「本当に・・本当にるりと遊んでくれる・・・・?」
人物
「黒死蝶殺人事件」に登場。事件の舞台となる石川県金沢市の斑目家の三女であり(ドラマ版だと次女)、おかっぱの12歳の幼女(環境のせいで精神の成長が止まってしまったのだろうか)。
左目が緑色のオッドアイであり、これは母親である斑目緑の遺伝である。
どこか冷めたような瞳をしており、金田一曰く周りに何かとても大きな苦しみが常に渦巻いていて、その冷めた瞳に感情を閉じ込めることでそうした苦しみから自分を守り続けている。
一見取っ付きづらく見えるが、ちゃんと笑顔を見せることの出来る子である。
普段は常に着物を着ており(ドラマ版だと、プライベートでは洋服)、プライベートでは茶色の着物、式などの改まった席では名前の元となった蝶『オオルリアゲハ』の翅をかたどった青色の着物を着ている。
いつも毬を持っているが、父親である斑目紫紋に毬を拾われた際には毬を池に投げ捨て、別の毬に持ち替えた。
金田一がるりと遊ぶ約束を提案した時に、はじめは、ゴム跳び、毬つき、ファミコン(アニメ版はゲームで、おそらくコンピュータゲームのこと)を提案した。
優しい次女の斑目揚羽(るりは揚羽お姉さまと呼んでいる)と一緒にいることが多く、気が強い長女の斑目舘羽(成人済みの為、たまに帰省する様子)との関係は原作でははしょられがちで、舘羽と揚羽がするような会話(時には喧嘩し、時には惚気話をする)を舘羽とるりがしているのを聞きたかった人は多いだろう。原作でるりの洋服姿を見たかった人も多いだろう(他の斑目家の女性は、式典用の着物、私服の着物、洋服の三点が描かれている)。この流れは、彼女が金田一と一緒に遊び、12歳の女の子の素顔を見せてくれたら必ず見られたエピソードであろう。
以下、ネタバレ注意
本事件の犯人「不死蝶」によって殺害され、第一の被害者となる(ドラマ版だと第二の被害者)。死因は作中では直接描写されていないが、「扼殺」である(公式ガイドブックより)。蝶のお墓「蝶塚」の上に磔にされ、蝶に見立てられて殺された。
薄幸の美少女
「金田一少年の事件簿」史上最年少の被害者である彼女だが、そもそもこれほど幼い子自身に殺されるような動機があるものなのか、と疑問を抱いた方もいるだろう。実はその通りであり、彼女が殺されたのは単なる「とばっちり」と「勘違い」、つまり彼女自身にまったく罪はない。
加えて、母の斑目緑に父の斑目紫紋がいつも酷いことをしていることに心を痛めており、そのことで金田一の目の前で泣き出してしまい、そんな彼女のために金田一は翌日一緒に遊んであげる約束をした。しかし、その晩彼女は犯人によって殺され、その約束は永遠に果たされることはなくなった・・・というように、終わり方もあまりにも悲しい。
さらに彼女が最初の被害者に選ばれたのもトリックに最も適した体格だったためという身勝手な理由である点にも救いがない。
ドラマ版では金田一とのシーンが大幅に追加され、第一の被害者が出たことから怯える彼女を犯人の魔の手から守るため、金田一が彼女の部屋で寝ずの番をし、それに彼女も笑顔で応えるという心温まる名シーンが見られた。しかし、わずかな隙を突かれて結局彼女は殺されてしまう・・・。
アニメ版でははじめ以外にフミが遊びを約束した仲間に加わり、後にフミは真犯人に「許せない!この殺人鬼!るりちゃんを返してよ!」と言い放った。
原作で大幅にはしょられた長女・斑目舘羽との接点も追加され、舘羽が一人で池の前に座り込み、妹の死に本気で涙するというものであり、しかもこのシーンが舘羽の死に繋がった。
まさに「薄幸の美少女」そのものであり、「金田一少年の事件簿」における「可哀想な被害者」の代表格の一人と言える。そのためか、ネット上では彼女が殺されずに生存した場合のイラストやSSが散見される。金田一も彼女が殺された時には大きな怒りと悲しみを見せており、それは多くの読者や視聴者の気持ちを代弁していたとも言えるだろう。
このエピソード以降金田一通しての15歳以下の犠牲者は出ていない。