作品解説
石原プロモーションが初めて本格的にテレビドラマ制作を手掛けた作品で、全3シリーズが制作された。渋谷地域を管轄する警視庁の「城西警察署」管内が主な舞台である。
主演は渡哲也。主に渡演ずる黒岩刑事が事件を解決し、石原裕次郎演じる理解者(新聞記者だったり医者だったり)がそれをサポートするドラマである。
渡哲也演じる黒岩刑事が主人公である部分は共通しているが、各シリーズ毎にほぼ完全に独立した世界観を構築しており、作品カラーも大きく異なるのが特徴である。
日本テレビは「大都会 PARTⅣ」、「新・大都会」などの題名で続編の制作を依頼したが、石原プロモーションは同時期にテレビ朝日から直接契約という破格の条件で刑事ドラマの製作を依頼され、当時の財政事情などから後者と契約を結んだため大都会シリーズは終了となった。
本作について、幾つかのエピソードの脚本を担当した脚本家の柏原寛司は「刑事モノとして一番優れているのはPARTⅡ」、「PARTⅢは日本の刑事モノでもアメリカ映画に近い作品」とコメントしている。
特に大規模な爆破やカースタント、それに銃撃戦に力を入れた『PARTIII』の設定・キャストは、後にテレビ朝日系で放映された『西部警察』にも引き継がれている。
PARTⅡ
第2作。舞台を捜査四課から捜査一課へ変更し、内容もアクション物への路線変更を行った。
今作より黒岩刑事は捜査課の刑事をまとめるリーダー的存在となり、石原裕次郎は新聞記者から凄腕の外科医へと役柄が変更になった。また、続投の役者も一部は前作と役柄が異なったりしている。
本作は渡哲也と石原裕次郎の他に松田優作の3大スターの共演作として知られ、松田のキャラ性によるコメディの要素を取り入れたアクションドラマの先駆けにもなった。
登場人物
警察
- 黒岩 頼介(渡哲也)- 愛称「クロさん」「デカ長」
- 徳吉 功(松田優作)- 愛称「トク」
- 丸山 米三(高品格)- 愛称「丸さん」
- 大内 正(小野武彦)- 愛称「坊さん」「坊主」
- 上条 巌(峰竜太)- 愛称「サル」
- 平原 春夫(粟津號)- 愛称「ヒラ」。第13話にて殉職。
- 神 総太郎(神田正輝)- 愛称「ジン」。第14話から登場。
- 宮本 兵助(苅谷俊介)- 愛称「弁慶」。第14話から登場。
- 吉岡 務(小池朝雄)- 初代捜査課課長。第10話にて殉職。
- 武井 勉(小山田宗徳)- 2代目捜査課課長。第11話から登場。第31話にて他部署へ転属。
- 山本 清理(滝田裕介)- 3代目捜査課課長。第32話から登場。
- 友田 育子(仙山久美)- 初代事務員
- 千田 幸子(美田麻紗子)- 2代目事務員
- 深町 行男(佐藤慶)- 城西署次長
渋谷病院
- 宗方 悟郎(石原裕次郎)- 外科医
- 吉野今日子(丘みつ子)- 看護師
- 梶山保(玉川伊佐男)- 院長
- 佐伯たつ(今井和子)- 婦長
- 三田典子(舛田紀子)- 看護師。愛称「チビ」「ノンちゃん」
- 三枝浩(森正親)- 宗方の助手。
他
- 黒岩恵子(仁科明子)- 黒岩刑事の妹
- 久松みどり(佐藤オリエ)- 小料理屋「松ヶ江」の女将。
- 佐川道子(白川望美※現 志麻いづみ)- 「松ヶ江」の手伝い。
- 川島功(武藤章生)- 新聞記者
PARTⅢ
第3作。アクションとバイオレンス描写を前面に出した作品であり毎回必ずといっていい程カーチェイスや銃撃戦が行われる。
警察側の装備でS&W M29などの大口径拳銃やショットガンが登場したり、犯人がアサルトライフルやサブマシンガンで武装するなど後の西部警察に近いスタイルとなった。第1話からバズーカを東京で乱射するという凄まじさである。
全3シリーズ中最高の平均視聴率をマークしている。
全55話予定であったが、終盤にて石原プロが西部警察の制作準備に入ったため、話数が49話に短縮された。
登場人物※続投の役者の愛称は同じなので省略
警察
- 黒岩 頼介(渡哲也)
- 牧野 次郎(寺尾聰)- 愛称「ジロー」
- 虎田 功(星正人)- 愛称「トラ」
- 丸山 米三(高品格)
- 大内 正(小野武彦)
- 上条 巌(峰竜太)
- 宮本 兵助(苅谷俊介)
- 加川 乙吉(高城淳一)- 捜査課課長
- 清水 英子(大森不二香)- 事務員
渋谷病院
- 宗方 悟郎(石原裕次郎)
- 三田典子(舛田紀子)
- 佐藤リエ(美田麻紗子)- 看護師
- 白井智子(青木英美)- 看護師
他
- 戸倉綾子(金沢碧)- 新聞記者
- 原田 源二(森正親)- 小料理屋「五万石」の板前。愛称「源さん」
- みっちゃん(志麻いづみ)- 「五万石」の店員
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