末摘花とは
紅花
ベニバナの花を摘む際、茎の先端にある花を摘み取ることからこの名がついたとされる。
また、外側(末)の開いた花弁から順に摘んでいくためとする説もある。
源氏物語
源氏物語第6巻の巻名で、光源氏と関係を持つ女性のうちのひとり。
常陸宮の娘で、容貌は醜いが、古風で実直な性格をもつ。美しい黒髪を持つ。
末摘花という名前も鼻(花)が赤いことからきている。
父が早くに亡くなっため、住んでいた屋敷が荒れ果てるほど困窮していた。
源氏も当初は彼女の容姿に驚くも、彼女の境遇に同情し援助をする。
その後、源氏は朧月夜の件などで須磨流しに遭う等して末摘花のことは忘れてしまう。
受領の妻になっていた叔母は末摘花を召使いにしようと九州行きに誘うが、末摘花は受け付けず、荒れた邸を守っていた。
源氏が都に戻っても彼には忘れられていたが、末摘花は源氏を信じて待ち続けていた。
そして花散里を訪ねようとしていた源氏が荒屋になった御殿を見つけ、一途に源氏を待っていた末摘花は彼と再会する。
末摘花の純真で一途な心根に感動した源氏は彼女を二条院に引き取り、彼女は源氏の妻の一人として平穏に過ごした。
川柳集
似実軒酔茶編集の川柳集「誹風末摘花」。初編は書肆花屋久次郎編。1776年~1801年刊行。
川柳評前句付「万句合」の中から、性的風俗を扱った末番句(すえばんく)、いわゆる「バレ句」を選び出し、一句立として集めた艶句集。「末摘花」は末番の花を摘み集めたという意味のシャレた書名である。
4編合計2331句。大正末年に沢田五猫庵の手により、八編までが追加編集されている。