概要
ティラノサウルスをモチーフとした、スタンダードな外見の大型恐竜族モンスター(しかし全身の棘や指の本数など、本物のティラノサウルスとは異なる点も見られる)。恐竜族の中では初の最上級モンスターであり、究極恐獣が登場するまで恐竜族最強のカードとして君臨した。
ちなみに名前に「恐獣」が付く恐竜族モンスターはこの暗黒恐獣が第一号である。何故「恐竜」ではなく「恐『獣』」なのかは今でも謎。
カードテキスト
効果モンスター
星7/地属性/恐竜族/攻2600/守1800
相手フィールド上に守備表示モンスターしか存在しない場合、
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。
解説
最上級モンスターらしい(が、単独では若干物足りない)攻撃力を持ち、しかも条件が整っていれば相手の壁モンスターを無視してプレイヤーにダイレクトアタックできる。当時は恐竜族自体の層が薄く、有用な効果を持つ恐竜族モンスターも少なかったため、プラスの効果を持っているだけでもそれなりの評価を受けた。
しかし、この効果にはある致命的な欠点がある。「相手フィールド上に守備表示モンスターしか存在しない場合」という効果の適用条件だが、これはもう少し分かりやすく噛み砕くと「相手フィールド上のモンスター全員が守備表示で、尚且つ魔法・罠カードゾーンにカードが一切存在していない場合」という事。つまり、手札から適当な魔法でも1枚セットしておけば暗黒恐獣の効果は封じられるのだ。このため効果を活用できる状況が非常に限られている。魔法・罠カードゾーンに居座ることになるペンデュラムモンスターや、決して守備表示にはならないリンクモンスターなどが存在する現在においてはますます難易度が高まってしまっている。ここまで来るといっそ効果など忘れ、モンスターを相手に暴れてもらった方が活躍できる場合が多い。
登場当時ですら、このカードよりも使いやすい暗黒ドリケラトプスが同時に登場しているため、扱いにくかった。(現在では暗黒ドリケラトプスの評価も下がっている)
なお、遊戯王DMではダイナソー竜崎がこのカードを使用したことがある。真紅眼の黒竜、エビルナイト・ドラゴン、タイラント・ドラゴンと来て、ついに登場した恐竜族の切り札である……が、一度しか出番が無かった上に瞬殺された。
しかもびっくりするほど作画が悪く、その姿が完全崩壊している。これはひどい。
その後はアニメに出番は無かったが、遊戯王ARC-V53話の回想シーンでグレファーと戦っている。この時の作画はまとも。
近縁種
ダークティラノ
アニメ遊戯王GXでティラノ剣山が愛用していたこのカードとよく似た効果を持つモンスター。ステータスは暗黒恐獣とほぼ同じだが、相手フィールド上に魔法・罠カードがあってもダイレクトアタックが可能という暗黒恐獣の完全上位互換である。暗黒恐獣もこちらの効果ならもっと活躍の場ができたのに……。
それが故にダークティラノもカード化されないという悪循環をはらんでしまっている。
いっそエラッタでもすればいいのに、とは誰しもが思うこと。
サイバー・ダイナソー
漫画版遊戯王GXでデュエルアカデミアの新米教師にして悪徳教師の龍牙が使用している暗黒恐獣をサイバー化したような見た目を持つモンスター。こちらは、ただでさえ弱い暗黒恐獣の効果にさらにモンスターをリリースするコストが必要になったという酷い効果であった。ダークティラノとの差別化なのだろうか。また、爬虫類族をコストに恐竜族を特殊召喚する「超進化薬」によって特殊召喚されているため漫画版では恐竜族であった。
OCG化したときには、サイバーと言う名称からサイバー・ドラゴンと同じ機械族にされた上に全く別のモンスター効果に変更されている。暗黒恐獣との関係はかなり薄くなってしまった。
ちなみに、連載開始前の下書きでは暗黒恐獣であったが連載時に変更された経緯を持つ。