『夜桜の歴史も存在も 全て消え去ったとき私はやっと 「初代夜桜当主」から解放される ただの「夜桜つぼみ」になれる…』
CV.ゆかな
概要
皮下の回想にて初登場した初代夜桜当主、そしてタンポポの創設者である。第二次世界大戦当時に日本政府の指示のもと、夜桜の血の軍事利用のため皮下によって研究対象にされていた。
人物
容貌は六美と瓜二つであるが、大きな違いは髪の色。六美が前髪の一房のみ白くなっているのに対し、彼女の髪は反対に一部を除いて真っ白になっておる。そして左半身からは桜の枝と花が直接生えて、もしくは刺さっており、儚げながら不気味な印象を持たせる。
子女は二ノ前御前一人だけで生涯別居していたと言う。
軍によって長年幽閉されまともに情報も入ってこない状況で暮らしていたらしく、外の状況も碌にしることができない日々を送っていた。また幽閉される前の、夜桜当主としての日々も決して満足するものではなかったらしく、注目され崇められもてあそばれる日々を忌諱し、普通の存在になることを望んでいた。その願いの強さは目的の為ならば自身の子孫すら犠牲にすると明言するほど。そしてそれを実行するためにタンポポを設立し、夜桜家の当主を狙い続けてきた。
その一方でつぼみの"良心"は時に、自らが分けた"血"を介して太陽に働きかけており、自らが決して許されない外道の道を進んでいる事や、そのために子孫を食い潰している事に自身も苦しみ悲しんでいる事を教え、これをもって「私を殺して欲しい」と乞うている。そのため「タンポポを創設し夜桜を我欲で食い潰そうとする本体」の人格と、「夜桜家の全てを慈しみ子どもたちの自律を促す母」の人格が分裂している旨がうかがえ、一種の二重人格状態にある可能性がある。
凡人として生まれてくる現代の当主とは違い、彼女の周囲の花は水を与えずとも枯れず、彼女自身も至近距離で小屋が吹き飛ぶ規模の爆発を食らい無傷ですむなど、明らかに当主とは思えない能力を有している。
また、歴代当主達と違い制限なく無限に血を分け与える事ができ彼女の血を貰った者は不死身の怪物と化す。
つぼみ自身は不死身だがその肉体には不死鳥のように限界があり「桜の根」を日本全土に伸ばしどこぞの人造人間のように人間のエネルギーを吸収して生き長らえている。六美の白髪は実は彼女が植え付けた桜の根である。
現在は桜の木に埋まる形で身動きが取れなくなっており百によって利用されている。肉体からソメイニンで構成された「桜坊(さくらんぼう)」を産み出している。百の遺伝子はつぼみと全く同一だが理由は不明。
関連タグ
※ 以下、ネタバレ |
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どんな大樹であろうと、いつかは枯れます
枯れるべきなのです
この力は私から全てを奪いました
日常も安らぎも、愛する(優しい)父上さえも
もう…たくさんです……!
───現代より300年近く昔のこと
『神の子』の少女は生まれた───
夜桜の始まり(ネタバレ)
※ 以下、単行本19巻のネタバレ
母親の命を対価に生まれ持った、少女のその力は
彼女が手をかざせば傷は消え病は癒え枯れ草も茂った
多くの命が救われ、地が命の喜びに満ちる事は、彼女の幸せでもあった
その姿を見守ってきた、彼女の父である医者は願った
「地に生きるあらゆる命に、もっと多くの救いを」
医者は、その自らの願いを自己犠牲をも厭わぬ誰よりも高潔な願いと信じて
自らの娘から連面と続いてきた子孫たちを「救いを求める人々のために」「人類の未来のために」自らの研究へと捧げてきた
そして父娘は、時の天子より多くの命を救った事を讃えられ「夜桜」の姓を賜る事となった───
「教えるためです。夜桜家の敵が『誰』かを」
「百と零が『誰』と戦っていたのかを」
「いずれこの子らが」
「父上を滅ぼすでしょう」
「夜桜つぼみ」は「何者」か?
つぼみが夜桜の姓を貰い”夜桜つぼみ”となって三百年程が経過している。
しかし、ここで疑問が生じる。
そもそも、つぼみはどうしてそんな異常な力を持ってしまったのか?
黒幕とされていたつぼみであったが、ならば彼女の両親はどんな存在だったのか?
つぼみは、なぜ「夜桜家」を興したのか? なぜ自らがそのトップに君臨し続けず「タンポポ」という敵対組織を建てるに至ったのか?
さらに、つぼみはなぜ「普通」になりたかったのか? つぼみが解放されたいと願った「初代夜桜当主」の「宿命(宿業)」とは何か?
つぼみの行動にはあまりに矛盾が多く、謎は深まるばかりだったが…
その答えの一端は「作戦165.旦」(19巻収録)で明かされた。
生まれた時に母親が亡くなってしまった、突然変異の力を持つ娘。
つぼみに宿った突然変異の力を解き明かし、その力を人々のために使う野望を抱いた父親によって、肉体はおろか人生も心も壊されてしまった毒親の被害者。
そして自らの産み落とした子どもたちに欠片でも未来を残すために、その子どもたちの一人(二ノ前御前)だけでも生き延びさせるために、毒親と化した自らの父に、それゆえに自己犠牲を以て服従をせざるを得なくなってしまった哀しき母。
それがつぼみの正体であった。そしてその父親が本当の意味での全ての元凶である。百は、彼のクローンのような存在である。
以降の詳細は父親の項目を参照(ネタバレ注意!)。