概要
彗星の別称。
古来より、彗星は大乱や国の滅亡、災害、疫病といった出来事を予告する凶兆と信じられ、人々に恐れられた。
不吉なものと認識されており、彗星が目撃されると陰陽師や寺社が加持祈祷を行ったり、1145年に出現したときには、天養から久安に改元がなされている。
古典『太平記』(相模入道弄田楽并闘犬事)に、天下が乱れる予兆として登場する。
- 鎌倉幕府最後の執権・北条高時が酔って田楽を踊っていると見知らぬ田楽法師たちが現れ面白い歌舞を演じた。途中から歌の詞が「天王寺のや、妖霊星(ようれいぼし)を見ばや」と変わり、官女が障子の隙間から覗いてみると田楽法師と思っていたのは烏天狗であった。驚いた官女が人を遣って安達時顕を呼ぶと烏天狗たちは姿を消した。後に南朝の儒者・藤原仲範はこの件について「天王寺は初めて仏教が興隆した場所であり、聖徳太子が未来記を記された。『天王寺のや、妖霊星を見ばや』とはおそらく天王寺の辺りから天下動乱が起きて国家が滅亡するという事であろう」と語った。
創作上における扱い
厳密には妖霊星と呼ばれていないものも存在するが、便宜上こちらに記載する。
ラヴォスを参照。
渋谷に隕石が落下し、その内部より虫に似た怪物「ワーム」が大量に出現、人間社会に潜伏している。
作中においては「500年周期で地球に接近する彗星」とされていたが、その正体は超巨大な妖怪・妖霊蝶であり、その内部にも無数の妖怪が潜伏している。
作中では3度の接近(平安時代、戦国時代、令和)の場面が描かれている。