概要
一国の価値観と文化を巡る戦争であり、この闘争を制した方が一国の価値観と文化を決定付けるという考え方。保守派と革新派の主導権争いがその一例である。英語ではculture war。
アメリカにおいては人工妊娠中絶、銃所持の権利、LGBTなどが代表的な文化戦争の争点であり、日本では選択的夫婦別姓、表現の自由派と規制派の対立などが文化戦争の争点である。
歴史
ジェームズ・デイヴィッド・ハンターの1991年の書籍「文化戦争: アメリカを定義するための争い」に遡る概念であり、かつては選挙活動や政治政策の方向性での対立が主だったが、2010年代以降はそれらが拡大し、現在ではゲームや映画の在り方やオンラインハラスメントが絡んだゲーマーゲートやコミックスゲートなども文化戦争の一つとして数えられている。作家のジャック・メザーブは、文化戦争の対立が選挙政治だけでなく大衆文化にも及んでいる現状から、映画、ゲーム、ジャーナリズムを「文化戦争の最後の前線」と呼んでいる。