概要
作者は渡辺恒彦(わたなべつねひこ)氏。
HN「ワタナベ」の名で「小説家になろう」に2011年6月25日より連載開始。
主婦の友社・ヒーロー文庫にて2012年9月28日に書籍化された。イラストは文倉十。(既刊14巻)
日月ネコによる漫画版が、『ヤングエース』(KADOKAWA)にて2017年3月号から連載中。(既刊18巻)
2019年4月販売の12巻にドラマCD付き特装版も発売された。
タイトルの通り、主人公である善治郎が、ヒロインである美人の女王アウラの『ヒモ』として悠々自適な生活を送る……のは書籍1巻の途中位(数か月位)までで、むしろ王配(女王の配偶者)という重要な地位についた善治郎が、アウラと王国の為に国内外で奮闘する、本格的な宮廷政治劇がメインとなる作品である。
その為読者には、主人公善治郎にとっての『理想のヒモ生活』ではなく、女王アウラ陛下にとっての『理想のヒモ』生活、または「理想のヒモ(を手に入れた女王の)生活」 ではないかと良く言われたりする。
登場人物
カープァ王国
大戦の勝戦国の1つであり、南大陸西部で一二を争う大国。しかし、血統魔法の使い手である王族がアウラ一人しか生き残らなかった。なお、公爵は分家王族を示すため、当初は公爵がいなかった。
主言語は「南大陸西方語」で、インド風の異世界文化を構築しているが、数字は善治郎がアラビア数字をもたらすまで存在していなかった。時間の流れは地球と同じだが、季節は大きく分けて雨期(春)、酷暑期(夏)、活動期(秋冬)の3つがある。
男中心の社会であるので女王と王配という立場のバランスを取るのが重要となる。
カープァ王家の血統魔法は「時空魔法」。
カープァ王家
- 山井善治郎(ゼンジロウ・ビルボ・カープァ)
王配となる主人公。巨乳好き。ブラック企業に務めていたが、150年前に許されない恋をして『時空魔法』の『異世界転移』で地球に逃走した元カープァ王家の子孫だった為にアウラの『時空魔法』の『異世界召喚』によって異世界召喚され、女王アウラに一目惚れして婿となり、後宮生活をするにつれアウラに『特別な感情』を抱くようになった(王政で政治の世界に引きずり込まれる可能性は最初から考慮していたが、準備期間中にアウラ用の結婚指輪を買っているなどハーレムや側室を作らないといけない可能性を全く考慮してなかったのと、現代日本の一般的成人男性としての価値観しか無いため、正式な妻である側室を妻と子供のいる空間に入り込む赤の他人と見なし、拒否感を持っている)。
戦士としての力量は低く女子供並だが、サラリーマンで培った知識でアウラを影から支える「女王のお飾り」に徹する。良くも悪くも凡人なので最善の結果を出す事はなかなか出来ないが、最悪の結果を避ける事ができる能力を持つ。
使い勝手のいい『瞬間移動』を覚えてからは外交中心の活動が多くなりカープァ王家で最も忙しい人となってしまった。
武術を習おうとした事もあったが、指導者を雇うと国内貴族の側室攻勢の隙を作る羽目になるのでアウラに直接棒術を指導してもらう事により運動不足解消で留まっている。
また、走竜に乗る事も出来ないので陸路の長期に渡っての移動は鈍竜が牽く竜車に乗っていたが、書籍14巻で『新型双燃紙』のお礼としてエレハリューコ族長から本家の騎竜の毛筋の走竜が送られる事が決定した(有難迷惑)為、アウラと走竜に乗る訓練を始めた。
5世代前の血を引きついでおり、魔力も分家クラスだがそれは嬉しい誤算だった。しかし、同時に善治郎の側室を狙う勢力が活発化する原因にもなった。
防御に使える「空間遮断結界」と、近くに見える物を引き寄せる「引き寄せ」が使えるが、それらは本命の「瞬間移動」を覚える為の基本にすぎず、常人では必要な時に使おうとする場面では発動できる可能性が低いのであまり役に立たない。アウラの見立てでは善治郎は「隣に剣を抜いた人物がいるだけで魔法発動率は完全にゼロになる」と評価されている。
なお、第13巻で魔道具『風の鉄槌』を使うのに必要なのは正確な発音だけの為、善次郎は戦闘中でも風の魔法を発動出来た。
アウラの妊娠後は妻の国政負担を軽減する為に自ら表舞台に立つ事を決意した。
善治郎は慣れない政治で忙しくなったが。ワレンティア出張前の書籍5巻の途中までは親子水入らずで善治郎本人にとっては「幸せの絶頂」といえるハーレムなどの部外者のいない家族生活を送っていた。
書籍版では出張先のワレンティアで群竜による被害が出た事で女王がいない状態でも群竜対策を行うなどそこそこ実力のある王族として認められてしまい、カープァ王国内では善治郎を「お飾りの王配」と思う貴族は誰もいなくなった。
後に、宰相と元帥を任命したことで相対的に縮小したアウラの権力を外から増強するために、ビルボ公爵位を与えられた。
愛妻家で子煩悩である為、側室は出来る限り拒否していたが、アウラや国の迷惑をかける位なら側室を取る事を決意した。側室候補が次々と家族内に入りつつある事で、満たされていた妻アウラや子供達との幸せ家族生活に部外者を入れるのを恐れていたが、フレア姫との生活は思ったよりもうまくいっている。しかし、ルーシーとの結婚後の生活が丸投げで重く感じた為、結婚前に心の距離感を解決する時間を必要としている。
web版ではプジョル将軍に善治郎のデジカメの存在を知られつつも被害が拡大する前に群竜討伐に成功した上、ワレンティアの事件が起きない為、その後も「女王のお飾り」であるままアウラの負担を軽くする事に成功。しかし、サンチョの名簿紛失事件をきっかけにファビオ秘書官から「貴方は生涯一人の側室も取らずに過ごすことは不可能に近い立場だ」「嫌でも側室はいずれ取らなければならない」「側室は無条件で拒絶するのは危険ではある」と、あえてアウラ女王が善治郎に伝えなかった苦言を忠言される。そして先々代陛下と敵王の二王戦死戦についてアウラ女王の「私心の入らない客観的な事実」を知るかどうか聞かれ善治郎はそれを肯定した。アウラの知る真相を聞いた善治郎は貴族名簿をデジカメで保存する事にした。
正妻ヒロイン。南大陸・カープァ王国の女王で善治郎の妻。大戦でほぼ全滅した王族唯一の生き残り。長身褐色爆乳の美女。血統魔法「時空魔法」の使い手。
強力な魔力をもっているが、魔力のコントロールが出来ない為、強力な魔法しか使う事ができない。
カルロス2世が研究しており9割方完成していた異世界召喚の研究を引き継ぎ1年以上かけて完成させ、カープァ王家の血の濃い善治郎を召喚した。
善治郎に腹を割って話し合い「妻アウラとしてのお願い」と「女王アウラとしてのお願い」を要請していたお蔭で側室候補のフレアを押し付けた時に善治郎にアウラの愛情を疑われずに済んだ。
書籍11巻にて、国益の為に我慢を重ねて側室を許可し、善治郎にとっての最善の家族生活を、怒りを通り越して諦めた善治郎のストレスを明確に感じ取って罪悪感をいだいている。書籍14巻にてアウラはフレアと共にルーシーの件で善次郎に負担をかけさせないように決意している。
