概要
ドラえもんカラー作品集4巻及び、藤子・F・不二雄大全集13巻に収録「植物あるかせ液」に登場。
植物にかけると、根が足のように変化して独りでに歩き出すようになる。
水田版『ドラえもん』のオリジナルエピソード「しずかちゃんとおじいの木」にも登場している。
ストーリー
のび太は学校で先生が職員の人たちと校内の木を切る話をしているところに居合わせ、尋ねるとここに物置を建てるためだと聞かされる。下校中のび太はあの木だけが自分が登れる木だったのにと思いにふけり、初めててっぺんに登った時の感動も思い出し、「生きてる木を切るなんて可哀そうだ」とドラえもんに相談することにした。
だがその時ジャイアンに呼び止められ、自分達が友達であることや友達が困ってる時は助け合わなきゃなと聞かれたため、「うん」と答えたがこれにより母ちゃんに頼まれていた草むしりを押し付けられ、ジャイアンは野球の試合に行ってしまった。泣きながら草むしりをするのび太だったが、途中で逃げ出しドラえもんに助けを求めるが、早々ママに草むしりをやるよう言われてしまう。
またも泣きながら草むしりをするのび太だったが、その時ドラえもんがやって来てくれたので、訳を話すと「植物歩かせえき」を出してくれた。ドラえもんはこれを雑草にかけ、引き抜かれたくなかったらすぐにに出すよう言うと、足が生えた雑草たちは塀を飛び越えてどこかに行ってしまった。
さっそくこれを先ほどの木にかけて裏山に引っ越させようと急ぐ2人だったが、途中で逃げたことを知って怒ったジャイアンに見つかり追いかけられることになってしまった。その後しずかにかくまってもらい何とか逃げ切れ、彼女からの提案でジャイアンにもこの液を分けてあげることにした。これにジャイアンは喜びさっそく使用したが、庭全体にまき過ぎたせいで、雑草だけでなく生えていた全ての植物が出て行ってしまい、母ちゃんに耳をつままれ怒られる始末となってしまった。
一方ドラえもん達は校内の例の木にこれをかけ、裏山まで引っ越させることに成功し喜んでいた。だがそこに再び起こったジャイアンがやって来て、ドラえもんとのび太に八つ当たりしようとしたため、木が助けてくれたお礼にジャイアンをやっつけてくれ、ジャイアンは何が起きたか分からず帰って行った。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1987年4月24日に放送されたが、現在のところ水田版ではまだアニメ化されていない。
1987年版
- 冒頭び太はモップと雑巾をそれぞれ持ったジャイアンとスネ夫に追われていて、逃げている最中に職員室に通りがかり、そこから先生が出て来たため、ジャイアンとスネ夫は掃除をするふりをして誤魔化し、のび太もこの隙に逃げることができた。
- その後ジャイアンとスネ夫はのび太を追いかけてきたが、のび太は木に登って身を隠していたため、見失ってしまい帰って行った。そして2人がのび太を追いかけていたのは、掃除当番を押し付けて野球をしに行くためだった。
- のび太は木の上で初めてこの木に登れたことを思い出したり、先生たちがこの木を切る相談をしているのを聞いていて、これを聞いたショックで地面に落下している。ちなみに髭を生やした先生は校長先生で、のび太もこの校長先生に本当にこの木を切るのか聞いている。
- ジャイアンはのび太のランドセルを掴んで呼び止めていて、さっき掃除当番を押し付けてしまったことを謝って、「友達が嫌がることをさせちゃいけないよな」とも言っている。
- のび太は部屋に戻ってドラえもんがいないか探していたが、すでに留守の状態だった。そしてママものび太を呼びにここに来ていて、のび太からドラえもんを知らないか聞かれると、さっき出て行ったことを伝えている。
- ドラえもんがやって来た時のび太は感極まってハグしている。
- ジャイアンは母ちゃんに怒られて片目にあざができ、ばんそうこうも付けていた。ちなみにドラえもんはジャイアンから逃げた際「何で僕まで逃げなきゃいけないんだ!」と叫んでいる。
- しずかは既にドラえもん達から訳を話されていたようで、すぐ2人の誘いに合意している。
- 木が町中をうろついたことで主婦や女子高生たちがびっくりする描写が追加され、警官にも見つかって追いかけられたため、スネ夫に家にかくまってもらうことにした。そしてスネ夫のママは「突然訪ねてくるなんて迷惑」などと言いならも紅茶やクッキーをもってきたが、それが木だと分かると腰を抜かしてしまっていた。
- ジャイアンは最初は一滴ずつチマチマと液をかけていたが、面倒くさくなり全部かけた。そして母ちゃんが逃げていく植物に驚く場面も追加され、逆にジャイアンの耳をつねる描写は描かれなかった。
- ドラえもんは最初にジャイアンに突き飛ばされてしまっていて、これにはしずかも「乱暴なことしないで!」と止めようとしたが、ジャイアンは聞こうとせずのび太を殴ろうとし、そこを木に懲らしめられ逃げ出して行った。
- ラストでのび太は木に助けてくれたお礼を言い、また登りに来ることを約束している。
関連タグ
植物自動化液:類似しているひみつ道具だが、こちらは言葉も話せるようにしたりすることができる。