挹天癒
ゆうてんゆ
「何醫人間行路歧,青蹤非跡與天爭,須知末有一水識,不挹漣漪問虛生。」
称号:鳴水非瀾(めいすいひらん)
「霹靂布袋戲」の登場人物。
「霹靂兵烽決」では主要人物の一人として活躍した。
「癒者」二つ名を持つ青い医者。水を駆使して、治療をこなす。
医者として、和鳳翥と名を並んで「癒和雙者」と呼ばれる。
その正体は、猂族祇脈の当主・玄魁敇天。
計り知れない戦闘力を秘めており、かつては猂族の戦神と呼ばれた。
水を駆使して、治療をこなす青い髪の医者。全身の装いが、青を基調とするのが特徴。患者に対しては優しく接するが、普段は口数が少なく、友人関係も医術の交流が主である。その一流な医術から、木を使って治療をこなす医者・和鳳翥と名を並んで「癒和雙者」と呼ばれた。登場してから、玉龍隱士・靜濤君・劍瑯琊など、戦いで重傷を負った人々を助けてきた。治療の時には、手術服に着替えることがある。
和鳳翥とは親友で、二人はそれぞれ五巔之戰の時期に拾った子供を、従者として育てている。挹天癒は荒靡を、和鳳翥は荼然を引き取った。荒靡と荼然は共に奇病を患っており、定期的に治療する必要があった。挹天癒は荒靡から「天大癒者」と呼ばれ、尊敬されている。
本拠地の青清一水澈には池があり、毎晩深夜の子の刻(午後11時~午前1時)に水が鮮やかな赤色に変色する。その間は、姿を誰にも見せず、裏で何らかの実験を行っているようだが……。
登場してから多くの人を助け、談無慾ら中原正道と協力関係にあった。医者ゆえに戦闘は不向きと捉えがちだが、挹天癒は計り知れない戦闘力を秘めている。玉龍隱士を護送する際は、猂族と交戦し、その実力を披露した。猂族の侵略と対抗する姿勢を見せ、標的として狙われた。
猂族に乗っ取られた人間に、治療を拒んだこともある。その一方、裏で猂族の人間を使って、謎の実験を行った。猂族の侵略が激化したことにつれ、挹天癒は猂族出身であることが暴かれた。そのため、猂族のみならず、一部の人類にも敵としてみなされた。
玄魁敇天
玄魁敇天の詳しくは、玄魁敇天の項目を参照。
挹天癒の正体は、猂族祇脈の当主・玄魁敇天である。瀕死の一族を氷で保護し、彼らを助けるため、密かに猂族の体質改善を研究し続けた。猂界守・荒禘が復活した後、初めて正体を明かす。
荒禘の復活と共に、猂族内部の紛争に巻き込まれる。その人望と実力から、荒禘の地位は十分揺るがすことができる。次期「猂界守」に立てようと、彼に慕う藐烽雲が策を練っていく。荒禘はそれを危惧し、挹天癒を支持する者を次々と排除した。
藐烽雲の策により、挹天癒は荒禘と完全に決裂。中原正道と共に荒禘を倒して、玄魁敇天の姿で勝利を収める。だが挹天癒は猂界守になるつもりがなく、荒禘を殺す気もなかった。この状況を見て、藐烽雲が荒禘の肉体を乗っ取り、悪役として振る舞った。
暴走した藐烽雲を止めるべく、玄魁敇天の姿で交戦を始める。挹天癒は最終的に人間を猂族から救った「苦境の救世主」として、世間に知らされる。人間と猂族の戦争が収束し、彼は挹天癒の姿に戻り、藐烽雲を治療する。その後、瀕死の猂族祇脈を全員救った。反動で気力が大きく消耗され、挹天癒は永い眠りについた。
眠る前に、猂族祇脈の将来を藐烽雲たちに託した。
- 公式人物資料(挹天癒)※中国語