web版では善治郎はファビオ秘書官からニルダ貴族名簿紛失事件の直接的原因である先々代陛下と敵王の二王戦死戦についてアウラ女王の「私心の入らない客観的な事実」を聞き、アウラは善治郎を『一人前の王族』として扱い事実を伝えるか、『女王の庇護の下』に置いて国家機密に触れさせないかを選ぶ事になり、アウラが知っている真相を善治郎に伝えた。
また善治郎とのお見合いを終えた後のルシンダとの面談でアウラに「村の風習」を伝えた上で、真面目で誠実で一人目の妻を心底愛している男は、「言い寄る女の存在を本当に煩わしく思う」と善治郎に側室を押し付けて最悪家庭が崩壊する可能性があるとアウラとファビオに警告した。
善治郎の側室を必要とするのはアウラであって善治郎ではない、妻はアウラだけでいい、という善治郎にとっては、側室は『二番目に愛する女』である事より、一番愛する女である『アウラ陛下とゼンジロウ様の関係を極力邪魔しない女』である事が大切。アウラ陛下の部下という意識が先に立つような、『理性と能力を兼ね備えた奥を任せる女の部下』である事と『側室の役割を果たせる女としての魅力を感じる者』をアウラ自身の責任で選ぶべきと進言された。
- カルロス・善吉・カープァ(カルロス三世)
善治郎とアウラとの間に生まれた長男。魔力量はアウラを超え、フランチェスコ王子並である。
実はカープァ王家の時空魔法だけでは無くシャロワ王家の付与魔法を発現可能。
家電製品の恩恵により、酷暑による命の危険がなく快適な環境で育っているが、逆に酷暑期の暑さに対応できなくなることを懸念されている。
カルロス二世を慕っていた侍女のイネスからは「カルロ=ゼン」と呼ばれている。
書籍14巻では『新型双燃紙』のお礼としてリーヤーフォン族長から善吉用の走竜の子供が送られる予定で善次郎は善吉が物心つく早くても2年後を予定して走竜の子供を選ばせる事にした。
- フアナ・善乃・カープァ
書籍版で登場。善治郎とアウラとの間に生まれた長女。
エアコンとジルベール王家の治癒魔法により無事安産できた。
アウラの方針で、パソコンの表計算ソフトによる地方貴族の脱税対策に有効である事から後宮にある家電製品の取り扱いを覚えさせ、また、『未来代償』の魔導具と『時空魔法』の『時間遡行』の組み合わせでパソコンや家電製品のメンテナンスをおこなう役割を担わせる予定でいる。
- カルロス・カープァ(カルロス二世)
アウラの叔父に当たる人物で穏健派。サンチョの後に唯一の男子として王位を継いだが、乳幼児の頃の大病が元で子孫を残せる身体ではなかった為、生涯結婚をする事はなかった。
政治を行える身体ではなかったので魔法研究に生涯を費やした。時空魔法だけでなく、四大魔法でも、複数の新魔法を開発していた。侍女のイネスに慕われていた。
「異界にいる、一定より濃いカープァ王家の血を引く男」という条件で時空魔法「異世界召喚」を9割完成させた時点で亡くなり、王位はアウラに継承された。
カルロス二世は「自分は『治癒の秘石』を使う資格がない」と言い残し亡くなった。
- エンリケ・カープァ(エンリケ四世)
サンチョやアウラの兄に当たる人物。貴族社会の標準で見ると兄弟仲は良かった。ポトシ銀山を百数十年前にカープァ王国に取られ国際的価値を失っていた敵国に騙し討ちされた。
- サンチョ・カープァ
アウラやエンリケの弟に当たる人物。敬愛していた兄のエンリケが討たれた事で王位を継いだ『復讐王』。在位を戦場で過ごし一年未満という短い物となった。南大陸西部諸国に復讐心の隙をつかれサンチョ率いる徹底交戦派と敵国国王率いる徹底交戦派と共に戦死した為、皮肉にもカープァ王国は滅ばずにすんだ。サンチョが戦死した際に貴族名簿が紛失し、ニルダの貴族登録が無効になった。同様に貴族名簿から漏れている者が他にもいる可能性がある。
web版では、プジョル将軍は、善治郎がルシンダに興味を持ったと聞かされた事で貴族名簿未記入の次女に標的を移した為、善治郎はファビオ秘書官に説得されルシンダに会わざる得なくなった。
書籍版でも貴族名簿紛失による影響で、ニルダは危うく窮地に立たされる所だった。
カープァ王国からすれば有害な味方または負の遺産。
善治郎側室
アウラ女王の国益に叶う事と善治郎の感情を納得させる事が最低条件となる『特別な立場』。
妻はアウラだけで良かった善治郎にとって側室は「子供達と妻を守る力を得る為」の手段の一つに過ぎない。その結果ウップサーラ王国と双王国出身の側室は国同士の連携の為に必要と判断している。
- フレア・ウップサーラ/フレア・アルカト・カープァ(書籍版)
書籍版で登場する側室ヒロインの一人。北大陸・ウップサーラ王国の第一王女でありながら、『黄金の木の葉号』の船長として大陸間航海を成し遂げたおてんば姫。web版には登場せず、書籍版のみに登場する。
彼女が登場した事により登場人物の行動が大幅に変化し、web版から物語や人間関係が大きく変化した。南大陸を目指していたものの彼女の船がワレンティアに流れ着いたのは偶然だった。
善治郎との会食により、彼がお飾りの王配でない事を見切った。
その後、善治郎の女性を対等な一人の人間として見る人柄に好意をもち、自由に冒険しつづける理想と王家の王女である現実の妥協点として最高の相手と確信し、王都でおこなわれた歓迎のための夜会の場で、半ば衝動的に「(プジョル将軍の)結婚式に善治郎のパートナーとして参加したい」と申し込んだ。そしてナバラ王国とのもめ事を解決した事で善治郎に惚れ直し、打算的な好意から愛情に変わった。
アウラとの交渉で、ウップサーラとの貿易の為に、公爵位と引き換えに数々のカープァ側利益を提示し、側室入りを口頭で承知させた。
アウラの目的であるカープァ国家の国益を満たすこと、善治郎にとっても彼女の人間性は好ましいこと、積極的だが不快な距離の詰め方をせず、尊敬に値する信用できる人物であったことから、書籍8巻で善治郎は釘を刺しつつも側室入りを許可した。
そしてウップサーラ王国の許可が下り次第正式に善治郎の側室入りをする事になる。
書籍13巻にて結婚が成立し、側室かつアルカト公爵となった。
第14巻でフレアがくつろげるよう善次郎が気遣う事をフレアは気にしているが、善次郎とフレアの仲は結婚前より良くなっており、フレアは侍女達を厳選する事で制御に成功した為、善次郎が寛げる後宮を提供できているとアウラは評価している。
アウラ側近
カープァ王家派であり、女王派は王配である善治郎の護衛かつ監視も行っている。
- ファビオ・デウバジェ
アウラの筆頭秘書官。女王派。アウラや善治郎に対して皮肉の意見を言える貴重な側近。
第三者がいる場ではフォローもしっかりする最適な補助役。
- エスピリディオン
筆頭宮廷魔法使い。女王派。先代カルロス2世の魔法の師。妻に優秀な魔法使いであるバスクアラがいる。
