妖魔一族
ようまいちぞく
鬼忍毒斎が率いる悪の忍者集団。山地闘破ら戸隠流忍法一門にとっての宿敵である。
かつて毒斎は戸隠流の忍者だったが、世紀の秘宝パコを独り占めするという邪な考えを起こし、その在り処を示したボードを奪おうとして山地哲山と争いになり、その際真っ二つに割れてしまったボードの片割れを持って姿をくらました。
その後、彼は仲間を集めて妖魔一族を結成。哲山が持つボードの半分を奪い、パコを手に入れるべく奸計を巡らせている。
そして妖魔一族は、世界に名だたる犯罪組織として、世界忍者の間でも悪名を轟かせるようになった。
テロ活動、誘拐、脅迫、財宝の強奪など、ありとあらゆる悪事に手を染めている上に、磁光真空剣でバラバラにされた音忍宇破を蘇らせたり、戦死した妖魔特殊忍者群5人の忍法全てを使えるサイボーグ忍者・風忍馬風破を誕生させるなど、驚異的な科学・医療技術も保持している。
世界各国の名だたる世界忍者達と手を組み、利用し合い、裏切られたりなどの暗闘も繰り返しつつ、パコを手中に収めた暁には、その力で世界を支配しようというのが最終目的である。
「世界忍者戦ジライヤ大百科」(ケイブンシャ刊)の出演者インタビューで、毒斎の声を演じる飯塚昭三氏はこのように語っている。
「妖魔一族というのは、そんなに大きな組織じゃないんでしょうね。
ぼくが率いた組織のなかで、一番小さいんじゃないかな(笑)」
数々の特撮番組で悪の首領を演じた飯塚氏にかく言わしめる程、ぶっちゃけ妖魔一族は特撮屈指の零細組織である。
構成員は頭領・頭領の娘・若頭・下忍3名のみ(後に客分として妖忍クモ御前が加入)。下忍のカラス天狗も度々斬られたりするが、翌週には何事もなかったかのように揃っていて、増えもしなければ減りもしない。むしろゲストの世界忍者の方が、多くの手下を率いていたりする。
また、これも正直言って予算の都合なのだろうが、アジトが存在しない。公園などに勝手に陣幕を張って篝火を焚き、毒斎が厳めしく振舞う場面が何度かあり、他にもディスコ、日本丸メモリアルパーク、東京タワーの展望台などで密談をする事もあって、「毎度おなじみ流浪の組織」と揶揄される事も。
しかし元々低予算で、アクションと世界忍者達のユニークなキャラクターを売り物とするこの作品において、画面に見える範囲であれこれツッコむのも野暮というもの。組織に直接所属していないだけで、外部に有力な協力者が多数いる事は匂わされているし、アジトの問題も「ジライヤ大百科」では「アジトが一定していないのは、悪の作戦の遂行に都合のよいところに、その度ごとにアジトを設けて暗躍しているため」と説明されている。その一方、一部書籍では「日本の某所に本拠地を持っているが詳細不明」との言及がなされている。
自ら先頭に立って行動するアクティブな頭領がいれば、幹部は2名、戦闘員も3名いれば十分。そのカラス天狗も、画面の外にはかなりの数がいるかもしれない。妖魔一族とはこうした想像力をフルに働かせてそのスケールを妄想する、ある意味もっとも特撮にふさわしい悪の組織なのであろう。
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vs鬼忍毒斎(世界忍者戦ジライヤ)
今回は久しぶりの『ジライヤ』から、妖魔一族のボスです。終盤の巨大版はわけてます。1話から色々暗躍してるんですが、強さよりも忍者らしい抜け目の無さと零細企業ぶりが印象的です。4,161文字pixiv小説作品