「自分さえも疑うべきこの世界でも 唯一信じられるものがある それが俺達家族だ」
概要
江戸時代のスパイ一家であり、一族の人間は皆超常的な能力を持っている。唯一、一世代に一人生まれる「当主」のみそういった能力を持たないが、その当主の子供は次の当主を除き全員夜桜らしい超常能力を持って生まれる。そのため夜桜家は才能を継ぐ当主を才能を持つ家族が守ることで繁栄を続けてきた(ちなみに作中で判明している当主は全員女性である)。そのネームバリューはスパイ業界でも屈指であり、口コミサイトの評価も常に一位。
家内ルールは家庭内殺人禁止の一つのみ。夜桜家の人間は『桜の指輪』という二重構造の指輪を持っており、これを相手に渡すことで結婚が成立する。この指輪は特殊合金でできているうえ帯電性であり、データの取り出しなども行うことができる。
実は、ただ単にスパイ業を請け負っている一家、というだけではなく「ナイトチェリー」という国際的な情報投資を業務とする企業グループをフロント(カモフラージュ)に抱えており、そちらの運営は先々代当主(当代一家の祖母)の夜桜京子が担当している。(要は現代の夜桜家自体が国際的情報投資会社の創業運営者一族でもある)
「ナイトチェリー」自体は表社会にも裏社会にも投資するグレーゾーンな企業体のため、裏社会の一部では警戒もされがちだが、その旗下には酒造会社(夜桜酒造)や繊維企業(夜桜製糸)など真面目な表の世界で活躍している企業もある。そのため夜桜家自体にもスパイ業に依らない「まっとうな収入」もあったりする。
血族にある者は、その血液に特殊な特徴を持っている(後述)。そのため血液型は両親と関係なく全ての型から子供が生まれる(現実ではありえないO型同士の両親からA型の子供が生まれる等)。また、血族間における輸血に関しても血液型クロスマッチによる拒絶反応が起こらない(A型にB型あるいはその逆、またO型にそれ以外の血液、といった現実ならば死亡案件となる危険な輸血が可能)。
夜桜家の人々
10代目当主。前髪の一部が白いメッシュになっているのが特徴。
スパイの才能は持っていないが性格は優しくまっすぐ。
六美の夫。六美の幼馴染であり、彼女を守るために結婚した。
一般の家の生まれではあるが、厳しい訓練や任務を経てスパイとして成長していく。
夜桜家長男。あらゆる面において一家で最も優秀な人物だが、病的な六美好き。
鋼蜘蛛という糸状の専用武器を扱う。
夜桜家長女。少女のような見た目だが二十歳であり、ろくでなしの兄に代わり一家を纏める立場。
合気と柔術の達人であり、夜桜式柔術「しだれ組手」を使う。
夜桜家次男。マッシブな体格だがヘタレ。
武器のスペシャリストであり、常に武器を持ち歩き、時には武器の改造も行う。
夜桜家次女。ルーズな服装に違わずズボラな性格。
ハッキングの達人であり、プログラムをゲーム化し攻略するという独自のスタイルが特徴。
夜桜家三男。何事も楽しむことを第一とする楽天的な性格。
変装の達人であり、身内すら見抜けないほど精緻な変装が可能。
夜桜家四男。兄弟一の体格とバケツを被った外見が特徴的。
薬品のスペシャリストであると同時に、猛毒の無力化や体形変化可能な異形の身体を持つ。
夜桜家の飼い犬。大神犬という犬種であり、御年100歳以上のトンデモ犬。
普段は小型犬のような大きさだがサイズは可変。
9代目当主。六美たちの母親。4年前にタンポポによって殺害されている。
零の夫であり六美たちの父親。母と同様既に亡くなっているはずだったが…
六美たちの祖父。自由奔放な性格で、刑務所で任務についているが時々脱走する。
「脱関節術」と「軟骨格」でどこにでも潜り込むことができ、膨大な情報を収集している。
8代目当主で六美たちの祖母(万の妻)。普段は世界を飛び回り仕事をしている。
太陽と六美にゾッコンなあまりメイドになったスパイ。
針を使った暗殺が得意だが、ヤンデレストーカーサイコパス。
暗殺組織「タンポポ」の元幹部である幼女。