血統魔法を使う事はできないが、様々な四大魔法を使う事ができ、豊富な魔力量を持ちながらも魔力の繊細なコントロールをおこなう事ができる例外に近い存在(一般的に王族など大魔力量の持ち主は、魔力量に反比例して細かい制御が難しくなる)。
- マルグレーテ・エストリゼン
ララ侯爵領で育てられたアウラ付きの侍女。後宮侍女の一人だがアウラに付いて王宮にもいる。北大陸の生まれであり、白い肌に金髪を持つ。おしゃべり好きで噂好きであるという評判だが、実は情報収集の為の仮の姿。部下を使って情報収集を行い女王アウラに報告している。
イネスと同じく戦闘も出来るので、善治郎の北大陸出張任務時に侍女として付いて行った。
カープァ王国後宮
善治郎の異世界の我が家とも言える生活空間かつ拠点。水力発電機によって稼働する家電製品により本棟のリビングや寝室といった部屋の一部はリラックスできる空間となっている。善治郎とアウラが国家運営について相談しあう場でもある。
善治郎自身はあくまでも妻アウラや子供達との幸せ家族生活を優先する為、後宮が政局で荒れる要因となりえる側室をとるのを非常に嫌がっている。
- 後宮侍女たち
本編においては脇役であり、一部を除いて名前も登場しない。中にはイネスやマルグレーテのような戦闘員も後宮侍女に擬態して活動する。ちなみに書籍14巻でフレアお付きの女戦士を目指していた侍女がその存在に気づいている。
善治郎の緩い空気と持ち込んだ家電製品に影響を受けた侍女が多く、善治郎の方針により侍女達にとって南大陸一緩くて安全な後宮となっている(普通の後宮だと最悪処分される)。
冷蔵庫やパソコンなど重要な家電製品は厳選された侍女しか触れる事が出来ない(スパイ防止と毒殺防止)。
若い侍女は元々、善治郎のお手つきとなる事を期待されており、背が高い、(現代日本的に)大人っぽい、巨乳等の、善治郎が一目惚れしたアウラに似た要素を持った者が多かった。
善治郎が侍女に興味を示さなかったために目論見は外れたが、善治郎が侍女ととても気安く接するため、善治郎から権力に近づこうとする貴族たちから後宮侍女に対する婚姻攻勢が強くなり、後宮侍女経験者の価値が跳ね上がった。
書籍版の巻末についている「主と侍女の間接交流」シリーズで登場する侍女達であるが、書籍版12巻の特装版に付属したドラマCDはこのシリーズの新作となっているため、主役組を差し置いて声がつく事となった。
- フェー
CV:小倉唯
「問題児3人組」の一人。体力と元気が売り。初期後宮侍女の仲では例外的に背が低く胸も無い。王都の旧領主一族であり王都警備隊を世襲し、後の宰相であるレガラド子爵の長女。
- ドロレス
CV:諏訪ななか
「問題児3人組」の一人。下級貴族の生まれ。料理は若干苦手だがそれ以外は要領よくこなす。身長約180センチで南大陸の女性としてはずば抜けて背が高いが胸が薄い。3人の中では度胸があり家電製品の使い方を覚えていた為、北大陸撮影要員として善治郎の北大陸出張任務についていく事になった。
- レテ
CV:安野希世乃
「問題児3人組」の一人。フェーほどでは無いがドロレスの実家より家格の高い家の生まれ。とても胸が大きく、やや体力に欠け、ややどんくさい。料理が得意なのでヴァネッサの後釜になる為に料理の腕を磨いている。
- ケイト
善治郎直属の騎士であるナタリオ・マルドナドの妹。マルドナド家は爵位も無い騎士家だが、善治郎の数少ない側近の妹であるため、ケイトを嫁に迎えたいという申し込みが侯爵家、伯爵家などを始め、雪崩のように押し寄せている。
- ミレーラ
マルケス伯爵家の分家の娘であり、マルケス伯爵の姪。大戦時に親をなくし、将来の政略結婚の駒としてマルケス伯爵家で養育される。
カープァ屈指の大貴族の姫として育てられたため、後宮侍女としての仕事が苦手。
自分自身の価値を高めるため、善治郎がこの世界に持ち込んだ乳製品を使う菓子レシピの習得に情熱を傾けることを誓う。
- アマンダ侍女長
CV:川澄綾子
「後宮使用人総括責任者」の侍女長。ガジール辺境伯の従妹。既婚。
- ヴァネッサ
CV:本多真梨子
「調理責任者」の肩書を持つ中年の侍女。既婚。ざっくばらんな態度を取るため、育ちの良い侍女たちからは交流しづらいと感じられているらしい。
他の侍女長達に比べると普段は緩いが、料理と冷蔵庫の管理だけは徹底している。
- イネス
ララ侯爵領出身の「清掃担当責任者」。
実は群竜を複数倒すほどの戦闘力があり、気配を消しつつ超人じみた素早い移動を得意としている。その為アウラの命令により善治郎の単身赴任任務には必ず付いていき、秘書的な立場となる。カープァの文字を書くのが苦手な善治郎の代筆をおこなう事も多い。
かつて先王カルロス二世付きの侍女であり、恋仲であった。そのため同名の善治郎の長男をカルロ=ゼンと呼んでいる。
web版では掃除に役立つ『風の指』など、カルロス二世のオリジナル四大魔法を習得している。
- エミリア
「庭園担当責任者」。既婚。職務中は厳しい上司であり、雨期であれば緊急度の高い仕事を除いて簡単に終わらせるが、逆に仕事がある場合はまったく容赦が無い。
- オラジャ
「浴槽担当責任者」。既婚。
- カサンドラ
長男カルロス・善吉の乳母。
- エスメラルダ
長女フアナ・善乃の乳母。
その他、騎士等
- ナタリオ・マルドナド
竜弓騎兵団の騎士。プジョルが善治郎に贈与した竜弓を、王家に忠誠心の持った騎士に貸し与えた縁により善治郎直属の騎士を務める。王族直臣の俸禄は大型銀貨20枚の特別手当が出る。善治郎初の直臣。
善治郎出張時はだいたい侍女のイネスとセットで善治郎護衛任務につく。
妹に後宮勤務侍女のケイトがいる。兄妹揃って善治郎の双王国出張任務に同行した。
第14巻で出世して多忙になったナタリオに善次郎が親近感を抱いている。
- ミシェル
カープァ王家の宮廷医師。アウラや善治郎に対し健康に関して一歩も譲らない。
- アレハンドロ
アウラの第二秘書でファビオの部下。ファビオに比べると言動に可愛げがあるが、「打てば響く」というとまではいかない程度の仕事ぶりとアウラに評価された。
- エラディオ(書籍版)
書籍版に登場する竜弓騎士団第三大隊大隊長。双王国でプジョル将軍の代役を務める事になり、外交窓口として彼の部隊は双王国に残る事になった。
カープァ王家領地・施設
王家直轄領や施設を紹介する。大戦前は各地に『瞬間移動』の使い手を配備していた。
地方領主の独立性は高く王国に対する納税義務を果たせば王都は原則介入する余地はない。
- 東の国境砦ムジュイック
書籍8巻で名前だけ判明した場所。
- 西の港街ワレンティア
領主はワレンティア公爵だがアウラが兼ねる。ワレンティア代官は法衣貴族ダミアン担当。書籍版ルートで善治郎が初出張任務でアウラの瞬間移動で送られた。善治郎がワレンティアに来た事で貝から消石灰作り、山羊から乳製品作り、ワレンティアの砂でガラス宝玉製造技術を向上させる事に成功した。
