた。その後、阿観によって「明妃」となるべく修行を受けるが、その過程で、阿観を「髑髏本尊」にしてしまう。髑髏となった阿観と行動を共にするうちに、幻王丸や三博士と出会い、ネの一族再興に協力することになる。
戦闘では、茶吉尼の術を使い、髑髏本尊となった阿観を通して「空行母(八人の茶吉尼)」を呼びだして戦う。
周りからは「雪姫」と呼ばれていて、やがて肉助と表向きに結婚して、「吹雪」という偽名を名乗るようにもなる。
身をかえりみることのない物怖じしない態度の持ち主。一人称は『わらわ』。名門の姫だっただけにプライドも高いが、礼を尽くす相手には礼儀正しくふるまう謙虚さも持ち、敵にひるまず立ち向かおうとするなど気丈な性格。
恋愛面では、自分が惚れた相手を心底愛する一途さを持つが、一方で独占欲が強くかなり嫉妬深い。幻王丸に興味津々な花梨に「これはわらわの殿じゃ。娘、色目を使うでないぞ」と釘をさしていた。
花守である卍之介に想いを寄せていたことがあり、今も特別な存在。卍之介とは過去に肉体関係を持ったことが『【第二期】あだちひろし・辻野芳輝 奇想天外話8』で明かされている。そのため小春と結婚した卍之介を「(卍之介は)わらわを捨てた男じゃ!薄情者!卑怯者!浮気者!臆病者!」と我を忘れて激昂して罵るなど、心底恨んでいる。酒呑童子を訪れた卍之介が綾姫と普通に話しているのを遠くから見た雪姫はそれだけで嫉妬に怒り狂って、肉助たちに「あの女に聞きたいことがある!連れて来やれ!」と綾姫を連れてこいと命じるほどの嫉妬深さを見せていた。
作中、ほとんどのネの一族の男性と閨を共にするなど、かなりのヤリマン。雪姫とセックスした者は、雪姫に吸い殺されてミイラ化して死んでしまうこともある。しかし、その美貌と肉体のため、男性陣から慕われていてとてもモテモテである。
また相手が誰であろうと果敢に戦いを挑む姿に、男性だけでなく、ネの一族の女性たちからも尊敬されている。
余談
『あだちひろし・辻野芳輝 奇想天外話』第二回では、『髑髏譚』で吹雪御前がヒロインとして抜擢された理由が語られている。天外Ⅱは絹と吹雪御前の因縁の物語であり、白銀城のシーンが物語のクライマックスに該当すると解説されていた。