中華人民共和国の華北地方にある山西省の省都。内陸にある盆地によって開けた拠点都市であり、汾河という黄河の支流沿いに位置する。周辺には湖も多い。
概要
かつては華北地方随一の経済中心地として知られた都市でもある。また、周辺には炭鉱が多く、豊富な水資源を活かした鉱工業が繁栄したが、大戦後、海外貿易が盛んになると国内の商業、経済中心地が上海を初めとする沿岸部に、さらに華北の経済中心地も交通に至便な北京などにシフトしたことで社会的な地位を失っていき、市況は停滞した。加えて石炭火力発電所や製鉄所などによる大気汚染も深刻化し環境悪化した。
昨今では環境対策に注力し、2020年にはエネルギー産業国際博覧会を開催(コロナ禍で規模縮小)。主力の製鉄業やアルミニウム精錬業では最新鋭の電炉を導入したりしている。また、交通網が整備されると山西省の中心都市として拠点性を高めるとともに、かつて山西商人が幅を利かせたことから商業に力を入れている。外資系の小売業も積極的に誘致し、ウォルマートなどもある。
また、観光にも力を入れ歴史のある寺院のほか、刀削麺、猫耳麺を初め麺類の本場として観光客向けの施設や屋台などが数多く軒を並べている。
歴史
2500年の歴史を持つ古都でもあり、古くは晋陽と呼ばれ北方民族に対する漢民族の攻守の要として、一帯の要害地として繁栄した。また随の時代にもなると太原は北都や北京(今の北京とは異なる)と呼ばれ、長安、洛陽に次ぐ第三の都市として知られるほどだった。
明から清の時代になると山西商人が大いに幅を利かせ、国内における商業、金融の中心地にもなる。その後は歴史に翻弄され浮き沈みを繰り返し、今に至っている。