- 南のポトシ銀山
領主はポトシ伯爵だがアウラが兼ねる。敵国から奪いとったカープァ王家の重要財源の1つだが、水を掘り当ててしまった鉱穴による水害が絶えない。かつて復讐王サンチョが王都に戻らず、ポトシの街を拠点に政治を行っていた為、「貴族名簿紛失事件」が起きた。「水操作」「土操作」の魔法作業員だけでは排水しきれない為、web版では『職人の箱庭』で手押しポンプの開発を始めている。
- 北の旧王都ララ侯爵領
あくまでララ侯爵領であり王家の領地では無いが重要な地として数えられる。アウラの育ての親にあたるララ侯爵夫妻が滞在する領土。web版ルートで善治郎が瞬間移動習得後、ララ夫妻の三女、四女を王都に飛ばす為にアウラの瞬間移動で送られた。
- 王宮内の『職人の箱庭』
武具や鉄製品などの作る製鉄技術者である鍛冶屋や職人を集めた場所でカープァ王家が職人への命令が面倒という理由で王宮の裏庭に作られた。畑や肉竜や山羊などの家畜も管理しているのでいざという時は籠城も出来るようになっている。
書籍版に比べて行動範囲の少ないweb版では順調に「お飾りの王配」を演じ続けている善治郎が平民の職人達と気安く関われる貴重な場所でもある。職人の何人かは善治郎が女王に色々入れ知恵をしていると確信しつつ、「女王の命令」である為その発言を鵜呑みにして知らない振りをしている。善治郎の入れ知恵で甘い蒸留酒(北大陸には甘いものから辛いものまで存在する)、水車改良、ガラスなども作っている。
書籍版ではワレンティアの砂でまだ不十分だが透明化に成功、そしてかまど1つの犠牲に付き100個作成内の4~6数個の宝玉製造に成功(これでも黒字になる)。web版ではいい砂が入手できず苦戦中だが、かまどをボナ王女作魔導具の『耐熱強化』で強化する事でかまどを長持ちさせる事に成功している。
- 王領の「塩の街道」
カープァ王国内の領地全体に円滑に塩を送り届ける為の道。群竜などの竜種による被害も絶えない。web版では被害が拡大する前に収束するが、書籍版ではワレンティアを巻き込む騒動になった。
- 王領のバレアス島
酷暑期にカープァ王家が瞬間移動で避難する為の避暑地。
書籍14巻にてアウラが『爆炎の魔道具』の威力を確認する為に使用した。
- 王領の無人島(web版)
ガラスで有名な中世ヨーロッパの都市国家ヴェネチアが取った火事防止と技術隠蔽の為の方策(滅亡まで隠し通した)を善治郎に入れ知恵された事で、アウラはガラス製造が成功した暁には国家百年の計の為にガラス製造拠点を王領の無人島に製造拠点を移し、島からの出入りを一切禁止にする事を半ば本気で検討している(瞬間移動で行き来する事で追跡される事もない)。船旅は常に命懸けである上、「方位磁針」すらもない異世界なので100年以上隠し通せる可能性が高い。
書籍版ではアウラは善治郎に技術隠蔽の入れ知恵をされた描写がないので無人島にガラス工房を作る計画があるかは不明。双王国への宝玉製造技術の長期隠蔽は不可能と考え、せめてカルロスの代までは宝玉作成技術を守りぬきつつ、有能なガラス職人を増やせるように娯楽関連のガラス製品にも力を入れている。
ララ侯爵家
- フェルナンド・ララ
書籍版では度々言及されることはあるが未登場。ララ侯爵家の当主。プジョルの前任の将軍。アウラの乳母の夫であり、アウラにとっては育ての親に当たる。
通常、領主貴族は将軍職(に限らず宮廷の要職)には就けないが、大戦中に人材が足りなくなった事から特例として将軍職に就いていた。
プジョル将軍の威圧的な圧力とはまた違う、圧倒的な存在感のある人間。合理主義者かつ完璧主義でとても厳しい人物らしい。
アウラとの距離が近すぎてアウラの治世に悪影響を与えることを気にしており、北の守りであるララ侯爵領に引きこもって結婚式にすら出てこなかった。
大戦中、アウラはララ侯爵家の軍を借りていた。
長男夫妻は王都に詰めており、他家に嫁いだ長女、次女、未婚の三女、四女がいる。
- エルミラ・ララ
ララ侯爵夫人。夫であるフェルナンドと共にアウラにとっての育ての親。
厳しさと寛容さを併せ持つと言われるが、夫と同様に完璧主義らしく、ガジール辺境伯が娘のニルダの教育をアマンダ侍女長に相談した際に名前が挙がったが、「礼法が完璧に身につくまで返してくれない恐れがある」とガジール辺境伯が拒絶した。
- アイダ・ララ
ララ侯爵家三女。十七歳。善治郎は四女ロリタと共に「この年頃で、言葉もドレスの捌き方も、これほど洗練されている少女は王宮でも見たことがない」と評した(あくまでも善治郎視点)。
服飾に情熱を傾けており、自らプライベート用のドレスを縫うほか、国に流行を作り出してみたいと語る。
- ロリタ・ララ
ララ侯爵家四女。十五歳。引っ込み思案で、とても器用で色々なことを要領よくこなすが特定のことに執着を持たない。
暇な時間は、活動期であれば日向ぼっこ、酷暑期であれば水を張った桶に足を入れてぼうっとし、雨期は部屋から雨が降るのをぼうっと眺めている。
ギジェン侯爵家
- プジョル・ギジェン
ギジェン侯爵家の当主。カープァ王国の将軍で超人じみた身体能力を持つ。カープァ王国の英雄となった武人。その為貴族というよりは武人や軍人寄りの出世欲が強い。カープァ王国を支配したいという野心があるが、内紛で滅びた亡国カープァ王国を支配したいわけではない。よってアウラの政敵ではあるが、カープァ王国を守る時は協力し合う。
アウラの元婚約最終候補の一人だったが、その「餓狼」と呼ばれる「野心」が危険視され、カープァ王家王配として問題あるとアウラに評価された。
善治郎は敵と味方しかいないタイプ、と評し、実際に支持者は多いが敵対者も多い。恐れを知らないタイプだが、敵に回すとまずい相手に対して愛想笑いをするくらいのことはやってみせる。
書籍版ではルシンダ・ガジールと結婚した事によりしたたかさが加わり、精神的な成長を遂げた。手間はかからなくなったが、政敵としては手強い相手となった。
善次郎の瞬間移動習得の情報を得てアウラと面会し、双王国行きの前倒しに成功する。
善治郎への対応が結婚前は側室を押し付けるなど強引で単純な方法だったのに対し、結婚後は善治郎とのコミュニケーションで双王国出張中に気安くなる位に関係を改善しており善治郎との付きあい方も1から10までルシンダから助言されたと思われる行動が見受けられる。
プジョルの結婚相手がweb版と書籍版との大きな分岐点である。
- ルシンダ・ギジェン(書籍版)/ルシンダ・ガジール(web版)
ガジール辺境伯家の長女。地味だが整った容姿を持つ。先の大戦時には領地経営を引き受けていた為、カープァ王国における結婚適齢期を逃していた(善治郎にとっては結婚適齢期)。
web版書籍版共に性格は変わらず思慮深い女性である。
