CV:菅原正志
朧亡き後の暗殺組織・天照院奈落の首領格の大柄の男。奈落の中でもとりわけ高い実力を持つとされる「奈落三羽」の一角。両腕の手甲に装着された一対の短刀を武器として使用する。一国傾城篇の前後から出ていた朧と骸こと今井信女に対し、最終章の銀ノ魂篇まで名前すら明かされなかったという割と不遇な存在。天導衆の幹部達を抹殺した虚の完全な私兵と化した奈落の頭として虚に忠誠を誓っているが、その忠誠心が物語の最終盤にて大きな役割を果たすこととなる。
銀ノ魂篇にて虚率いる奈落の残党らと共に地球に侵攻。他の構成員らと同じく虚の不死の血を与えられており、解放軍の駐屯地周辺で銀時らと交戦するが、記念すべき初登場の際は目の前の虚を倒すことしか眼中にない銀時に一蹴される。
奈落三羽の座は伊達ではなく、不死の血も得ていたとはいえ回復し奈落に囲まれ重傷を負った定春に止めを刺そうとする。・・・が、背後から現れた銀時にアルタナの結晶石製の刀で片腕を斬り落とされる。その後の消息は不明。
以下ネタバレ注意
二年後の地球の松下村塾周辺にて、虚の心臓を抱えて訪れた銀時の前に、奈落の残党を率いる彼と思わしき人物が現れる(後に本人だと判明)。顔は包帯で覆われ、銀時に斬り落とされていた左腕、さらには左足も腐り落ちて欠損しており松葉杖で歩いているなど、かなりの肉体の損傷の激しさを窺わせる姿となり果てていた。
不死の血が尽きかけながらも星芒教を率いる天導衆の指示の下、かつての主である虚を取り戻すべく、虚の心臓を持つ銀時を追跡していた。そしてターミナルおよび星芒教母船での決戦にて銀時らの前に現れ、なおも虚の心臓を狙うべく桂と対峙する。
「あの方を救えるのは私だけだァァ!」
以下さらなるネタバレ注意。
戦闘の最中、虚の心臓を取り落とした桂に刀を向ける柩。だがその刀が貫いたのは、桂ではなく虚の心臓の方だった。投げ付けられた刀が貫いた虚の心臓は、ターミナル内部の龍脈の柱に飲み込まれ消滅する。
虚の血を得て肉体が腐り落ちても死ねない体となった柩は、虚の永劫に渡る苦しみの一端に触れたことで、その命を止め終わりのない呪いの螺旋から解き放つことで虚を救おうとしていたのだった。
「お前達には出来ぬことであろう。再び会えた師を終わらせることなど」
役目を終えた柩は不死の血を枯らし尽くし、虚が最後は人らしく死ねることを願いながら絶命する。