犯行の詳細
2024年10月8日に石破茂内閣が衆議院解散を宣言した事に伴う選挙の最中だった同月19日早朝、永田町の自民党本部前に止まった白い軽自動車から降りた男が高圧洗浄機のような物で周囲に液体を散布した後、警備に当たっていた機動隊員に催涙スプレーを噴射し3名に軽傷を負わせ火炎瓶6本を投げ入れた。
なお、この時投げられた火炎瓶の一部は機動隊の車両に当たったが火はすぐに消された。
その後、男は首相官邸に車で突入しようとしたがフェンスに阻まれ失敗し、車から降りて発煙筒のような物を警察官に向けて投げつけ、乗っていた車に放火したがこの時に警察官から拳銃を向けられると無抵抗のまま投降し、公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕された。
なお、男の車には火炎瓶や発煙筒、殺虫剤の缶、噴霧器のほか、複数のカセットコンロ用ガスボンベとガソリンが入ったポリタンク16個などが積まれていたが、これらに引火する前に火は消されている。
また、逮捕された男は犯行時、薄黄色の防護服と黒いガスマスクを着用しており、計画的な犯行だったとみられている。
犯人についての発表
容疑者の素性
逮捕されたのは埼玉県川口市在住の職業不詳の男(当時49歳)。
高校卒業後は大学に進学せずウェブサイトの制作や長距離トラックの運転手など職を転々としており、15年ほど前からは川口市内の自宅で父親と2人暮らしだった。
容疑者の政治活動歴
父親の話によると2010年ごろに「死刑は残酷だ」と考えるようになり、死刑廃止運動への参加を決めたという。
また、これと同じ時期に参院選への立候補を目指したが供託金を納められず不出馬になった事で
だと主張し、選挙の無効を求めて裁判を起こしていた。
2011年に発生した東日本大震災がきっかけで反原発運動にも参加するようになり、2012年には大阪市内での抗議活動の際に不法侵入の容疑で逮捕され執行猶予付きの実刑判決を受けている。
事件への反応
石破首相は同日、鹿児島県にて行った街頭演説でこの事件に言及し
「民主主義が暴力に屈することがあっては絶対にならない」
「この選挙が暴力によって破壊されることがないよう、何よりも国民、市民の安全、安心がきちんと守れるように万全を尽くしていく」
とコメントした。
また、野党の党首らも同様に容疑者を批判する内容のコメントを発表している。
ネット民の中にはこの近年続く汚職や癒着等から「国民の不満の代弁をした勇者」などと持て囃す輩までいる始末であった。
中には「自民党が同情票狙いに過激派に金を持たせて依頼した自作自演」などという根拠のカケラもない陰謀論を展開している者までいる。
関連タグ
本事件と同様に国政選挙の最中に発生した事件。また、岸田文雄襲撃事件の容疑者は本事件の容疑者と同様に選挙での供託金廃止を主張していた。