辺境という田舎育ちなので体の強さにはそれなりにある(少なくとも女子供と同類の善治郎よりは体力がある)。走竜に乗って活動する事が多かった。女が表立った名声を上げる事は南大陸の価値観では良い結果をもたらさない為、多種多様な問題を鮮やかに解決する有能さを見せる前に、問題を問題として発生させない事で傍目には平和な領地の領主代行であったため、聡明で有能であるにもかからず無名であった。
書籍版では善治郎とアウラはワレンティア対応に追われ、プジョル将軍のガジール辺境伯家取り込み工作に気づけず、アウラ達が気付いた時には既にプジョル将軍との結婚が半ば成立していた。ルシンダは影からプジョル将軍を支え、知恵を与え、大きく成長させた。
書籍版では、アウラ王女からすればそのままプジョル将軍を制御できるなら問題ないとも評価しているが、脅威であり重大監視対象の一人。
web版では善治郎とアウラが群竜退治中のプジョル将軍によるガジール辺境伯家吸収工作に気づき、群竜退治に出かけた三男が心配で王配の善治郎に接触してきたミゲル・ガジールと会話し、善治郎がルシンダの話題を出しておく事でアウラはその事実でプジョル将軍を牽制するが、標的が貴族名簿未登録の次女ニルダに変わってしまい、ルシンダは実質善治郎の側室候補となった。名簿の件とアマンダへの情報収集で女王アウラがプジョル将軍相手に対して失策した事を悟った後は善治郎とお見合いする事になるが、ルシンダが家族の話題を話した時に緊張がほぐれ落ち着いた事で「側室候補」という不快感がなくなり、王宮に上がる際のマナーとして使用する香油を必要最低限にした上にペパーミントと植物性香油と苦手な匂いでなかった事も好印象となり、その後のガジール辺境伯領の近況や日常の会話は善治郎にとって楽しい会話となった。
「女王の伴侶として、裏から女を支え、女王一人を愛し、愛される善治郎がいるからこそ、国は安定している」と善治郎とアウラの関係を、全面的に肯定して貰ったのはルシンダが初めてだった事が決め手だったのか、アウラに「これまで紹介されてきた女の人の中で、どうしても誰か一人を側室にしなければならないのだとしたら、俺はルシンダさんを選ぶと思う。ルシンダさんが良い」と回答した。
ルシンダは地方領主貴族らしく血族への情が深い女性で妹ニルダの結婚を円滑に終えるまでアウラはルシンダの情報収集に努めた。さらにルシンダを引き抜いたら、ガジール辺境伯領が回らなくなる危険がある為、チャビエル・ガジールの婚約者探しをする事になった。
ルシンダの結婚相手がweb版と書籍版との大きな分岐点の1つである。書籍版では国内側室候補所か、ルシンダによる善治郎やアウラ女王達への明確な助言すらも無い為、平和だった家族関係が歪みつつある。
- プリモ・ギジェン
プジョルの叔父に当たる人物。画家、彫刻家、職人、芸術家、美術品、工芸品、美食などあらゆる「道楽」に対する欲望が強い浪費家であるが、人脈を広げる事を得意とする。
書籍版のガジール辺境領での結婚式で善治郎とフレア姫に挨拶するだけと出番が少ない。
しかし、web版の王都での結婚式では出番が多い。後々プジョルに王都隣国人脈網を利用される恐れが高い為、カープァ王国を通さずに双王国の繋がりを持たせないように配慮し、結婚式の準備でギジェン家の資産どころか、カープァ王家の資産まで使われ双王国に莫大な富が流れないように、善治郎とルシンダが道楽者プリモと双王国技術者2人が暴走しないよう監視する事になる。
- ファティマ・ギジェン
プジョルの妹でギジェン家政略結婚要員。超ブラコンで、プジョルの命により善治郎に度々接触してくる。美人でモデルのような長身(善治郎より背が高い)と薄い胸の持ち主。
マルケス伯爵家
- マヌエル・マルケス伯爵
マルケス伯爵家の当主。カープァ王国屈指の大貴族。力押しのプジョル将軍でさえ話し合いに応じさせる。現状でそれなりに満足している為、一か八かの賭けに出る必要がなく後妻や息子に警告された事もありアウラや善治郎に敵対する行動はせず、現在はアウラと善治郎の仲を取り持つことで王家に恩を売ろうとしている。
アウラの政敵であるが、カープァ王国を守る時は協力し合う。
web版では善治郎の瞬間移動習得をいち早く知りマルケス伯爵は『善治郎をマルケス伯爵領へ招待すること』を希望した。
- ラファエロ・マルケス
極めて有能な文官だが、極めて受動的な質。アウラ女王の元婚約者候補候補の一人であったが、父親に従順すぎる為、カープァ王家の王配としては問題ありとアウラに「操り人形」と酷評された。
父の意向に従いつつもその対応は自らの意思で行う為、ワレンティアでいち早く善治郎の本質に気づき精神性を「化物」と評価し、善治郎の不興を買わない為に善治郎の意向である「女王のお飾り」に見えるように出来る限り事実そのままの噂ですむように情報工作した。
父に善治郎の情報を集めるまでは敵対や味方の振りをして近づくのは危険と警告した上で善治郎の情報を集めた後は味方につける事を提案している。
プジョルとルシンダの結婚式のパートナーとして元後宮侍女のキーシャを連れて行った。
web版ではワレンティアの隣に住む地方領主貴族という制約もあり未登場。
- オクタビア・マルケス
マルケス伯爵の後妻。控えめで男を立てる人柄であり、カープァ王国では理想的な貴族女性とされる。王国内ではやや色素の薄い黒髪の美人であり、かつては「宮廷の名花」と評され、社交界で男性から非常に高い人気があった。善治郎の家庭教師かつ魔法の師匠として、カープァ王家として必要なマナーと常識と魔法の基礎を教える。
有料の書籍版では載せられる情報量に限りがあり、善治郎の教育場面にページを割くわけにもいかない為web版よりも出番が大幅に少なくなっている。
- キーシャ
マッサーナ男爵家の娘で元後宮侍女年長組の一人。踊りの名手かつ派手目な美女であり、かつてのオクタビアほどではないが人気があった。マヌエルの善治郎情報収集の一環としてラファエロの婚約相手に選ばれた。善治郎と気安く会話している所を周辺の貴族達に聞かれた結果、後宮侍女は善治郎へのバイプになりえると評価され後宮侍女の価値を上昇させる結果になった。
ガジール辺境伯家
- ミゲル・ガジール
ガジール辺境伯領の当主。実直な性格でその影響か、ガジール辺境伯家の陪臣貴族は、貴族社会では珍しい位に実直で人格的に信用できる人が多い。その反面、貴族の政局を苦手とする為、マヌエル・マルケス伯爵に苦手意識をもっている。善治郎に負けない位子煩悩で領土統治で負担をかけた事で婚期の遅れたルシンダ、群竜退治に行ったチャビエル、「貴族名簿未記載事件」に巻き込まれたニルダと何かと子供達の心配をする事が多い。その為ニルダには父というよりは祖父のような存在であるらしい。
ニルダの貴族名簿紛失の件で王家に不満を抱くが、王配の善治郎に次女を助けられ恩義を感じた為、善治郎の意向を感じ取り王家への忠誠を改めて誓った(牽制しておかないと女王派ではなく善治郎派となり勝手に持ち上げられる可能性があった)。
