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概要(全文『文通篇』のネタバレにつき注意)編集


以下、銀魂の漫画 第二百三-二百六訓、アニメ 第126-128話のネタバレとなります。


銀魂に登場する志村新八と文通篇にのみ登場するきららの文通篇における話の主軸となった二人のカップリングを指す。




寺門通親衛隊隊長の新八は、いつも通り親衛隊のルーティンとして砂浜でライブに向けたオタ芸のリハーサルを行っていた…のだが、軍曹と呼ばれる人物がお通ちゃんを通じて女の子とメル友になった事を知り激怒。軍曹を鼻フックデストロイヤーファイナルドリームの刑に処し、その他親衛隊の隊員達にも携帯の中身を見せることを要求。彼の圧に思わず全員が携帯を投げ捨ててしまう。女性との関係に疎い新八は

「文字なんかで想いが伝わるか!直接言葉で伝えてこそ!」と勢いづき「文通なんてクソくらえ」と言いかかったところで、浜辺に流れ着いたのが手紙の入った一つの小瓶を拾い上げる。その中に入っていたのは


「運命って信じますか? 私は信じています。 だって今あなた 私の手紙を読んでいるでしょ? 私と文通してくれませんか?」


と、短い文章の書かれた手紙と新八と同じくらいの可憐な少女が写された写真だった。

この一目惚れは新八の言動を180°転換させることになり、クソくらえと言いかかっていた文通に対し「クソありがとうございました!!!」と海辺に叫ぶ程に歓喜。

新八はこの手紙の主、「うらら」と文通を始める事になった。

(しかし、この裏で実の姉のには部屋にこもりがちになり、部屋の前には丸めた紙、挙句夜な夜なしこしこ何かをやっていると誤解されてしまった上に銀時は変な入れ知恵をし、とんでもない思い違いをされてしまった。)


ただ、新八も素性も何も知らない相手に手紙を書く、という事に慣れておらず手紙を書く事は難航。銀時真選組の助けを借りながら手紙を書こうとするが、近藤を探しに来た沖田あたかも新八と思い込ませるような写真を同封し、「新八も写ってる(半分以上見切れている)」「沖田を新八と思うのは向こうの勝手」と詐欺まがいの暴論を宣う。


しかし、文通の相手であるはずの「うらら」にも秘密があった。

新八が拾った手紙の差出人は「うらら」の姉、「きらら」だった。

きららは昔から体が弱く自宅にこもりきり。体が治ってからも友達の作り方がわからず、自分に自信を持てなかったきららは妹の「うらら」を名乗って写真を同封して手紙を海へ流したのだった。

きららは新八の手紙の「姉がいる」という話題に「自分には姉がいる」とうららの視点で語りながら、「弱い姉」「外に出ても海ばかり眺めて自分の殻を破れない」と自身を卑下する話題を書き連ねていた。(受け取った新八は「全然自分の事語ってくれてないんですけど」、銀時は「手紙で姉の話題に花咲かせてどーすんだ」と呆れ返っていたが実際は彼女自身の事を書いていた事になる。)


この状況下でうららの姉をフォローしつつ、話題を切り替える作戦に出る事となったが、せっかくフォロ方十四フォローによって完璧な文章になっていた手紙を近藤のアテにならないアドバイスの一文「ムラムラします」を消し忘れたまま発送というとんでもない事態が発生。

当然彼女の妹、うららからは「気持ち悪い」「ただの変態」と怒りを買ったが、きららからは「不思議な人」「手紙を書く度に別人になり、一人で沢山の人格を持っているみたい」と思いの外食いつき新八とのデートを取り付けた。(こちらが出した最後の一文のせいで銀時、近藤は向こうもムラムラしてると勘違いしてムラムラに過剰反応した近藤によってこの手紙はビリビリに破られてしまった。)


江戸へ出たうららときららだったが、手紙の送り主であるきららは新八と会うことを結局怖がってしまい「新八さんの顔が見れればいいからうららちゃんが会ってほしい」と逃走。新八(と名乗る沖田)とうららが出会うことになり、事態は混迷を極める事に。


銀時の想定していたプラン上は「沖田は新八を騙る偽者で、うららとの恋路を邪魔する為に手紙をすり替えていた悪人。その沖田を倒す事によって新八とうららがくっつく」だったのだが、沖田の行動を影から指令する新八と銀時、影から新八の顔だけでも見ようとしていたきららがバッタリ出会ってしまい、銀時が「新八」と呼んでしまった為、きららは本物の新八を見つけてしまう。

ただ、あくまで彼らは「手紙を出しているのは沖田と会っているうらら」と思ったまま、対するきららも自身に対してこれまでの悪行(新八のせいではないが)をひたすら謝る新八を見て「新八が見ているのは手紙の差出人である自分ではなくうららである」と察して自ら新八とうららを接近させる役割を買って出る事に。


