振動弾頭
しんどうだんとう
人類が開発した兵器の内、唯一霧に対して有効な攻撃力を持つ装備。
目標の固有振動数を割り出し、共鳴させて、分子結合を崩壊させるという恐ろしい兵器なのだが、
開発には多大な困難がつきまとった。
この事から、開発プロジェクトの中心人物である刑部藤十郎は人としての限界を感じ、
後にこの兵器の開発主任を務めることになる、デザインチャイルドの刑部蒔絵を生み出した。
しかし日本の疲弊した工業力では5本のサンプルを作るのが限界で、量産にあたってはアメリカに委託する事が決定。しかしその輸送作戦はことごとく霧に妨害され、最後の1本が上陰龍二郎から千早群像率いる蒼き鋼(艦隊)に託され、この物語は動き出す。
なお、振動による共鳴破砕というのはターゲットとなる物質が必ず持つといわれる固有振動数と同じ振動を与えて共鳴を誘発し、それによって物質の振動を際限なく増幅、暴走させることで物質の分子結合を破壊、自己崩壊に追い込むもので、理論上固体であればこの方法で如何なるものでも破壊可能。
但し、不純物が混ざっていたり様々な物質が組み合わされた混合物となると当然固有振動数は純物質時とは違うものになり、しかも配合率や濃度、物質の分布の偏り具合の違いによってその変化も千差万別となるため、一見簡単そうだが実行するのは非常に難しい。
固有振動による破壊例としては、1940年11月にアメリカで起きたタコマナローズ橋の崩壊が有名。
群像はこれにより霧と人類のパワーバランスを対当にさせ、その上で人類と霧の共存の道を探ろうと考えている。
ただし上記の通り当たればその威力は絶大なのだが霧の主力艦が搭載している強制波動装甲から発生するクラインフィールドを突破することは出来ないという問題点を抱えている。
劇場版アニメにて
試作品が完成し、霧の駆逐艦「DD-680 メルヴィン」に対して使われた。
アニメ版ではクラインフィールドを突破することができるため船体を崩壊させた。
しかし群像の方針により、他に量産されていた弾頭は無力化され、蒔絵たちは拘束から逃れるため地下へ潜り、逃避行を始めた。
よく似たものに『ケータイ捜査官7』に登場したブーストフォン「グラインダー」が存在する。
こちらは三基の携帯用バイブレーションを使って共鳴破砕を行うほか、振動波を撃ちこむことで疑似的に局所的な地震を引き起こすことも可能。
また、『勇者王ガオガイガー』ではディスクXとして兵器が実用化されており、
固有振動数さえわかれば、理論上はありとあらゆる物質を破壊可能とされる。
このため使い方を誤れば、全人類をも滅ぼしかねない破壊力を持つため、厳重な管理下に置かれている。