また、貴族でありながら効率が良ければ自分で出来る事は自分でするので、侍女がいるのに命令せずに自分で物を取りに行く癖も善治郎に似ている(効率が良くても貴族常識としては正しくない)。
- チャビエル・ガジール
ガジール辺境伯家の三男。先の大戦で長男と次男が戦死した為、次期当主とされる。ガジール辺境伯領に必要な実績を上げて領地の民に認められる事による得られる治安安定の為、そして父ミゲルの期待に応える為、「塩の街道」で群竜討伐に参戦するが、塩を運んでいた商人達と鈍竜の被害具合から群竜の数が最低でも20~50匹と多くチャビエルの率いる辺境伯軍100人の兵の内半数が犠牲になりかないという、許容できない被害が出ると判断した為、プジョル将軍率いる国軍に応援を要請した。
書籍版ではプジョル将軍と合流してもなお国軍単体では苦戦する為、王宮に支援要請し山狩りを行うが、群竜に逃げられ港町のワレンティア周辺まで移動して群竜と戦う羽目になる。
web版ではプジョル将軍が足止めしてる群竜のボスをチャビエルがアントニオから借りた竜弓で仕留めガジール辺境伯家としての面子を果たした。ルシンダとアウラによって、ララ侯爵家の三女、四女、その他、他家の令嬢らとの、王家の影響がある縁談が持ち上がった。
- ニルダ・ガジール
ガジール辺境伯家の次女。web版書籍版共に王家が保管する貴族の名簿が不備により記載されず認知されていない事が判明するが、発覚のタイミングと展開が大きく異なる。
書籍版では将軍の結婚式中に善次郎とフレア姫が、ニルダが貴族でなかった時の為に対応し、アウラに小飛竜便で問い合わせ、善次郎が王都帰還後に発覚、web版ではプジョルとチャビエルがアウラに竜種退治報告とプジョルがガジール家の女性と結婚式を行うという報告中の会話で判明する。相手の毒気を抜く天然的特性を持つが、敵国ナバラ王国には全く通用せず悪意を向けられピンチに陥った。
ニルダの運命がweb版と書籍版との大きな分岐点である。
書籍版ではアマンダの提案で後宮侍女となり、後にフレア付きとなった。web版ではプジョルとの縁談が決まった。
- アントニオ
竜種専門の猟師。群竜退治に出かけるチャビエルの補佐としてミゲル辺境伯が呼び寄せた。
彼の実力は竜弓騎士団全盛期では中の下だが、プジョル将軍の竜弓騎士団では上の下位の力量をもっている。書籍版ではプジョル将軍の威圧に耐えられず脅えてしまい事情を聞きだしたチャビエルが説明していたが、漫画版ではその回りくどい設定はなくなり少々緊張する程度に改善された。
- セペロ(書籍版)
ガジール辺境伯家の陪審貴族で王都屋敷を預かる重鎮。ガジール辺境伯が冠婚葬祭などで留守の時に代理代行となる。アマンダ侍女長の夫でもある。
- ジョゼップ
王都に滞在する腹心の騎士。web版ではルシンダに貴族名簿紛失の件とニルダ結婚の件について報告した為、ルシンダはアウラ女王の失策の可能性に思い当たった。
シャロワ・ジルベール双王国
中東に近い異世界文化を構築している。シャロワ王家は内政担当、ジルベール王家は外交担当。北大陸から流れてきた血統魔法を持つ2つの王家の移民と血統魔法を持たない砂漠の民の四公が協力して双王国を建立した。双王国では公爵は双王国領土の本来の持ち主であった四公のみを指し、王、法王と王太子を除いた王族よりも四公の地位が高い。
シャロワ王家は150年前カープァ王国と敵対しており、シャロワ王家の姫君と敵対している王子が許されない恋をして「絶対に手の届かない新天地」に旅立たせた。
血統魔法を外に出さないのが南大陸国家の常識であったが、イザベッラが聞いた善治郎の出生と、その裏を取った後は、既に双王国の血統魔法がカープァ王国に流れていると判断され、例外的に他国の王配である善治郎に側室を送る事が双王国の方針となった。
付与魔法を使えず政略結婚にしか使えないルクレツィアを善治郎側室にするのが双王国にとって最善だが、別に付与魔法が使えるボナでも、王家に多少のリスクがある四公の側室でも構わないので、政略結婚を成立させたいと双王国王家(より正確にはシャロワ王家)は考えている。
ジルベール法王家
ジルベール法王家の血統魔法は「治癒魔法」。
あらゆる病気や怪我を治す事のできる強力な魔法の一つ。
- イザベッラ・ジルベール
ジルベール法王家の王女。五指に入る「治癒魔法」の使い手。
書籍版では温厚そうなおばさんだが、漫画版では治癒魔法の力により若返った少女の姿をしているので「治癒魔法」の裏技を使っているのかもしれない。コブラゴ王国前王ルイス二世の治療帰りにカープァ王国の瞬間移動で帰国しようと立ち寄り、そのとき「森の祝福」にかかっていた善治郎を治療した。
善治郎の持ち物である結婚指輪の魔導具付与の依頼と硝子玉とビーズを鑑定してもらった。
硝子玉が金貨30~50枚であるのに対し、ビーズは銀貨10枚というあらかさまで隠す気はないという鑑定結果を出した。鑑定の礼としてアウラは複数のビー玉の中から好きな物をひとつ選ぶように進呈し、イザベッラは無色透明のビー玉を選んだ。
後に第二子を妊娠したアウラの為に瞬間移動を習得した善治郎がベネディクト法王と交渉し、イザベッラの一か月の派遣許可をもらった。
- ロベルト・ジルベール
イザベッラほどではないが、「治癒魔法」の使い手。
コブラゴ王国は前王ルイス二世の治療をロベルト王子に依頼したが、双王国側は「料金はそのままでいいのでイザベッラ王女を派遣しましょう」とねじこんだ。基本的に女性しか入る事が出来ないカープァ王国後宮に立ち寄り善治郎と対談するのが真の目的だった模様。
- ベネディクト・ジルベール法王
十八代ジルベール法王でシャロワ国王と同格の立場にある。
シャロワ王家
シャロワ王家の血統魔法は「付与魔法」。
「魔道具」を作り出す事のできる強力な魔法の一つ。「付与魔法」の裏技として一定の条件を満たした物資を用いると極端に時間と労力を短縮できる。
- フランチェスコ・シャロワ王子
シャロワ王家の第一王子の長男。善治郎に倍する魔力量の持ち主にして、ボナより少し下回る程度の精密操作ができる(ボナには驚異的と言われている)。若手では五指に入る「付与魔法」の使い手。
アウラの結婚指輪に「発火」の魔法を込め魔道具化した。
善治郎や善吉に親近感を感じている。王位を継ぎたくない為、ラルゴ王子と協力関係にある。
実はジルベール法王家の治癒魔法も習得しており、豊富な魔力量はそのため。カルロス・善吉の治療をおこなった。
- ボナ・シャロワ
下級貴族だったが、10歳の時に先祖返り的に「付与魔法」が発現した為、シャロワ王家入りした。
マルガリータ王女が付与魔法の師匠となった影響で、なお反面教師で怪我の絶えない武具の付与はついていけないと確信した為、行わない。