それだけであればまだプランの変更は大きくならずに済んだものの、真性のドSたる沖田はあろう事かうららに首輪を付け猫同然に扱い、うららも沖田をご主人様と呼ぶまでに心酔。もはや沖田の下僕と成り下がり、沖田に攻撃するプランを実行しようとした新八は返り討ち、咄嗟に銀時を悪役にしきららを新八が助ける事に作戦変更したが、銀時に踏みつけられる自らの姉を助けるどころか沖田のホクロに反応して見向きもしなかった。

その結果、きららは「結局自分は新八の役に立てない」と思い詰めてしまい逃げ出してしまう。


必死にきららを捜索する銀時一行と新八。銀時達がきららを見つけたのは彼女が思い詰めて上ったビルの屋上だった。

「引っ込み思案で人の前に立つのが嫌だったのにこんなにたくさんの人が自分の事を見てくれている」「死んでもいいと思ってどうでも良くなったら苦しんでいたのに途端に変われた」と自嘲気味に話すきらら。

その後に彼女から吐露されたのは隠していた暗い心情だった。

「自分が可愛いだけで自分が愛しくて尊かっただけ」「周りからどう思われているのかを知るのが怖くて傷つきたくなかった」

そして「うららの写真を送ったのも自分が否定されるのが怖かったから」「そんな中で新八が自分を見てくれないのが寂しかった」「うららに取られるのが嫌だった」と。


騒動の最中、説得を試みるうらら達。

しかし、土方の一言が状況を一変させてしまう。


「ほら見ろ B型の女は話聞かねーって言ったろ 俺の言う通りだろ」

(アニメ版では過去に発生したBPO案件により血液型の部分は(ビー)や(ピー)という規制音になっている。)


きららはあろう事かA型であった上、A型に対して沖田は「土方さんと同じ、道理で最悪」土方は「あんな女と一緒にすんな」、銀時も「(土方が自分で言うと自画自賛になるので代わりに銀時が自分のいいとこを発掘しろという主張に対し)A型は恥知らずなのか!?」最後には沖田からの「恥知らずだから汚くてもやっていけるから死ぬな」と口々に出される偏見と暴言の数々にどんどん歩を進めてしまい、きららは屋根の縁に立ってしまう。

トドメに「近藤がA型」という事実に何故か耐えきれずとうとう飛び降りてしまう。


銀時は沖田の握っていた鎖を使い飛び降りたきららの腕を掴み助け出す…が、この行動もきららの考えていた「飛び降りそうになる自身を新八が助ける事によってうららに好印象を与える」という最終手段だった。

最初は飛び降りるつもりは無かったものの、入り込んでしまいつい飛び降りてしまった…というもの。


さらにきららは「新八の書いた手紙が仲間達と共に頭を悩ませながら書いた手紙」「仲間達が新八へ宛てて書いた手紙」だった事に気づいていた項を銀時に打ち明ける。

きららは「自分の出していた手紙は自分に当てた手紙で、誰かに助けてほしかった」「新八達と文通をして誰かのために強くなれる事を知った」「自分が誰か新八に伝わらなくても、うららのままでもいいから新八に手紙を出したかった」と悲しげに口にする。


そんな中、向かい側のビルの屋上を銀時は見るようにきららに促す。

そこに立っていたのは新八だった。

彼が持っていたのは1冊のスケッチブック。書かれていたのは

「名前を教えてください」 「僕も今度は ちゃんと君宛てに 手紙送りたいから」

新八もまた、きららが手紙の送り主である事に気づいたのだった。


銀時「とっくに届いてたよ あんたの手紙 ちゃんと返事 返してやってくれるか?」


鎖を振り子のように使い、勢いよくきららを抱えた銀時はビルに飛び込む。

無数の白紙が飛び散る中、1枚の紙を手に「きららです」と自分の名前を新八に示す事ができた。

「ようやく ちゃんと文通できたね きららさん」

新八はきららに屈託のない笑みを見せ、銀時や真選組を巻き込んだ一枚の手紙から始まった大騒動は解決した。



いつものように妙は(明らかにローションと切れ目の入ったこんにゃくだが)お茶を新八の部屋に差し入れようとするが、机に突っ伏したまま眠りこける新八。覗き込んだ妙は柔らかな微笑みを見せて部屋を離れる。

新八がきららに宛てて書いている最中の手紙、そして妹や友人と共に笑顔のきららが写った写真がそこには置かれていた。


この後の話ではきらら・うらら姉妹は本編に登場しなかったものの、文通が終わった描写もなく実質読者の想像に委ねられる形となっている。


しかし、きらら・うらら姉妹は第3シーズンにて「ベギラマな夏/何もねぇよ夏2015」のエンディングの毎回キャラクターが差し変わるワンシーンに登場。

きららの元に届いた便箋を見て嬉しそうなうらら、便箋を微笑ましく見つめるきららの姿があった。

2人は文通は今もまだ続いているのかもしれない。


Pixiv内では主に2人のその後を語る作品などでタグ利用されている。


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