概要
鉄道車両の新車が入らない地域を表す用語。補修や更新改造が必要であるにもかかわらず、最低限動かす事が出来れば良い程度の整備しかされていないので、余計に酷い有様になる事もあった。塗装が必要な鉄道車両の場合、塗装の一部が剥げていたり車体の錆びついている車両も普通に走っていた。「國鐵」と表現されるのもそのため。
一例
- JR東日本では、自社管内の別の所で使用した同型のボロ車両を左遷して限界に達したボロ車両を置き換えていた。その上整備が不十分な為、空調機器の雨漏りや走行機器のトラブルが相次ぎ、頻繁に車両故障を起こしていた。信号装置の老朽化による故障で列車が運休するという事態も珍しく無かった。「國鐵千葉」をはじめとする房総地区では、(E131系の新製投入・配置が発生するまで)房総の風土に晒され塩害に蝕まれても尚酷使され続けた。ボロをボロで置換えたり古い車両を大切に使う等は他でも見られる光景だが、千葉のそれは他地域とは比較に成らない程の酷い有様だった。
- 東武野田線では、半世紀以上もボロをボロで置換える状態が続いていて、同型の車両同士での置換えも日常と化していた。その後野田線限定の60000系・80000系を直接投入し、旧態依然の状態は解消される見通しに。
- 近鉄名古屋線では、関西地区のシリーズ21増投入により同地区で使われていた車両の名古屋地区への転属が行われた。この結果、名古屋線の通勤形車両は1998年を最後に、約四半世紀もの間新車の直接投入を渋っていた。競合路線であるJR関西本線よりも利便性でリードしている事が影響にある。
- 南海高野線では、昭和30年代以降に投入した4ドア通勤形車両がすべてステンレス車両であり、車体があまりにも頑丈すぎたために約30年ほど新車投入を渋った結果、南海本線との車両格差が出来てしまった。2020年代に入り「インバウンド対策」として新車を直接投入し、旧態依然の状態は解消されつつある。