概要
『国鉄』(日本国有鉄道)を少し古い表記(旧字体)にしたもの。
しかし日本国有鉄道の成立は1949年なので、実際にはほとんど用いられなかった表記である。当時のニュース映画などでも「國鐵」表記はまず使われておらず、インターネット上、特にニコニコ動画における「迷列車で行こうシリーズ」などで使われている表現である。
国鉄の路線は1987年4月1日付でJRグループ各社へ移管されたが、使用している車両が必ずしもすぐに新車に変わる訳ではなく、「国電」に代表される国鉄形車両が引き続き使われていた。
鉄道車両そのものは寿命(耐用年数)は、一般的には30〜40年が目安。そのため、2000年代に入っても民営化以降の新製車両が投入されず、国鉄形車両ばかりの地域・路線が地方に点在していた。この結果、鉄道ファンの間では「新車が民営化後入っていない地域・路線」「ボロい車両ばかりの地域・路線」を少し皮肉めいた表現で「國鐵◯◯」(「◯◯」には地域の名称または該当JRの支社名が入る)と呼ぶようになった。中には国鉄形の中古車両ばかりが玉突き転用されている鉄道路線区も存在し「放置電車」「列車墓場」とも呼ばれる始末。
減少し始めた理由
現在その筆頭のように言われた國鐵廣島を筆頭に、新製車のダイレクト投入によって解消が進んでいる。その理由は主に国鉄型の陳腐化・老朽化が進み整備費がかさむようになってきたこと(特に205系・211系より前の世代は基本的に普通鋼製車が国鉄型の大部分であった為、特に沿岸部では車体の劣化が急速に進んだ)だが、契機としてJR西日本が経済産業省から車両の減価償却に対して指摘を受け修正させられたことが上げられる。
具体的に言うと、減価償却つまり新たな資材が購入して時間の経過により資産としての価値が下がっていく分を決算に盛り込まなければならない。逆に既に経年している資材はほとんど資産価値が下がらず、鉄道車両ではおおよそ13年で下落幅はゼロになる。古い車両を大切に末長く使いましょう計画は大方これを目的としている。
だが、JR西日本の延命N40工事施工車に対して経産省は延命工事費を減価償却費として算出するよう指摘。この為延命N40工事の施工は決算での優位性がなくなった。この為新製車を投入した場合との差異がそれまでより小さくなってしまったのである。
特に地方での国鉄型は、普通鋼製車体、抵抗制御で回生ブレーキを持たない電力食い電車、設計が戦前に遡るDMH17エンジン搭載の非力気動車が多数を占めており、新製車のランニングコスト上の優位が決定的なため、新製車のダイレクト投入が進む結果となったのである。
このことからJR各社は国鉄型やJR型でも初期の車両の使い倒しをあまりしなくなってきた。
特にかつては国鉄型が多いとされたJR西日本が、自身が指摘を受けたため極端に推し進めていく事になった。
2010年代後半以降は、1980年代には既にアルミ合金車体/ステンレス車体と回生ブレーキがデファクトスタンダードになっていた大手私鉄の方が、昭和世代の車両の更新が鈍っているケースが多い。JRでは三島会社(北海道・四国・九州)の一般車両に多い。
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