担担麺
たんたんめん
担担麺とは、少量の麺に山椒(花椒)の辛みを効かせた挽肉と細かく刻んだザーサイを乗せた四川料理の油そば。
元々はご飯茶碗程度の小さな碗に入れて売られる事が多く、一杯あたりの量は少ない。
麺も一般的に鹹水は使わないストレートの細麺である。
日本では山椒の辛さを抑えて、ラー油と芝麻醤を効かせた、たっぷりしたスープと麺を、大きな丼に入れて供する汁麺式の方がメジャー。これは油そばに馴染みの薄い日本人向けに、日本に麻婆豆腐を紹介した陳建民が開発したものと言われている。
それゆえ本場式の担担麺を「汁なし担担麺」と呼ぶが、発祥を考えるとあんまり正しい呼び方とは言い難い。(因みに広島市では2001年に本場・四川で修業したラーメン店主が「汁なし担担麺」を売り出してから専門店が多くでている。)
逆に日本式を「汁あり担担麺」と呼ぶ人やところもある。こちらは担担麺の定義が決まっていないこともあってか、店などの違いによって具材や味付けがかなり変わってくる。
日本の汁あり方式は本場にも逆輸入され、汁麵を丼に盛り付けるスタイルはそのままに、さらに花椒など大量のスパイスを利かせた先祖返り型が登場。これが日本に再々輸入されるというカオスな事態になっている。
「担」の文字を使われている理由として、この料理が元々屋台料理であった事が由来とされている。
ただ、日本で言う屋台とは違い、食器や食材・調味料に調理器具を天秤棒で担いで移動するものであった。担担麺が「汁なし」だったのは、スープの入った鍋は重すぎて持てないためゆでるための最低限の水しか持ち運べなかったである。
偶然にも「汁あり担々麺」に似た見た目の台湾料理「担仔麺」の語源も「担いで移動する屋台の料理」であった為。(ただし、味付けは担々麺と担仔麺では違うが、これまた偶然にも日本生まれの激辛ラーメンである「台湾ラーメン」は「担仔麺を元に激辛味にしたもの」と言われており、更に、またまた偶然にも台湾ラーメンの派生版として「汁なし担々麺」に似た見た目の激辛麺料理「台湾まぜそば」まで生まれている)
上記の事情と中国式ファーストフードのようなもののためか、上記の通り一杯あたりの量は少なかったという。