善治郎の側室候補の一人だが、ブルーノ王の方針で本人にはその事を伝えていない。
善治郎との相性はよく、「水形状変化」魔法を利用した水レンズの魔導具などのアイディアを得る事ができた。
アウラ女王としては双王国の側室は付与魔法が使えて善治郎との相性がいいボナ王女が最善と考えているが、ルシンダの助言を得られない書籍版ではアウラが「女王の推薦」ではなく「善治郎の判断」で選ばせた結果、ボナ自身が政略結婚に興味がないので(妻と子供達を守る為の手段を得る)目的達成が困難と断念した。相手に望まぬ婚姻を強いる事を望まず、善次郎自身の心の平穏を保つ為、ボナ殿下を候補にしなかった。
- ブルーノ・シャロワ
シャロワ王家国王。善治郎を双王国の後継者争いに巻き込んだ。シャロワ王家とジルベール法王家の統合を目的とする『完全融合派』で、善吉をフランチェスコ王子の将来の即位の口実にしようとしたため善治郎に敵視される。ブルーノ王側は善治郎には特に敵意を見せない。
善治郎とアウラの報復により外交窓口がラルゴ王子とジルベール法王家寄りの外交官のみとなりかねないため、引退して先王として直接アウラに交渉しに行く羽目になった。ただしこの計画は善治郎がウップサーラに赴いたため帰国まで延期された。
- ジュゼッペ・シャロワ
王太子だったが、正式にブルーノの王位の後を継いだ。『完全融合派』でブルーノ王と同様に善治郎に敵視される。こちらも同様に善治郎に特に敵意を見せない。教会対策により善治郎との関係回復を試みるが、うまくいっていない。
- ラルゴ・シャロワ
シャロワ王家の保守派。四公爵家のエレハリューコ族長派、リーヤーフォン族長派でもある。
善治郎に風の魔力で30㎝だけ浮く幼児用遊具である魔導具「浮遊絨毯」をカルロス用に贈与した。ついでに「浮遊絨毯」を防音効果として利用し善治郎と密談した。善治郎に『完全融合派』の企みを吹き込み情報の裏を取った後は協力関係になる。
書籍14巻ではブルーノ国王やジュゼッペ王太子のように感情を逆なでして『交渉不成立』にならないように気を付けながら善次郎と交渉している。
- マルガリータ・シャロワ
ジュゼッペの弟であるフィリベルト王子の長女でルクレツィアの実の姉。善治郎の結婚指輪に「水作成」の魔法を込め魔道具化した。
武具の付与だけでなく鍛冶も行えるが、怪我が絶えずジルベール家のお世話になる事が多い。
非公式の場ではルクレツィアを妹として扱っている。
善治郎に護身用として「風の鉄槌」を渡す代わりに料金はいらないので3回だけ妹のルクレツィアにチャンスを与えてほしいと言われて仕方なく承諾した。
- ルクレツィア・ブロイ(書籍版)
書籍版で登場。双王国から送られた6人の側室候補の内の一人。ジュゼッペ王の弟であるフィリベルト王子の娘でブロイ侯爵の養女。善治郎への愛情が完全にない側室政略結婚候補であり利用対象にすぎないのである意味「呪われた風の鉄槌引換券」とも言う。双王国であるシャロワ王家の「付与魔法」が発現せずブロイ家の養子に出された。王家に返り咲く為に善治郎の利用を目論むドジっ子悪女。目的の為ならライバル達も利用する。ただし善治郎の好みとは対極に位置する子供っぽい容姿。
善治郎に側室を送る事自体は双王国の方針なのでブロイ侯爵も彼女をフォローして数々の魔導具と引き換えにフレア王女から善治郎の側室になる方法を聞き出す。
善治郎はマルガリータ王女から聞かされた彼女の境遇に同情はしているが、善吉を仮想敵として利用した彼女の伯父であるジュゼッペ王ら同様ルクレツィアを信用していない。ボナ王女の方が善治郎との相性はいいが、互いに恋愛感情は無く政略結婚に興味のないボナ王女を巻き込むのは酷な為、積極的に善治郎を利用してくるルクレツィアとの政略結婚で妥協する方が交渉の余地があると諦観している。
正式に善治郎の側室になった後は用済みのフレア王女を排除予定なので、善治郎の家族空間を政局の場にする行動が知らず内に善治郎の逆鱗に触れつつある所は祖父ブルーノや伯父ジュゼッペとそっくりである。ブロイ家侍女フローラが言うように善治郎の幸せ家族空間である後宮が赤い血に染まるのも冗談では済まないかもしれない。書籍14巻でアウラとフレアの密会でルクレツィアの性根が変わらないままだと高確率で波紋を立てると確信している。アウラとフレアは側室を望まなかった善次郎に間違ってもルクレツィアに関する苦労をさせないと決意した。
マルガリータ王女の「風の鉄槌」を無償で受け取った代償により、金銭はいらないので3つだけ妹の要望を断らずに聞いてほしいと言われている。
1.ルクレツィアを黄金の木の葉号に乗せる事。(書籍11巻)
2.船上でルクレツィアをルーシーと呼ぶ事。(書籍12巻)
3のお願いは未定。
- ルキーノ・ブロイ
ブロイ侯爵家当主。付与魔法に目覚めず王族の資格を失い養子に出されたルクレツィアを愛情深く育てながらも、同時に王家の娘として育てた。
- モレノ・ミリテッロ
シャロワ・ジルベール双王国外交官であり騎士でもある。
表向きは結婚指輪の魔導具化完了の要件。裏の本題では18項に渡る密約を交わした。
シャロワ王家の息のかかっている者の中で彼が一番の外交権限を持っている為、シャロワ王家にとってはジルベール法王家を経由せずにシャロワ王家に有利な外交を行える貴重な人材である。
ただしアウラからは、これ以上の交渉をしたいならば、モレノよりも上の権限を持つ外交官を寄越せと言われている。
四公爵家
血統魔法を持たない砂漠の放浪民。エレハリューコ公爵(族長)、リーヤーフォン公爵(族長)、エレメンタカト公爵、アニミーヤム公爵の事。
四公爵はそれぞれ赤髪のシェラ、青灰髪のナズィーム、金髪のタラーイェ、黒髪のフィクリヤを、下心ありで公爵の代理人として善治郎に使わした。
新王は四公に魔導具を贈与する風習があり、善治郎が相談役になった為に彼女らと面談する事になった。ボナ王女同様、四公側室候補自身に政略結婚への興味は薄く、一族繁栄の為の交渉や商売を最優先する姿勢が側室を取るのを嫌う善治郎に好印象を残した。
後に、タラーイェは金鉱山採掘時に発生する事故被害を防ぐためカープァ王家の時空魔法「空間遮断結界」の魔道具購入を、フィクリヤは行き詰まった魔法研究の打開を目的に善治郎の瞬間移動でカープァを訪れる。
なお、タラーイェは善治郎の好みに合致した容姿をしており、善治郎はその肢体に動揺して瞬間移動に何度か失敗している。
書籍14巻にてエレハリューコ族長とリーヤーフォン族長から『新型双燃紙』のお礼として善次郎と善吉に走竜が送られる事が決定した。
ウップサーラ王国
北大陸北部にある中堅国の一つ。書籍版ルートで善治郎が訪問する事になった技術先進国でフレア王女の故国。
船長を男性、船を女性と例える文化がある。
北大陸で教会の息がかかっていない貴重な国。
黄金の木の葉号
