特殊戦術中隊
すぺしゃるたくてぃくすすこーどろん
通称はSTS。正式名称Special Tactics Squadronを略したもの。
空軍所属だが、隊員がアメリカ陸軍やアメリカ海兵隊など他軍の地上部隊に同行し、上空の航空機への攻撃目標の指示(いわゆる前線航空管制)や、負傷者の救出を地上から行う地上部隊である。このため空軍ながら地上戦を専門としているという異質な部隊でもあり、地上戦装備で武装して地上戦の訓練も受けている。
Special Tactics Squadronの日本語だが、Specialが「特殊」「特別」、Squadronが「中隊」「部隊」「飛行隊」と様々な語彙で翻訳されるため、日本語での表記揺れが非常に激しい。以下、主な表記揺れ。
- 特殊戦術中隊
- 特殊戦術部隊
- 特別戦術部隊
- 特殊戦術飛行隊
- 特別戦術飛行隊
本記事では、米空軍嘉手納基地公式SNSアカウントが「特殊戦術中隊」と翻訳して投稿していることに則り、特殊戦術中隊と表記する。
特殊戦術中隊は、アメリカ空軍特殊作戦コマンド(ASFOC)隷下の第24、第352、第353特殊作戦航空団にそれぞれ編成されており、
- 第24特殊作戦航空団(アメリカ本土)
- 第352特殊作戦航空団(イギリス駐留)
- 第752特殊戦術群
- 第321特殊戦術中隊
- 第752特殊戦術群
- 第353特殊作戦航空団(日本駐留)
- 航空団直轄
- 第320特殊戦術中隊
- 航空団直轄
…の計10個の特殊戦術中隊が存在する。
中でも第24特殊戦術中隊は、米軍特殊部隊の最高峰にランク付けされるTier1の部隊に分類されており、デルタフォースやDEVGRUなどの米軍最強の特殊部隊に比肩する。このため米軍統合特殊作戦コマンド(JSOC)の専任部隊として運用されており、デルタフォースなどとの共同作戦に投入されるという。
ちなみに第320特殊戦術中隊は、日本の沖縄県嘉手納基地に配属されており、2011年の東北地方太平洋沖地震では被災した仙台空港の復旧作業のためいち早く投入された(津波に襲われた空港にMC-130HコンバットタロンII輸送機を着陸させるため、嘉手納から松島基地までMC-130Pコンバットシャドウで空路で移動、松島基地への着陸後に松島基地の管制復旧のための一部部隊を残しCCT、落下傘救助隊員、特殊任務気象チームで構成された部隊は自衛隊員と共に陸路で移動、到着後は滑走路の状態を確認する共に生存者の捜索、手作業で障害物を除去し、誘導機材を設置して復旧させた約1.5kmの滑走路にMC-130を誘導して着陸させた。MC-130Hにはブルドーザーなどの復旧に必要な機材を載せており、滑走路上の瓦礫をこれで撤去して滑走路を復旧した)。