概要
李書文は河北省滄州市塩山県出身の中国武術家。字は同臣。
八極拳の門派・李氏八極拳の創始者である。
名前が日本で広まったのは武術研究家で知られる松田隆智氏原作の漫画・拳児からだと思われる。
李氏八極拳は格ゲー等に、大きな影響を与えた。
生涯
1864年、武術の郷と名高い滄州の貧しい農民の家に生まれた。
生活苦のため劇団に入ったが、足に重傷を負い家に帰される事になった。
故郷に戻った李書文少年は、武術を学ぶ事を決心し、黄四海、張景星、金殿臣より八極拳を、黄林彪より劈掛掌を学んだ。
昼夜を問わず練習に没頭し、急速に実力をつけた李書文は、師や兄弟子からも一目置かれるようになっていった。
1934年、天津にて70歳で没する。
死因に関しては「試合に負けた武術家の遺族に毒殺された」という説と、「病を患ったまま鍛錬を行い、その後椅子に座ったままの姿勢で死亡した」という説が挙げられている。
弟子の劉雲樵(拳児で老師・劉月侠のモデルとなった人物)は毒殺されたと確信し犯人を探して回ったが、結局犯人は見つからなかった。家族は、その死因は脳溢血だったと述べている。
拳児外伝では李書文の生涯が描かれるが、虚実混ざっている為、Wikipediaの情報も併せて読んだ方が良い。
子孫は文化大革命の迫害を生き抜き、今でも李氏八極拳を受け継いでいる。
数々の化物じみた武勇伝
- 拳法で急速に実力をつけた頃、練習の際は誰に対しても容赦が無く、常に対戦相手に怪我をさせたり殺傷してしまうことも有った為、李狠子とあだ名された。
- 小柄で痩身だったが、その体格・外見に似合わぬ怪力の持ち主だったと言われる。
燕京一の力自慢が李書文に力比べを申し込んだ際、李は長さ三尺の鉄棒を石壁に突き刺しこれを抜くよう言ったところ、男は半日にかけて棒と格闘するも終に抜く事は出来なかったという。
- 得意技・猛虎硬爬山の鍛錬においては、重さ100kg以上もある石製のローラーを、2m余りの段差がある畑の上階へ投げ上げていたと伝えられる。
- 山東省で「鉄頭王」と呼ばれた武術家との果し合いにおいては「あなたは私を3回打って良い、そのあとに私が一度だけ打つ」と言い放ち、怒った鉄頭王が渾身の力で書文を3回打つがビクともせず、そのあとに書文が脳天に掌打を打ち込むと、相手の頭が胴に沈み即死した。
- 北京にて行われたある武術家との試合では、決め技の前の牽制の突きだけで相手を打ち殺してしまい逮捕されぬよう慌てて滄州へ帰った。
- この様に、殆どの対戦相手を牽制の一撃のみで倒した事から「二の打ち要らず、一つあれば事足りる(一撃あればたりる、二撃目はいらない)」と謳われた。
- 八極拳の槍術・六合大槍も得意とし、燕京にて槍術の名人をことごとく倒し「神槍」と呼ばれ、壁に止まっていた蠅を壁を傷つける事無く全て槍で突き落としたという逸話も残されている。
- 弟子にも「千招有るを怖れず、一招熟するを怖れよ(多くの技を身に付けるより、ひとつの優れた技を極めよ)」と説いている。
- 晩年の李書文は子供好きで、子供たちに武術を教えた。
近所の子供たちからは「把式爺爺(武術のお爺さん)」とあだ名されていた。
関連タグ
既に死亡していたが彼の遺体を確保した組織の処置により蘇生し、蘇生当初は老人だったが 処置の副作用で、日を追うごとにとめどなく若返り続ける肉体になってしまっている(プレイする時点では「初老」くらい)。
通常は素手で八極拳の武技を振るい、特殊攻撃で彼のもう一つの代名詞である槍の技を繰り出す。
- アサシン(Fate/EXTRA):Fate/EXTRAに登場した李書文をモデルとしたアサシンのサーヴァント。こちらではアサシンのクラスとして召喚された為、素手で戦う。
「二の打ち要らず」の逸話から、ゲーム中では「相手の残りHPの9割のダメージ」という凄まじい必殺技を持つが、これは主人公の策で弱体化している為、本来は文字通り一撃必殺だったと思われる。
Fate/GrandOrder第5章ではついにランサーとしての李書文が登場。第5章クリア後にストーリー召喚に追加される。アサシンとして老年期の李書文も登場する。
帝都聖杯奇譚(またはFate/Typeredline)では、ランサーとして老年期の李書文が登場する。