ウップサーラ王国海軍八番船。北大陸で数えるほどしか存在してない四本マストの巨大帆船で最新鋭船。書籍版で登場し、ウップサーラ王国から100~120日ほどかけて南大陸のワレンティアに偶然辿り着いた。(web版ではワレンティアに流れ着く形で寄港しない。web版と書籍版の展開を大きく変えた分岐点の象徴の1つといえる。)
善治郎がウップサーラに渡るために乗り込んだ際、善治郎の方針により危険な船旅では人命を最優先に守る為、身分に関係なく丁寧な言葉づかいをせず、気安い言動で対応する事が許された。その為善治郎が直属の騎士や兵士とのコミュニケーションの場としても最適な場所となっている。
書籍14巻にて『黄金の木の葉号』はあくまでもウップサーラが唯一自由に動かせる大陸間航行船な為、カープァ王国側室入りしたフレアが船長として乗る事は出来ないので新たな船を手に入れ船員を探す必要があると判明した(善次郎以外の相手と結婚していたら船の冒険所か、一生後宮生活になっていたから船はくれないし、ねだらないとの事)。
web版では未登場と思いきやweb版100話で南大陸一の大国トゥカーレ王国に辿り着いており、書籍版で漂流しなかった場合、恐らく本来の目的地はトゥカーレ王国方面だったと思われる。
- ヴィクトリア・クロンクヴィスト
書籍版に登場。「魔女スカジ」の異名を持つ超人的な身体能力を持った戦士。フレア王女の護衛と侍女としての役割も可能。
当初は戦闘力のない善治郎をお飾りの王配として軽視していたが、フレア姫の話とワレンティアの対応により評価を見直した。
戦闘中にダメージを受けても魔法を発動できる強靭な精神力をもっている。
一騎打ちで群竜のボスである巨大群竜を倒した。
- ニコライ
書籍版に登場。善治郎がカルロスの出産祝いとして受け取った山羊の世話役。『黄金の木の葉号』が北大陸に戻ることになっても、アウラと善治郎の意向で、山羊の育成技術をカープァ王国に伝授する為にカープァ王国にしばらく一人で残る事になった。
第14巻ではいつの間にか『元船員』となっていたが、山羊を順調に増やし続けている。
- マグヌス副長
書籍版に登場。『黄金の木の葉号』副長。マグヌスという名は呼びにくい上、北大陸では同じ名前の船員がいるので『副長』と呼ぶ事になった。フレアが善次郎の元に嫁入りした後は肩書が船長に戻っていると思われる。
web版100話では『マグヌス船長』として存在している事が判明した。南大陸一の大国トゥカーレ王国と大陸間貿易交渉を既に終えている描写がある。
他国・他団体
- グプタ王国
血統魔法は「雷」。大戦初期「雷壁の杖」という1本の魔導具で敵軍五千を半年間足止めに成功した「バランゴ峠の奇跡」の話が有名。西のクシャール王国、東のワルタナ王国に同時進行を受けたが、片方を撃退し、片方を「雷壁の杖」で守りきった。
雷壁の杖は木造りの杖の先端に大きな丸い透明水晶球が飾られた形状だった。
双王国にとってグプタ王国はそこそこ重要な国でもある。
- ナバラ王国
ガジール辺境伯家と国境隣接する書籍版7巻で登場する中堅国家で仮想敵国の一つ。
ニルダが立ち入り区域に侵入した騎士ライムンドを目撃した事でガジール辺境伯家と揉め事になる。善治郎との討論でライムンドが自白しクリス騎士長が裁判に敗北した後もニルダを庇った王配の善治郎とフレア姫を軽視し侮辱した。その事により裁判中は大人しくしてたプジョル将軍に叱責され平謝りしたが、プジョル将軍はどのような理由で発言したのかの言質を取ろうとしていた。ナバラ王国の英雄マルディン・ナダル将軍が頭を下げる事でプジョル将軍がクリス騎士長に礼儀作法と武術を教える為に国に案内(身柄拘束)しようとするが、ルシンダにやんわりと牽制されガジール辺境伯の様子を見て利害計算した上で断念。クリス騎士長が真に反省したのはナバラ国王より重要なマルディン将軍が謝罪した後だった。
web版ルートはプジョル将軍の結婚式が王都で行われる為、登場しない。
- アルヴェ王国
カープァ王国の最北端の国境を接する敵国で小国。web版ルートで登場。
実際にカープァ王国と戦火を交えた回数は非常に少なかった。
ララ侯爵の努力と、借金を背負ったアルヴェ王国を完全に支配したくないトゥカーレ王国上層部の思惑が一致し、独立国の小国として生かす方が国益になると判断されたカープァ王国とトゥカーレ王国の緩衝地帯。
アルヴェの商人の多くはトゥカーレ王国の間者である。
血統魔法は『反発魔法』。
- トゥカーレ王国
アルヴェ王国の北側に接する敵国。大戦の勝戦国の1つであり、南大陸西部で一二を争う大国。
実際のカープァ王国の戦場は交渉の場だった。web版ルートで登場。
『解得魔法』により多種多様な鉱物資源を誇っている。
ララ侯爵領を瞬間移動で訪問した善治郎を解読したトゥカーレ王国は善治郎が探し求めている贈与品を、自称アルヴェ王国商人を通じて進呈してきた。帰国後双王国のフランチェスコやボナに善治郎が琥珀を入手した情報を流した動きもある。
血統魔法は『解得魔法』。効果は『問いに対する正しい答えを得る』事。
知らない事を知る事ができる魔法だが、ララ侯爵によれば、思う以上に制約が多く、得られる情報は限定的とのこと。むしろ脅威なのは、長い歴史の中で培ってきた、限定的な情報を巧みに利用する技術の方である。
未来と人の心に関する問いには答えが得られないとされているが、先の大戦中、未来予知をしたとしか思えない軍事行動をとった実績があるため疑問の声がある。
- 教会
北大陸で活動する宗教団体。北大陸の国の大半に信者がいる。
明確な登場はしていないが、おとぎ話に出てくる白の帝国を利用して南大陸やウップサーラ王国の大陸間貿易に口を挟んでくる可能性があるとみなされている。
- 白の帝国
北大陸に存在したと伝えられる超大国。古代竜種に戦争を仕掛けて7日で滅んだと伝わっている。シュレポフ第四王家、ジェミチェフ第十王家が付与魔法、治癒魔法を血統魔法として持っていた。
十二王家の一部が南大陸に逃げ延び、古代竜種に復讐せんと牙を研いでいるとされている。
一般に、北大陸でも南大陸でもおとぎ話として語られ、ウップサーラ歴史研究者も証拠のない作り話としている。
- 聖域
北大陸ではほぼ見ない陸竜がまだ生息し、奥地には古代竜種が生息していると言われる地域で、人が住める環境ではない為、緩衝地帯になっている。
教会では「聖域」として崇められている。
- 異界
主に山井善次郎のいた『地球』、巨人族や古代竜族の存在する『ウートガルド』などが存在する。カープァ王国の魔法『瞬間移動』以外では行く事が出来ない異界の彼方。
余談
書籍版と漫画版の創作が優先されており、物語が分岐したweb版は隔離掲載となっている。新刊が出る前に更新するケースと更新されないケースがある。
関連イラスト
コミカライズ版(単行本の表紙絵)
関連タグ
外部リンク
『理想のヒモ生活』(web版) - 小説家になろう (書籍版の仕事がある為、更新は年に数回)