タンポポ壊滅後に夜桜家に引き取られ、一家の面々(特に太陽と六美)からは非常に溺愛されている。
太陽と六美の双子の息子。
太陽と六美の双子の娘。
屋敷
- 屋敷全体
屋敷の内部は訓練用のトラップが至る所に仕掛けられており、起床時や食事の際ですら油断できない。
また当主権限で屋敷全体を封鎖する「冬ごもり」という機能も存在し、これが発動すると屋敷からの脱出及び侵入が不可能になる。
- 太陽の部屋
元客間を利用している。本人は特に趣味がなく他の兄弟ほど特化した分野もないためフツーの部屋。
- 六美の部屋
当主の部屋は一番広く、狙われて外出できないことが多いため、ストレス発散の読書やピアノ、ヴァイオリンに油絵など屋内でできる趣味が揃っている。そして絵にはストレスの原因が如実に表れている。
- 凶一郎の部屋
全面六美の絵でビッシリ。しかも勝手に絵を飾らない約束らしく、六美に部屋を見られて後はお仕置きとして落書きがされた。ちなみにこれらの絵は寝室などへの入り口の仕掛け扉になっている。
- 二刃の部屋
兄弟の中では最も部屋の描写が少ないため詳細は不明だが、アンティークな家具が並びながらもハート型のクッションもあるなど二刃の家長らしさと乙女らしさが表れている。
- 辛三の部屋
大量の武器が備えられている。しかも銃などだけでなく戦車まであるほどの重装備っぷり。また武器の開発や調整を行う作業部屋もある模様。
- 四怨の部屋
正面に巨大なディスプレイ、他にも複数のPCディスプレイ、大量のゲーム機とソフトが揃っており、部屋全体が暗くなっている。たまに兄弟たちを引きずり込んでゲーム大会を開くことがある。
- 嫌五の部屋
端的に言えば汚部屋。変装に使う服やウィッグ、被り物の他にも、任務の報告書や手榴弾などあらゆるものが散らかされている。ついでに嫌五本人は「肌休め」と称して全裸でくつろぐこともある。
- 六美見守ルーム
凶一郎が六美を見守るため家中の隙間に設けた空間。六美に近寄りたいがために1ミリでも壁を薄くしようとした結果、天井に居ると壊れやすくなってしまった。
- 七悪の部屋
研究室も兼ねており、迂闊に侵入すると毒ガスで死にかねないためガスマスクは必須。
- 庭
庭にはトラップは仕掛けれていないが、ゴリアテが侵入者を排除しているため警備は万全。夜桜兄弟の花も植えられており、品種改良と特殊な土壌によりほぼ一年中開花を楽しむことができる(太陽の花も結婚後植えられた)。
夜桜の血
夜桜家の超常的な能力の源は、その血に含まれるタンパク『ソメイニン』によるものである。夜桜兄弟は先天的にこれを持っているが、当主は一度だけ、自身の血を他人に渡すことで同じように超常能力を授けることができる。ソメイニンは全身の細胞を活性化させあらゆる能力を強化するが、それに耐えられず暴走状態に陥ることもある。特に当主の心臓はこのソメイニンの生産工場であり、ソメイニンの製造を目論むタンポポは当主の心臓を狙っている。
ソメイニンによって極限まで身体が強化されると、開花と呼ばれる能力が発現する。この段階に至ると、両目に桜模様が浮かび、本人の元々持つ能力、そして人物像を反映した能力を発現する(のらりくらりとした万なら「通過」、他者・特に六美を守る事を第一とする太陽なら「硬化」、といった具合)。
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夜桜家誕生の真相
本編から300年前の江戸時代中~後期、蘭学医の旦には一人の娘がいた。娘が手をかざせば傷は癒え、病も治り、枯れ草は青く繁る不思議な力を持って生まれた。
髪や爪を煎じて飲めば疫病の特効薬に、指の一部を砕いて粉にすれば一騎当千の腕力を、腕であれば失った四肢を取り戻し、目を煎じれば瞳に光を取り戻し、心臓のひとかけらを飲めば寿命が100年延びる。
その評判は当時の帝に届き、調停を影から支える一族として「夜桜」の姓を賜った。明治維新から約30年後の1895年に当時の天皇から独立したのが今の夜桜家である。