概要
体の周りの皮膚が、薄い膜になっていて、これを広げ、ムササビやモモンガのように、木の枝から枝へ空中を滑空する。分類上、得体の知れない動物で、霊長類に入れらたり、翼手目と考えられたり、食虫目に入れられたこともあるが、現在では、独立した目とされている。
分子生物学的な分類ではおさるに近い(なんかユーラシア大陸と北アメリカを合せた「ローラシア大陸」のどこぞでもふもふしてた、ウサギとか鼠とかお猿の共通の祖先「真主齧目」から進化して、お猿系との共通の祖先から分岐したらしいのね)。
皮翼目一覧
フィリピンからマレー半島・スマトラ・ジャワ・ボルネオ・タイにかけて、1属2種が棲むだけの、大変珍しい動物である。しかし化石種は北米でみつかっており、サル類もそうだが、北米が起源の地ではないかと見做されている。恐らく、地球が温暖だった時代も度々、陸続きになっていた現在のアラスカからシベリアへと渡り、最終的に東南アジアに至ったのだろう。その後、地球の寒冷化でほとんどの地域で絶滅したが、東南アジアの熱帯の森林が彼等の生息に最適だったため、そこでのみ生き残ってきた事が推定される。
新生代が始まって、あまり時間が経っていない時代から既に現在のような姿だった事が祖先の化石から窺え、新生代初期に急速に進化し、その後、現在まで大きく姿を変えることなく生きてきた事が解る。この姿と生態は適合する環境さえあれば大きく変える必要がない極めて完成されたものなのだろう。
- ヒヨケザル科・・・マレーヒヨケザル、フィリピンヒヨケザル。